14日に東京のソメイヨシノが開花したという。春が来たのに花粉症も加わってまるで閉門蟄居といった生活が続く。
12日の晩酌の締めはハクサイの菜の花どんぶりをつくって食べた。春はこの丼物が定番で、春がやってきたなとその気分を味わう。手軽にあっというまにできるところがいい。ただ肝心のハクサイの菜の花を手に入れられるどうか。
家庭菜園をやっていても、ハクサイの菜の花を得るのはなかなか難しい。結球したものを収穫しないでそのままにして冬を越させると、たいがいは腐ってしまう。しかしその中の数個からうまいぐあいにトウが立ってくる。蕾を付けはじめたら、やわらかい花茎と葉を摘む。これが菜の花どんぶりの材料になる。
多くの菜の花のなかで、ハクサイの菜の花がやわらかく一番うまいといまもそう思う。家庭菜園をやっていても手に入らない年がある。どうしてもこの丼物を作りたいときは、スーパーで売っている菜の花で代用することもできるだが、どうもその気にはならない。菜の花はハクサイにかぎるとこだわる。
わが菜園ではことしはハクサイの菜の花がまったくない。そんなときは、知り合いの農家が放置しているハクサイが頼りだ。多く取り残しているから、トウが立っているものだってある。そこで知り合いの農家の畑を見回ってようやく手に入れた。いつもなら3、4回は作るのだが、この春はこれ1回きりになりそう。
このレシピは春になると毎年このブログで取りあげる。お気に入りなのである。辰巳芳子さんのレシピ「菜の花の小丼」を参考にしている。菜の花を鍋に入れ、オリーブオイルを上から注いで塩、しょうゆ、酒を加えて炒める。どんぶりに熱いご飯を盛り、菜の花をのせ、残った汁をかける。丼物は甘辛が好きなので砂糖も加えている。「小丼」だけに晩酌の締めにもってこいなのだが、いつも「大丼」になってしまう。
菜の花は惜しげもなくすべて使う。今回つくった菜の花どんぶりは冒頭の写真のとおり、ご飯は右下に1、2粒見える程度で、菜の花満載のどんぶりになった。