デュッセルドルフのギリシャ料理屋さん

2017年10月28日 | ドイツの暮らし

「ヨーロッパ」という言葉は、「アジア」というほどに古く、
深く、幅広い。

デュッセルドルフで最近評判の、オリジナルなギリシャ料理の店。
ほとんどのテーブルがこの過去50年ほどの間にギリシャから
ドイツに仕事を求めて移住してきた人達、その2世、3世の人達で
占められている。

現代ドイツの中にある、ヨーロッパの中の多くの異文化の沢山の
小宇宙。

ドイツ人と日本人の夫婦の僕らは、今晩は西ヨーロッパのアジアの
異邦人。

 


デュッセルドルフのアイスクリーム屋さん

2017年10月28日 | ドイツの暮らし

僕の長く住むドイツ・デュッセルドルフで最近見つけた、
とても美味しいアイスカフェ、
「ミスタートッティのアイス工房」( „herrtotti‘s Eis-Manufaktur“)

左側が今年の10月3日、東西ドイツ統一記念日に初めて食べた時の
アイスクリーム。

そして下の写真。
今日はその時食べそこなった、焼きたてのワッフルに生クリームと
チョコレートソースにプラムのコンポート付きの超豪華版を頼みました。

そのついでに左の写真のお姉さんに『この前初めて来た時に撮った
写真だよ!アイスも貴方も素敵だね❣️」と見せてあげたら、
お店の主人のトッティーさんと一緒にとても喜んでいたので、
早速その場でメールでプレゼントしました。

デュッセルドルフに来た時は是非、試してみてください!
アイスやお菓子の材料もとてもきちんとしていますよ。

 

 


沢山の秋

2017年10月28日 | ドイツの暮らし

今日は、家の中にも外にも沢山の秋。
土曜日の午後。
いつものように村のプールから戻ってきたら、
僕の前には小さな幸せが沢山あった。

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昨日の夜は秋の嵐。
一夜明けての午後。

根元から折れた大きな松の枝を片付けたり、
散り去った紅葉の葉を集めたり。

春夏秋冬の有難さを思う時。



四十八年目の秋の一日

2017年10月21日 | 家族

秋が来た。

十月の夕暮れの空に
このあいだまでの夏が、骨と皮だけになってしまった。

無言の海鳴りのように
影法師のように、闇と光の秋が来た。

今日のこの日から数えて、母が亡くなったのは48年前のことだ。
彼女の生を知る人は、この世にもう何人もいない。
もちろん、そのようなことは地球上で毎日、何百万回も
繰り返されていることだ。

それでも亡き人が全くいなくなるのは、残された人の
愛惜の想いが消え去った時だろう。 

 

 

 


秋の一日の、小さな自転車旅行

2017年10月16日 | 友人

秋の黄金の陽光の一日。

友達夫婦達と、半日の小さな自転車旅行。
今日の日を刻むのは、光りの中に浮かび立つ皆んなの自然な笑顔。

いつもはだいたい気がつかずに毎日を過ごしているけれど、人生の
幸福はドイツでも日本でも、身の回り三里以内位にあるのだろう。 

 

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秋の小さな自転車旅行、その続き。
のんびりとした、幸福な一日。

ドイツの国、その風土。

僕は此処に35年暮らしていても、そしこれからの僕の人生でも、僕の
内面の中に住みついた、限りなく身近な異国の国として留まるのだろう。

それでも今日の日は、僕が愛着を持つ人達と風景が織りなす時間の中で、
僕の人生の多くは此処にあるのだと、僕は自らに答えていたように思う。

 


Goldener Herbstードイツ語で「黄金の秋」

2017年10月15日 | ドイツの暮らし

【10月14日】

今週末は素晴らしい天気。秋の陽光の、それは綺麗なこと!

 

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【10月15日】

「黄金の秋」(goldener Herbst)と言う表現があります。

今日の土曜日は、まさにそんな光りの一日です。それで、キッチンの
下仕事をなるべく、外で、庭ですることにしました。

今は夕方の6時、秋の陽光を惜しんでいます。
気持ちいいなぁ〜!

