草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/秋の錦帯橋と厳島神社 ( さゆり )

2009-11-07 | Weblog
岩国の錦帯橋にて

 秋深き五つのアーチ錦帯橋
 桜紅葉見ながら渡る錦帯橋

 せせらぎの秋を流るる錦川
 荒れはてし武家屋敷あと柿熟るる
 
 落鮎の見ゆる高さや錦帯橋
 岩国の槍倒し松色変へず

「槍倒し松」とは、昔、参勤交代の時、石高の高い大名が、低い小国を通る時槍を倒さなかったので、岩国(小国)では、槍を倒して通るように松を道に被さるように植えたのが、槍倒しの松と言われるようになったそうです。今も青々として残っている。

宮島の厳島神社にて

 ま青なる秋空に立つ大鳥居
 朱の色の長き回廊秋の風

 海を背に蘭陵王てふ神楽舞ふ

 干潮の砂に寝そべる牡鹿かな
 夕食は宮島産の牡蠣尽くし

木枯らしの吹く前の良き天気に恵まれた旅でした。錦帯橋も、厳島神社も、原爆ドームも私は初めてでした。広島の街は、世界中の人が訪れるのか、大変綺麗な都市だと思いました。
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15 コメント

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好きな句 (四捨五入)
2009-11-08 11:39:35
 荒れはてし武家屋敷あと柿熟るる

栄華を極めた主がいなくなり、手入れされなくなっても、しっかり実を結んでいる柿の木の健気さがよく表れていると思います。

 岩国の槍倒し松色変えず

小国岩国のプライドと知恵に感心しました。その心意気は今も残っているのでしょう。季語はどれでしょうか。
御礼 (さゆり)
2009-11-08 15:16:57
四捨五入様
 「柿熟るる」と「色変えぬ松」の句をお選び下さって、適切なコメントを頂きお礼申し上げます。武家屋敷あとには手入れもしないのに柿だけが、鈴生りになっているのは、印象的でした。
 「槍倒し松」の句ですが、季語は「色変へぬ松」で秋の季語です。残念ながら、ホトトギス新歳時記稲橋汀子編(三省堂)には、載っておりません。私が家で使っております角川の俳句大歳時記と、実用季寄せ(皆川盤水監修、東京新聞出版)には載っております。例句として
 「神代より色替えぬかな松と浪」一茶
 「城亡び松美しく色かへず」富安風生 などが載っております。
お礼 (四捨五入)
2009-11-08 16:49:20
さゆり 様

「色変へぬ松」とはおくゆかしい季語ですね。
使ってみたくなりました。教えて下さってどうも有難うございました。
御句の「松色変えず」は「季節が替っても」だけではなく、「時代が替っても」と採れますので、スケールの大きな句になっていると思います。
好きな句とコメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-11-08 20:06:13
☆落鮎の見ゆる高さや金帯橋
岩国と言えば、アーチ型の太鼓橋で名高い金帯橋ですが、実はこれ、江戸時代に作られた木製の継手工法による素晴らしい建設技術のようですね。アーチ型に組む事によって、上の橋に架かる負荷が分散され重みを支えているようです。その金帯橋の上を昇り降りすれば、川の中の綺麗な水に落鮎が澄んで見える・・と言う秋の清冽な観光の旅が思われ素敵な句です。

☆岩国の槍倒し松色変へず
その土地には土地の色々な言い伝えがあるものですね!。後書きによりその「いわれ」が分かりましたが、大名行列で通る槍の長さは普通三間槍(約5.5メートル)のものが多く、松は有効だったでしょう。又、松や杉は色変えぬもの(どんな境遇になっても変節しないもの)として、武士の忠誠心の表れとも思われ大切にされていました。ともあれ、秋の紅葉が進む中、土地の固有名詞といわれが巧みに結びつきましたね!。

☆ま青なる秋色に立つ大鳥居
☆朱の色の長き回廊秋の風
嘗て平家の平清盛が創建した安芸の宮島、厳島神社は、海の中に立つ総朱塗りで有名な神社ですね!。小生も大昔、修学旅行で訪れ驚きました。何故かお土産にしゃもじと、守り刀と言われ木刀を買いました。
戦国時代には毛利元就と陶晴賢(すえはるかた)の「厳島の戦い」があり、諜報と謀略によって毛利元就の大勝利で終わり中国地方の覇者となった事は有名ですね。
御句に秋の紅葉の今の時季、総朱塗りの華麗で優雅な佇まいの中に、平家滅亡、戦国の世などの時代の変遷を見つめてきた、厳島神社への旅情がしのばれます。

