又平に逢うふや御室の花ざかり
俳句雑感を楽しく読ませていただきました。最初に出てくる蕪村のこの句が好きです。蕪村自身が書いた俳画が手元にありますのでご紹介します。足もとに瓢箪が転がっていて、赤い烏帽子を付けた男がふらふらと、着物を肩脱ぎして歩いております。前文は「みやこの花のちりかかるは光信が胡粉の剥落したるさまなれ」とあります。此の絵に描かれた人物は、江戸初期の風俗画家「岩佐又兵衛」(奇怪な絵を描くことでも有名な人です)とされているのですが、ゆらぎさんの言われる「浮世又平」と同じかどうか調べてみましょう。
なんとも味わいのある絵です。下のほうに酒のふくべがころがっているので、大分呑んで浮かれ出したのでしょう。仁和寺にある御室の桜は、ご承知のように背の低いものですが、その花をいっさい描いていないのも面白いです。そういえば、吉井勇の歌に、こんなのがあります。
”黄昏に落花を燃やす煙かなし君といきたる仁和寺の庭”
とまれ、最高のコメントをありがとうございました。
御礼が遅くなりました。花といえば今では殆どソメイヨシノになっていますが、京都の古いお寺にはいろいろな桜があるのですね。来年の春には仁和寺に参りたいものです。