ふき味噌をつくった。庭のフキノトウを使えればいいのだが、苞(ほう)がすでに開いてしまっていて適しない。遅かった。注意していたつもりだがつい見逃してしまった。フキノトウはまごまごして採らないでいるといるとあっという間に伸びてしまう。
ふき味噌は酒のあてにするか熱いご飯にのせて食べる。手放しでうまいとはいえないのだが、やはりこれを食べると、春の到来がもうすぐだなと実感できるのがいい。その待ちきれない春をいちはやく先取りできる。それがふき味噌だ、と思う。
庭のフキノトウが使えないとなると、さて今年はどうしたものか。一度食べれば気が済むものだし、多くは必要としない。ということでウオーキングがてら秘密の場所で採ってきた。この場所のものはわが家ものとはちがって、ちょうど地上に頭を出してきたところだ。ふき味噌にするには文句ないいい状態だ=写真上。
ふき味噌づくりといっても、年に1回がいいところだろう。もう1回つくろうにもフキノトウが伸びてしまうからだ。年に1回しかつくらないから、レシピは忘れてしまい、毎回必ずネットで確認する。年に3度も4度も続けてつくれるなら自分の好みの味ができるのだが、1回きりとなると出たとこ勝負である。
汚れた苞(ほう)を取り除き、さらにきれいに洗い流す。ことしは150㌘あった。これを細かく刻む。アクが強く、すぐに茶褐色に色が変わっていくから手早く処理しなければならない。鍋に油をひいて炒める。そこに味噌(重量の約半分)、みりんと酒を加えてさらに炒める。苦いようなら砂糖も。ただそれだけである。えっと思うくらいすぐにできてしまう=同下。
ビン詰めだ。ビン詰めの前に鼻を寄せて匂いをかぐ。この瞬間がいい。うーん、これぞ早春の香りだ。その匂いをかいただけでもう十分に満足してしまう。作ることで春の気分をいちはやく楽しんでいる。