草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句:冬めく・葉有露

2022-11-15 | Weblog

 11月11日(金)、「藍」夙川句会より大和西大寺への吟行に参加してきました。近鉄奈良線大和西大寺駅で下車し、安倍元総理が襲撃された現場を通って平城京跡に向かいました。大極殿、南殿、朱雀門以外は草の生えた野原のみでした。

 小生は、平城京跡への吟行よりも晴天のもと広々とした空間を楽しんだ一日でした。

 吟行

・朱雀門踏切番に冬日向

・都なく平城の里はてしなし

・平城の古人のくらし見えぬまま

 俳句教室 兼題:冬めく・木の葉髪・山茶花

・冬めくや幼子の背も伸び行きて

・冬めくや通勤車内ふくれ居り

・黒と出て散る際白き木の葉髪

・姫椿一片毎に芸を見せ

・山茶花や足元に茣蓙を引き置きて

 

 やっと写真が入りました。一枚目は、夙川の並木道です。今年の春、ご一緒に桜見物した場所です。二枚目は、自宅3階の書斎からの眺めです。むかえの教会に所属しています。

 

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6 コメント

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好きな句 (九分九厘)
2022-11-16 10:40:30
葉有露さま
 吟行の行き先が平城京址を選ばれたのはそれなりの理由があるのでしう。鉄道が平城京敷地を横断していますが、何年か先には地下に潜らせるとされています。あの広大な空き地に昔の建築を復元するのも如何なものかとも思います。活力のあるスマートシティーを作ればいいと思いますが、設計のコンセプトが難しいでしょうね。次の4句を頂きます。

      朱雀門踏切番に冬日向

 この句は、のんびりとして平和的であります。中七が時代を現代に引き戻していますが、奈良時代に馬車を取り仕切る踏切番に相当する役が板かも知れません。時代の流れと朱雀門周辺の広大な空間を思わせる好きな句です。
                       
    黒と出て散る際白き木の葉髪

 ユーモア溢れる句です。よくぞ17文字に纏められたことよ!

    姫椿一片毎に芸を見せ
    山茶花や足元に茣蓙を置きて

 椿と山茶花は極めて良く似ています。その違いは椿の花は首からまるごと散り、山茶花は花びらから散っていくものとネット検索で分かりました。俳句では同じものとして扱っているのでしょうか。
 前者の句は秀一なもので、姫椿が咲いているときから散るときまでの様を擬人化しての句です。お見事ですね。後者の句は、山茶花を愛する人の優しさが溢れています。
               以上
返信する
お礼 (葉有露)
2022-11-16 17:17:08
九分九厘様
 投稿早々、4句までもお採り上げ頂き有難うございます。
 平城京跡の選定は、夙川句会の代表が,諮ることなく自分で決めた経過があります・小生は,平城京跡には
余り関心がなく、不参加のつもりでしたが、主催句会の一員として当日はでかけました。藍俳句会主宰の
花谷清先生を含め11名の吟行となりました。

 ・朱雀門踏切番に冬日向
朱雀門の北側敷地内を近鉄奈良線が走っています。
羅生門から朱雀門に向かう道の際に踏切番の老人が
椅子に座っていました。この方と十四、五分雑談を楽しみました。奈良県人の気質、高市早苗氏の評判
など。
 ・黒と出て散り際白き木の葉髪        句に仕立てるのに苦労しました。教室の女性陣は、表現豊かに
投句していました。

 ・姫椿一片毎に芸を見せ
 ・山茶花や足元に茣蓙を引き置き
最初の投句では「引き」が抜けていました。お詫びします。この二句は、全句と違いさらさらと出てきました。阪神香枦園駅の北側に、3メートルを超える山茶花の木が植わっていて、散歩の際必ず眺めて
います。咲き始めから、散って行く様まで目に焼き付いています。

 四句に寄せていただいたすべてのコメントに感謝申し上げます。 
                葉湯露
返信する
好きな句鑑賞、ほか (かつらたろう(桑本栄太郎))
2022-11-17 20:16:41
葉有露様
今晩は!!。
ここ数日、朝夕は冷え込むものの連日のように良く晴れ、秋晴れにつづき冬晴れの天候が多く、日中は未だ暖かくて吟行には持って来いですね?「花谷清先生」とは、大変著名な俳人の方のようです。
もう既に吟行句会へも参加されるようになられたのですね?
吟行句会は兼題、自由当期雑詠と違い時間があるようで中々句に纏まらず、最初は大弱りを経験した事を今更ながらのように想い出して居ります。
一般的に吟行へ行けば、目に見えた珍しものや経験したことを句に仕立てた、「報告の句」が多くなると云われて居ります。
従って読み下しの「一物句」より、取り合わせによる「二句一章」の句を試みた方が良いと云われているようです。
とまれ!、力作の御句の中より下記のように鑑賞させて頂きました。

    「吟行」
    ☆朱雀門踏切番に冬日向
「朱雀門」との措辞により、奈良平城宮の朱雀門との場所が一瞬にして想起されますね?広大な敷地の為鉄道が走っているようですが、朱雀門は古の都の「正門入口」にあたり重要な建物のようです。そこに踏切番が居るとは、古と現代の景色が同居のようで愉快です。とても秀吟かと!!。

    ☆都なく平城の里はてしなし
平城京の建物群は殆どなく、ただ広大な敷地のみであれば悠久の歴史の奈良平城宮も淋しさが募るばかりですね?
僭越ながら「季語」が付けられていない為、「都なく枯ゑのころや平城宮」なども?

