カフェで見つけた言葉

2010年07月28日 | 京都の一日
今日は午前中のんびり。特別な用事もない。上京から中京に向かって、
西洞院通りを自転車でゆるゆると下っていく。
いつものことだが、
あちこちのお店や通りの右、左を覗いているうちに、
自分のいるところが分からなくなってきた。丁度、昼時になったので
最近よくある町家を改造したカフェ&ランチみたいなところに入る。

野菜が中心のベジタリアン料理ということだが、変に気取っている
だけで
味付けがどうも奇妙。申し訳ないが、半分程残してしまう。
むしろ食後に見つけた、本棚に置いてあった雑誌が印象に残った。

東山でクラフトを営む女性の言葉。

モノに乗せられ、流されてしまう暮しなら、いっそ離れてしまい
たかった。心の自由を大切にした暮しを選びたかった。
お金をかけないのに品のある暮し方。一人一人が自分の生き方、
時間の使い方を持っていること。やっぱり私は人とのつながりを
求めて生きていきたい。


今、日本の20代、30代の人達の価値観が大きく変わっていこうと
しているのかも知れない。僕は日本にいないのでよく分からないが、
このような考えの人達が多くなってきているように思う。
そして、それが日本の社会を徐々に変えていく力となるならば、
本当に良いことと思う。また、約50歳でこんなことを言うのも
恥ずかしいが、この女性の言葉は僕達のドイツでの生活にも、
一つの物差しとなるだろう。

日本の旅・「世界で一番好きな場所」

2010年07月26日 | 京都の一日
見上げれば夏の入道雲。
水音涼しく賀茂川が流れ、比叡山から北山へ薄靄の青い山々が連なる。
水辺に憩う人達。春夏を通じて子供達と遊んだ風景を思い出す。

世界で一番好きな場所、懐かしいところ。
そんな言葉が相応しい。
歴史と今がつながる場所。

何百万人の生命を超えて水が流れる。「私」が消える。




京都の色

2010年07月26日 | 社会
東京のど真ん中、銀座から京都に戻る。御所西のホテルから自転車で
京都の街中、中京に向けて自転者のペダルを踏む. 夜の青い闇の中、
東山がほんやり浮かび上がる。


京都は今も京都の色をしているが、日本の現代がここにも深く浸透
していることは間違いない。戦後70年が経とうとしている。
人間の暮らしを支える技術がここまで進歩し、資本による大量生産及び
消費が先進国を覆い、交通手段の飛躍的発展と情報革命が世界の文化と
文明の構図を大きく変えようとしている。

日本人の暮らしぶり、生き方も大きく変化した。都市部、特に大都市
ではその傾向が著しい。東京はその際たるものである。
当たり前のことだろうか。凄まじいことである。

醤油。君よ知るや、その滋味を

2010年07月24日 | 日本とドイツの食材
群馬県前橋に「職人醤油」の高橋さんを訪ねる。
日本全国の醤油蔵を巡り、国産丸大豆、小麦で作った天然醸造の
美味しい醤油とその作り手である各地の蔵を紹介している方。
まだ二十代後半の若さ溢れる好青年。日本の大切な伝統を今、
40代でも50代でもない若い人たちが支えようとしている。









国産丸大豆、小麦から麴、諸味をつくり、
四季の移り変わりの中で醱酵、熟成を待つ天然醸造の醤油。
今、その生産量は全体の1パーセントにも満たない。
天然の出汁とともに、何百年と日本人の食、身体、舌を
支えてきた伝統の調味料、天然醸造の醤油。
君よ知るや、その滋味を。





上の写真は、長野県松本市の大久保醸造の大久保さん。
モロミに櫂を入れているところ。木樽には漆が塗られています。
薄口紫大尽、濃口紫歌仙、再仕込み甘露醤油、白醤油笹の露
毎日、家で使ってますが本当に美味しいと思います。大久保さんも素晴らしい方。
会う度に面白い話、教わる事が沢山あります。

祇園祭り、宵宵山

2010年07月15日 | 京都の一日



祇園祭りの京都。大雨の後の京都。今日は宵宵山。ここ数日の雨も
一休み、鉾街でも地元の人たちと観光客がまじりあい、
初夏の夕べ、そぞろ歩きを愉しんでいる。





夏祭り。観音さまへと続く石畳の道。亡き母の姿。
今はなき日本、子供の頃の幻が蘇る。
失われた日本、壊れた過去を追い求める夏の夜。



美弥、15歳の誕生日おめでとう!

2010年07月06日 | 家族
今日は美弥の15歳の誕生日。妻が夜中までかかって誕生日の
飾り付けをしていた。僕は申し訳ないけれど、先に寝てしまった。
朝起きると誕生日祝いとキャンドルがいつものように食卓に用意
されていた。長男が生まれてから18年。毎年、僕と三人の子供達の
誕生日を必ずこのように準備する。僕にはとても出来ないことだ。
頭が下がる。当たり前のことだが、子供達には世界一の母親だと
つくづく思う。





朝、家族で誕生日の朝食会。おばあちゃんがやって来るまで
待っている。美弥の一番の友達イザベルがお祝いに来た。
幼稚園からの付き合い。最近は特に仲がいいようだ。
二人でいつも一緒に何かしている。





つい最近のこと。仕事から戻ってきたら、娘の手が目に飛び込んで
きたので、よく見たら、真っ赤なマニキュアをしていた。
最近サンダルを履いている時に、足下に何か色がついているのには
気がついていたが、とうとう指にもまわってきたか!
美弥も確かにもう年頃だ。末っ子の一人娘。小さな頃のイメージが
いつでもどうしてもだぶってしまう。





親バカそのもの。なんと言われようが構わない。
実に朗らかで元気で真っすぐ明るい子だった。
僕が帰ってくると転げるように走ってきて、
胸の中に飛び込んできた。





誕生日の夕食は家族の友人、アドレアーノのところ。
今日は美弥の好きなものばかり。
いつものように、ニコニコとして腕を振るってくれる
アドレアーノ。8月でお店を閉めてしまうのが本当に
残念だ。





最後の御馳走はアドレアーノ手作りの誕生日ケーキ。真ん中には
チョコレートで大きく15の数字。こんな時は、美弥も健も子供に
戻ったようだ。





美弥ちゃん、誕生日おめでとう。
健やかで良い一年でありますように!