草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

中国旅吟(2)/(龍峰)

2008-06-05 | Weblog
上海の街角せわし薄暑かな
夏の朝租界の街に立ちてをり
上海の路地の湯けむり夏柳

夕焼けのバンドのビルや秘史の影
夏の夜や船より眺むバンドの灯
炎昼や人の渦巻く南京路

1700万人の上海。一言で語れない街ではあるが、目下2010年の上海世界博目がけて、古いものと超近代的なものが同居し、毎日壊され、建てられていく。その巨大な動きが世界中の人々を引きつけ、また、新しいエネルギーを生み出しているようだ。曾ての日本人租界、フランス租界、英米の租界であった外灘(バンド)や超近代的な高層ビルが建って行く外灘の向かい側の浦東新区を駆け足で回った。日本で新聞、TVで感じる以上に現地で熱いエネルギーを感じた。
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13 コメント

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好きな句 (九分九厘)
2008-06-06 20:41:43
上海の路地の湯けむり夏柳
 察するに上海の今頃は暑くて暑くて、路地の面から湯気が立っているのでしょう。中国の巨大なエネルギーを彷彿とさせているようです。
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印象に残る句 (ゆらぎ)
2008-06-06 22:03:55
夕焼けのバンドのビルや秘史の影
 ”秘史の影”などと趣のある表現ですね。この秘史はなんでしょう。清朝のころの外国の侵略の歴史であるような気がします。上海のさる公園の入り口に、「犬とちゃんころ入るべからず」と書かれた立て札があったとか。また高杉晋作は、外国商船・軍艦の帆柱の林立するのを目の当たりにして、日本のことに思いを致したとか。欧米列強の切り取り放題の場となっていた上海、中国の人の思いや如何。
そんなことが込められた句のような気がします。
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フェニックス (懐かしい景の句)
2008-06-06 22:36:35
☆上海の路地の湯けむり夏柳

 昔上海を訪れた時の路地裏の景を思い浮かべます。 表の様子とは違った日常の生活感溢れた路地裏で、朝から家の前の路上で料理の鍋を火にかけている景を目にしました。 この湯気はきっとその料理の湯気だと思います。 私が旅したのも夏で柳がその時の景を一層彷彿とさせてくれます。中国の人はともかくいつもよく食べていたという印象を持っています。

☆炎昼や人の渦巻く南京路

 中国に行ってまず驚くのは人の多いことでした。 特に街を歩くときは人にもまれ、自転車に注意し、また車の通る道の信号もあって無きがごときで、運動神経を最高に働かして歩かないと事故に遭うような気がしました。 南京東路という道を思い出します。

☆夕焼けのバンドのビルや秘史の影

 かつての租界地区は独特の雰囲気のあるところだと思いましたが、中国が西洋の列強に支配されていた名残りでもあるのですね。 秘史とはそのことを指されているのですか。


以上の印象は10年以上も前に中国を訪れた時のものですが、今の上海は龍峰様が語られているように、その上にものすごいスピードでの超近代化の現象が見られると思います。

二度にわたる中国旅行の句を大変楽しませていただきました。有難うございます。
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御礼 (龍峰)
2008-06-07 22:06:14
九分九厘 様

上海の路地ーーの句にコメントを頂き有り難うございました。
中国は表から一歩裏へ入ると途端に本音の生活。屋台や小さな店が道路にはみ出して商売をしており、皆は外で食べている。このたくましさは今の日本人にはちょっと太刀打ちできない。そのような一端を詠んでみました。
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御礼 (龍峰)
2008-06-07 22:25:53
ゆらぎ 様

夕焼けのーーーの句にコメントを頂き有り難うございました。

ご存じのようにバンドは英・米国の租界でした。アヘン戦争の後この港に面したバンドの一帯には立派なビルを英米は建てて行きました。しかし、これは中国側からすれば悲劇の象徴でした。そのような思いを今でも立派なビルを見るにつけ思った次第です。
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好きな句 (四捨五入)
2008-06-07 22:35:31
上海の街角せわし薄暑かな
夏の夜や船より眺むバンドの灯

上海の道路は車で溢れ、活気はあるのですが警笛をバンバン鳴らすのでうるさいことこの上なしでした。「せわし」がよく表していると思います。
バンドの夜景はとても魅力的ですね。1920年代の建築をよく残していると感心しました。遠い昔へタイムスリップした感じがしました。
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御礼 (龍峰)
2008-06-07 22:48:39
三句も取り上げて頂き誠に有り難うございました。
フェニックス様は蘇州にも上海にも行っておられるので現地の様子はおわかりの通りです。恐らく基本は10年前も今も変わらないと思います。

上海の路地のーーの句は正しくご指摘の通りの光景です。終戦後の日本を思えば今でも人ごとと見過ごせない気持ちになります。更に表の超近代的な建物、先端のファションと対比して詠みたいとも思いました。

炎昼やーーの句もご指摘の通りです。写真は南京東路の歩行者天国で本当に人の渦でした。東京の銀座なんてなものではありません。片方の地震の惨事などエトランゼには微塵も感じられませんでした。これも底知れぬエネルギーの一面かも知れません。

夕焼けのーーの句もご指摘の通りでです。あのバンドの一帯も2010年の世界博に向けて大工事をやっておりました。悲劇を懐深く受け止め100年単位でそれを糧に起きあがっていく感じがしました。
色々コメントを有り難うございました。
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御礼 ()
2008-06-07 23:01:12
四捨五入 様

上海の街角ーーの句にコメント有り難うございました。
今は2年後の博覧会に向けて暑さの中ものすごい勢いで人も物も忙しく動き回っておりました。本当はせわしないどころではないところです。

夏の夜やーーの句にコメント有り難うございました。
今は金、土の夜のみですが、遊覧船から眺めるライトアップされたバンドの一帯は本当にきれいでした。神戸も見習わねばならぬと感じました。
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2008-06-07 23:47:03
☆上海の街角せわし薄暑かな
清朝末期以降、イギリス、アメリカ、フランス、日本など当時の列強といわれる国々の租借地として栄えた上海が中国で一番早く欧米化されたそうですね。それに中国でも最も、商売上手といわれる上海の人の熱気がむんむん伝わってきます。中国と欧米の混血文化の好い所がとてもよく感じられます。
☆上海の路地の湯煙けむり夏柳
中国のかの地はまだ訪れた事がありませんが、広い国土の南方には、柳の木が沢山植えられているようですね。近代的なビルの立ち並ぶ大きな通りも少し路地に入れば、色々な食べものを商う屋台の湯気が立ち込めて、活気溢れる様子が目に浮かぶようです。御句のどの句も素敵ですが、特にこの句が紀行
俳句として、情景を良く伝え、詠みのリズムも素晴らしく好きな句です。
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御礼 (龍峰)
2008-06-08 21:22:10
かつらたろう 様

2句もご推挙頂き有り難うございます。
仰せの通り、又皆様にも申し上げた通り上海は今世界の中で最もダイナミックに変貌を遂げつつある都市のように感じられます。しかも、明、清時代もしくはそれ以前の古い建物と超近代的な建物が並び次の日古いものは壊されていく。街中がごった煮の如くかき回せれていく。すさまじいエネルギーがほと走っている。近代的な建物から一歩裏へ入れば昔ながらの懐かしい生活のにおいが漂っている。そのアンバランスが
面白い。そのような雰囲気が少しでもお伝えできたとすれば誠に幸甚です。
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