    ☆平城の古人のくらし見えぬまま
小生も嘗て訪れた時、遺跡らしきものは殆ど無くただ荒涼と広い光景に圧倒されるような虚しさと淋しさを覚えたことがあります。
確かに、資料館へ入って見なければ古人の暮らしは見えませんね?
ここでも季語が無く、「平城のときじく見えず冬ざるる」なども?
 

俳句教室 兼題:冬めく・木の葉髪・山茶花

    ☆冬めくや通勤車内ふくれ居り
これからの朝の通勤は益々寒くなり、着膨れの車内となりますね?乗客のすべてが着膨れて居れば、車内も狭く感ずるようです。まさに「冬めく」光景ですね!!。実際8人掛けの座席も7人程になる事があるようです。
    
    ☆黒と出て散る際白き木の葉髪
「木の葉髪」との季語は難しい季語ですね?小生も未だ一度も使った事がありません。年齢と共に、木の葉の落ちるように淋しくなる頭髪ですね?御句の「散る際」は「散り際」との方が良さそうです。・・・「前線の総退却や木の葉髪」なども?
    
    ☆山茶花や足元に茣蓙を引き置きて
朝晩の冷え込みと、日中の小春日和の陽気のせいでしょうか?山茶花が咲き始めましたね?暖かい日中であれば、茣蓙を敷き日向ぼこや弁当なども良いかも知れませんね!!。その場所の光景が見えるようであり、秀吟ですね!!。
返信する
好きな句 (龍峰)
2022-11-17 22:47:23
葉有露様

この時期の吟行は、紅葉もたけなわ、天高い空の下で気持ち良いですね。開放感は羨ましい限りです。
開放感に満ちた御句を鑑賞させて頂きました。

   ・朱雀門踏切番に冬日向
この時期のほっこりした感じがよく出ています。
それ以上に、朱雀門と言う雅な語に対し、踏切番と言う俗の言葉の対比、落差が、大変素晴らしく、超特の秀句に仕立て上げられていると思いました。

   ・都なく平城の里はてしなし
かって長安を模した都の全貌はなく、再現された朱雀門などから想像するのみである。都大路を偲ぶにはあまりにも具体性に欠ける。そのことを思うにつけても平城の里は、はるかかなたの過去だなあと感じておられるのでしょうか。或いは想像される平城の里は広大で果てしない、と言うことでしょうか。
作者の現場に立っての感慨が伝わってきます。

   ・冬めくや幼子の背も伸び行きて
幼子は、冬めいた心地よき季節に入って、一段と成長したように見える。作者の暖かい眼差しが感じられます。

   ・姫椿一片毎に芸を見せ
姫椿の花を調べると赤や白、ピンク、混色など色々な種類の花があることが分かりました。「一片毎に芸を見せ」とは沢山の色の種類がある、そのことに感動した。そのようなことを表現されているのでしょうか。面白い表現だなと思いました。
返信する
お礼 (葉有露)
2022-11-18 10:42:47
かつらたろう様
 
 いつもながら、丁寧に句を読んでいただき、お礼
申し上げます。
 吟行句
 ・朱雀門踏切番に冬日向
33の投句から、入選4句予選4句が主宰より示されました。珍しくこの句も入選に入っていました。こんなことは、年に一回ぐらいです。

 ・都なく平城の里果てしなし
敢えて季語なしで詠みました。季節さえ感じさせないほど、遠い存在と思いました。藍俳句会では、
季語なしも受け入れてくれます。

 ・冬めくや通勤車内ふくれおり
自宅の間際を走るのが見えます。かっては、自分も
車内の一人でありました。

 ・黒と出て散る際白き木の葉髪
ご指摘の「散り際」の方が、読むときの流れが良い
ようです。

 ・山茶花や足元に茣蓙引き置きて
大川栄策の「さざんかの宿」もすきですが、この
山茶花も人間の一生を垣間見させるものがあると
思っています。

 いつも感謝しています。
              葉有露拝
返信する
お礼 (葉有露)
2022-11-18 17:33:53
龍峰様

 早々の採句を頂き有難うございます。吟行は二回目です。出かける前の想像と現場で、違った場面があると投句の意欲がわきます。実は、自宅で三句用意をして、当日でかけました。
 平城京跡は、かなり前にバス旅行で行ったことがあり、雰囲気はそのままでした。正直いって、復元の建造物には感慨もほとんど感じませんでした。
 それだけに、吟行の終わりに踏切番に会えたのは幸運でした。

 ・朱雀門踏切番に冬日向
踏切番との雑談中に湧いてきました。不思議なものです。

 ・都なく平城の里果てしなく
唐の長安を模して造営されたのに、これが奈良朝の最後になるとは、夢幻のごとしです。

 ・冬めくや幼子の背も伸び行きて
自宅近辺、夙川堤には、保育所、保育園、幼稚園が多くあり、心和む風景に会えるのは、うれしいことです。
 
  ・姫椿一片毎に芸を見せ
この風情を毎年見れるのは、楽しみです。

 有難うございました。
             葉有露拝
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