草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 立夏 / 九分九厘

2012-05-05 | Weblog
   
                         酒なくも宴ふたたび櫻餅

                         初恋の記憶まざまざ櫻餅
 
                         坊主の日機嫌直しの櫻餅

                         春の闇六根自在の夢をなす

                         手探りに若きに還る春の闇

 
                         夏立つや窓辺の鉢のセピア影


今日は立夏という。久し振りの天気で庭の木々に虫除けの消毒剤を撒く。今の機会を逃すと木犀の若葉を虫が食い荒らすのである。4~5日ほどおいて二回虫除けをするとほぼ完璧にうまくいく。これで秋に至るまで、堂々たる金銀木犀が我が家の目印となる。 以上
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6 コメント

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好きな句 (龍峰)
2012-05-07 12:47:43
 酒なくも宴ふたたび櫻餅
如何にも風流人の浮世を卒業した作者の心境を詠んだ句のように見受けられます。なかなかこのような境地には時間がかかりそうです。

 手探りに若きに還る春の闇
春の闇は色々なことを思い起こしてくれそうです。波乱に富んだ作者の若き頃に戻してくれるのも束の間の春の闇ですね。「手さぐり」からは作者の今も躍動する気持ちが伝わってきます。


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好きな句ほかコメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2012-05-08 21:32:46
☆酒もなく宴ふたたび桜餅
小生の現在もそうですが、何かの理由で大好きなお酒を控えられているのでしょうか?お酒は呑まなくても、宴の気分に浸ることは可能なようです。そうです。甘いものを食べながら「お茶け」を呑み、取り止めのない話に興ずることなどです。「酒」と季語の「桜餅」の対極にある取り合わせの妙が良く、不思議な達観の心情を思わせて呉れますね!。

☆春の闇六根自在の夢をなす
仏教用語からの六根とは、人間に具わった五感と第六感とも言える意識の根幹との事であり、九分九厘様に相応しいこの御句かと思います。妖しく艶めく春の闇に、生きとし生ける人間本来の感覚と意識を開放し、至福とも想える春の夢ですね!!。

☆夏立つや窓辺の鉢のセピア色
鉢植えの植物の本来の色形を知っていて、尚勝つ夕暮れの薄闇にその影を眺めながら、明るい時間のその鉢を想う・・・。この御句も絵心のある九分九厘さまならではと思います。初夏の日差しは早朝、昼間、夕方と刻々色々な風情のある景色(色と形)を見せて呉れます。大変趣を感じます、大好きな一句です。
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御礼 (九分九厘)
2012-05-09 20:39:23
龍峰様
 コメントありがとうございます。二句いずれも後期高齢者の句であると、いささか後悔の念をもって読み返しております。年を取ることに自嘲と誇りの交錯した思いが俳句に出ているようです。明日からイタリアにスケッチ旅行に出かけます。俳句も忘れずに作ってきます。
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御礼 (九分九厘)
2012-05-09 20:48:15
たろう様
 体調不具合のこと存じております。無事の回復を心よりお祈りいたします。3句の選を頂き有難うございます。六根自在の句を上手に解説して頂き恐縮です。この境地に至るのにはまだまだ修行が足りないようですが、句にするとその気になるのが面白白いです。明日からしばらく勝手気ままな海外旅行をしてきます。
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好きな句 (四捨五入)
2012-05-11 23:15:36
酒なくも宴ふたたび櫻餅

酒宴がはねたあと、今度は雰囲気を変えて甘いものをつまみながら延々と談笑しているさまが浮かびます。桜餅がこの雰囲気をよく表していると思いました。

初恋の記憶まざまざ櫻餅

物にはすべて善し悪しにかかわらず思い出が詰まっているものですが、桜餅を見ると初恋の記憶が蘇って来るとはなんと素敵なことですね。

手探りに若きに還る春の闇

老いてなお、青年の心身をとり戻すには如何にすべきかを探究されていることを詠まれたものと思いますが、「手探り」と「春の闇」がよく呼応していると思います。実際には手探りどころか既にいろいろ実践されていますよね。

九分九厘 様

イタリア旅行はいかがでしたか。貴兄の作品を楽しみにしております。小生10日まで横浜に滞在しておりましてコメントが遅れ失礼しました。

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御礼 (九分九厘)
2012-05-22 09:59:47
四捨五入
 イタリアから今日戻ってきました。ヴェネチアの近くのキオッジャとアルプスに近い北のベローナを中心にしてひたすら絵を描いてきました。温度差が激しく北では8度c位でセータを着こんでの旅行でした。

3句選んで頂き有難うございます。いささか季節外れの感もありますが、いいコメントを頂き喜んでいます。気候も風習もそして肌に感ずる色彩感の全く違うイタリヤでの俳句づくりは180度の転換が必要な気がしました。
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