☆干潮の砂に寝そべる牡鹿かな
御句を拝見して一瞬に大昔の光景がよみがえりました。干潮になれば、はるか彼方の海の中に立っている大鳥居まで徒歩で行ける事。又、神社と鹿は良く聞く光景ですが沢山の鹿がいて、潮の引いた、元、海の所で遊ぶ不思議な光景でした。

さゆり様
国内旅行は一度は訪れた事があっても、四季折々に見せる佇いまでは中々体験出来ませんが、素晴らしい秋(安芸・・?)の小旅行でしたね!。広島市は中国五県の中核となる都市ですから大都会のようですね!!。
すきな句 (龍峰)
2009-11-08 20:58:37
秋深き五つのアーチ錦帯橋

錦帯橋は随分前に行きましたので忘れかけていましたが、御句を読んで、青い空に橋の形が浮かぶ姿が思い起こされました。周囲の山の紅葉、川の清らかな水、これらが全て大きな景色となって見えてきます。スケールの大きな句です。

荒れはてし武家屋敷あと柿熟るる

秋の侘びしさがにじみ出ている句と感じました。栄枯盛衰でしょうか。崩れかけている土塀、赤い柿の実が一段と鮮やかに浮かんできます。

朱の色の長き回廊秋の風

厳島神社の回廊の柱や梁の朱色が海の青さ、周囲の山の紅葉に映える中で、作者が秋風を受けて一句を詠まれた様子がよく分かります。日本の秋の象徴的な情景の一句ですね。
御礼 (さゆり)
2009-11-09 10:00:36
かつらたろう様
 拙句の中から、「落鮎」「槍倒し松」「秋空に立つ大鳥居」「秋の風」「牡鹿」とお選び頂き、それぞれに嬉しいコメントをお書き下さって、有難うございました。又、歴史に詳しいかつらさん故、どの句にも歴史の解説付きで、歴史音痴の私には、大変勉強になり、重ねてお礼申しあげます。
御礼 (さゆり)
2009-11-09 10:11:07
龍峰様
 拙句の中から、「秋深し」「柿熟るる」「秋の風」をお選び下さって、それぞれに嬉しいコメントを頂き有難うございました。広島は初めて行きました。世界遺産の宮島の厳島神社、や原爆ドームなどがあるためか、観光客の多い事、また美しい都市であることを感じた今回の旅でした。
好きな句 (凉 )
2009-11-09 12:35:12
朱の色の長き回廊秋の風
平家一門の厳島詣ででゆかりの深い厳島神社の紅葉はきれいなことでしょうね。
宮島の 海に浮かぶ朱塗りの大鳥居、朱色の長い回廊を吹き行くさわやかな秋風、海の青空の青に映えてそれは美しい光景だったことでしょう、
素敵な旅をなさいましたね。
ご一緒に旅をさせたいただいた気分です。

御礼 (さゆり)
2009-11-09 14:30:32
凉様
 「秋の風」の句をお選び下さって嬉しいコメントを頂きお礼申し上げます。テレビによく出る厳島神社に一度いってみたいと思っておりました。満潮の朱の鳥居を見たかったのですが、朝でしたので、遠くまで砂地がひろがっていました。紅葉も始まり、鹿があちこちで遊んでいて、ゆったりとした楽しい旅でした。
好きな一句(秋の錦帯橋) (光芒子)
2009-11-10 05:21:43
  ☆せせらぎの秋を流るる錦川
錦帯橋は機会がなく未だ訪れたことがありません。従って、錦川は見たことがありませんが伊勢の五十鈴川のような感じでしょうか?
良く澄んだ清い水の流れが浅瀬で太陽を浴びてキラキラ光っています。桜の落ち葉がチラホラ流れていくさまに往く秋を惜しむ作者の気持ちが伝わってきます。
今年6月、友人が下関に転勤になったので河豚を食べにこいと誘われていますが、このとき是非訪ねてみたく思っております。


  ☆岩国の槍倒し松色変えず
「槍倒し松」は、面白い故事ですね。それを季語を巧みに使われ”色変へず”と見事に表現されたものです。

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