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【10月15日の朝】

日曜日の朝、いつものようにプールに行く途中に見た風景。

村のサッカーチームの子供達。

僕が住む5000人くらいの村に3.4歳のバンビチームから
40代の壮年チームまで、6つくらいのチームを抱え、
クラブハウスまで持っています。
そんな村がドイツには何千、何万とあります。まさにサッカー
王国ドイツの基盤です。そして、さらにそれよりも現代ドイツの
地方分立、分散性の象徴です。

そして、プールの入り口前に停めてあったお父さんと娘さんの
ペア自転車。今日は二人で水泳に来たのでしょう。

どちらの風景も、ドイツの今の社会が、毎日の暮らしを大切に
している部分だと思います。

 


南独の「隕石と中世の街」ー ネルトリンゲンの一日旅

2017年10月11日 | ドイツ・ヨーロッパの「旅」

1500万年前に隕石が落ちて出来た盆地の真ん中にある、
中世からの街、ネルトリンゲン(Nördlingen)、一日、
一人で散歩しました。
今日は僕のブログで初めてのドイツ観光案内です。 

(ネルトゲンの地図、街をぐりると囲む中世からの城壁が
 そのまま今も残っているのがよく分かる。ドイツの中でも
 唯一の街。)

(街を囲む城壁の内側、全長一周で三キロ、おすすめの散歩道。)

ネルトゲンの街は後で聞いたところによると、日本で流行った
「進撃の巨人」のモデル舞台にもなり、ドイツ・ロマンチック街道の
一つであるとも。
けれども、そのような観光地にありがちな騒がしさなど一切なく、
街の人の暮らしが身近に感じられる、とても良いところでした。

(街を行く地元の人達。)

(古い画商のウィンドウで見つけた、少し昔のスケッチ。
 下の写真を見ると、今とあまり変わりがない。)

(土曜日のマルクトに買い物にきたお母さん達。乳母車を止めて
 ずっと話し込んでいる。いつ終わるのだろう。)

(昔からの花屋さんの入り口。)

(銀行の古い建物。灯りを頭の上に乗せて、見張りをしているの
 だろうか。)

(右側の赤い建物。「市庁舎前カフェ」という古い名称の喫茶店。
 テラスも素敵だったけれども、中のお菓子といかめしい顔をした
 ご主人がいまいちだったので、足を踏み入れなかった。)

(何百年も続いている古いホテル。そんなに高くもない。
 地下にはワインセラーもあるとのこと。)

(身障者の方々も楽しく働いている、街のビストロ的な喫茶店。
 そこで食べた南独シュバーベン地方の名物「フレードゥレズッペ」
 コンソメも、きしめん風にパンケーキを細長く切ったスープの具も
 本物の味だった。昔はハレの日の贅沢なスープだった。)

(マルクトで見たドイツの野菜。セロリの根っこと、今が旬の
 プラム。)

(街の老舗の肉屋に地元の人の長い行列ができているので
 近寄ってみると、自家製のソーセージを炭焼きにしていた。)

(街のはずれの一軒家。)

(ネルトゲンの街を出たところ。列車の車窓からの風景。
 緩やかな丘陵地帯が続いている。)

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【ネルトゲンの街のその他、いろいろ】

① マルクトで見つけたオーガニックの山羊のチーズ専門の屋台。

チーズも女主人もとても良い感じ。一言で言うと「オーセンティック」
伝統の中の自由と個性。今のドイツで僕が一番好きな部分です。

山羊のチーズが好きなウチの奥さんのことも思い出し、三種類のチーズが
入った自然な、可愛らしいパッケージのお土産も買いました。

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② 市庁舎前広場の近くで見た天使の看板。

この旧い看板を日本語に直訳するなら、
「市立ないし市中薬局、天使の下へ」とでも訳すのだろうか。
はたして、これは病を癒すも、安らかな終わりを告げるのも神の
ご加護のもとでは同じというようなことであったのだろうか?

