「デュッセルドルフの初夏の夜に想うこと」

2015年06月02日 | 社会

ライン川の街、デュッセルドルフの初夏の夜景です。





久し振りに市のコンサートホールでブラームスやラヴェルの曲を
聞きました。昔はプラネタリウムだった建物で、その窓から、月夜
の川に浮かぶ遊覧船の灯りが水面に映ります。





この日の演奏は来独中の関西交響楽団、バイオリン奏者の外国人指揮者
と共に息の合った、非常にまとまりのよい演奏でした。



 

たまたま、デュッセルドルフに住むことになってかれこれ33年、
未だに自分のふるさとのような意識はありませんが、こんな夕べには
「住めば都」と思って暮らしている方がいいのだろうと感じます。

ルール工業地帯を控えたこの街は、南ドイツのミュンヘン、あるいは
現在のドイツの首都ベルリンのような、昔からの歴史や文化が深く
刻まれている街では決してありません、むしろ、新興の大型商業都市の
ような趣もあるところです。それでも日本の多くの地方都市の戦後の変遷、
そして今の姿を考えると、10倍も20倍も、住む人達の暮らしやすさや愉しみ、
働くことと住むことのバランスを考えた都市開発がきちっと行われてきました。
これはドイツの他の地域の大小の都市や、小さな街についても同様に
言えることです。
東京への政治・経済・行政・労働市場などの一極集中、中央集権型の
社会体制が日本の地域の多様性と活力をどこまで削いでしまったのか、
つくづく残念なことです。

日本の未来を考える時に、これは決定的なことだとこの20年間常に
思い続けてきました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。