確かなことは、昔からドイツの薬局は富裕な市民階級に属し、
代々資産を成していたことだ。多分、天使の看板の下に或る一定の
知識を独占し、現世の利にあやかっていたのだろう。
宗教と知識と階層の結託、これはヨーロッパのブルジョアジー、
市民階級の一つの特色だったと思う。 

 


アーレンの朝の散歩ードイツの「地方創生」

2017年10月11日 | 社会

南独の秋の朝。
昔からのドイツのマルクトの風景の中をひとり歩きました。
アーレンは中世からの古い街、そこでの数日間の仕事を終えて、
今日は気が向くままの一人旅です。

第二次大戦中に連合軍の爆撃を受け、大きく破壊された街並みを
戦後復興して、経済成長の時代もその景観の保全を図ったこと。
そして、土地の人々がその中で今の暮らしを営んでいること。
それはこの街だけのことではありません。
ドイツで仕事をしていると各地の出張先でよく見る風景です。

政治・経済・文化の分散化、地方分権、地方分立の精神。
こういうことが現代ドイツの盛んな国力にも、そしてもちろん、
人々の日常の暮らしの満足度にもつながっています。

一極集中の人達が机の上だけで考えた「地方創生」などという
空言とはかけ離れた風景がここにあると思います。

 

 


ドイツの郷土料理のメモ

2017年10月10日 | ドイツ・ヨーロッパの「食」

ドイツにもきしめん風や餃子風の美味しい料理が有ります。

例えば、南ドイツ・シュヴァーベン地方の郷土料理、
卵がたっぷりはいった薄いパンケーキ状の生地を細長く切った
具が牛の透明なコクのあるしっかりしたコンソメの中に浮かん
でいる「フレードゥレズッペ」。あるいは、イタリアで出逢った
ラビオリ娘が南ドイツに嫁入りして十年経ったような「マウルタッシエ」
です。もう一つ忘れてはならないのがマカロニのような蕎麦がきのような
「シュペッツレ」。
昔は、この三つの料理がきちっとできなければ嫁にはいけないと
言われたくらい南ドイツ、シュヴァーベンの人達の暮らしに
根付いた料理です。 

南ドイツを旅行した際は、是非、小さな村の地元の
料理屋で試してみてくださいね。

シュヴァーベン地方の古い街、アーレンの街並み。
戦災でだいぶ破壊されましたが、戦後、元の景観を見事に
復興しています。

こんな雰囲気の村の料理屋さんが、南ドイツには何百、何千と
あると思います。 


「ドイツで和食を作るならー今日から明日へ」

2017年10月04日 | 毎日の食卓

この数年、我が家のご飯は豆腐や野菜料理が中心です。
大体は昆布水をベースにした和風のヴィーガンで、その中でも最近は
ドイツの地の野菜を大分うまく使えるようになりました。
嬉しいことです。

 

さて、昨日は東西ドイツ統一記念日、妻と友人の娘さんと三人で
久し振りにデュッセルドルフの街中に出て、
「the end of meat / 肉食時代の終わりに向けて 」
というドキュメンタリー映画を見ました。

【THE END OF MEAT】
http://www.theendofmeat.com

料理をすること、食べることが生命や自然につながる行為、人の健康や
幸せに関わること、そして現代の社会や次世代の未来のことを真剣に
考えるなら、現在の工業化された肉食中心、砂糖、油、小麦過多、
大量消費型の食生活から離れていくことが個人的にも、国際的にも、
社会全体としても本当に大切なこと、地球の未来、人類の基本的倫理に
関わることだと改めて思いました。

さて、今日の我が家の夕ご飯。

揚げ出し豆腐、椎茸と庭で採れたブロッコリの花の餡かけ。
蕪と湯むきトマトの自家製味噌汁。庭の紫蘇の葉と刻みトマトを混ぜ込んだ、
ニンジンラペのレモン梅酢サラダ。五分搗き米の野菜いろいろチラシ寿司。
ジャガイモとエリンギとポレ葱のかき揚げに焼きカボチャの葛衣揚げ。

なお、天つゆは精進ベースでも、干しえのき茸と干しごぼうをその中に
少しづつ浸しておくと、とても上品なコクのある天つゆとなります。
また、焼きカボチャの葛衣揚げは、そこに黒胡麻と針千本に切った
生姜をまぶしても、とても美味しくなります。

今日は野菜料理は本当にいいなぁ、作り甲斐があるなぁ、と思いました。
そして、家族の食事だけでなくドイツで僕が今後、もっと食の仕事に
携わるなら、日本の本来の野菜の扱い方、野菜料理の考え方をよく理解、
応用してこの国の人達に役に立つように上手に伝えたい、そして、本当に
美味しく食べてもらいたいと思います。