草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/春(龍峰)

2020-04-10 | Weblog

2月の中旬にネパールへ行ってきた。ヒマラヤ山脈とエヴェレスト、古都の寺院そして人々を訪ねて。出発前、段々厳しくなるコロナウイルスの流行で、出発が危ぶまれていたが、無事旅行は実現した。しかし、帰国して1週間後にネパールは日本人の入国を制限した。

この時期ネパールは乾期、ヒマラヤ山脈もエヴェレストも見れた。2015年のこの地を襲った大地震で古い寺院に被害が出たが、いくつかは再建されつつある。ヒマラヤの裾野の村村はちょうど菜の花が咲き、のどか。人々はなつっこく、笑みを浮べている。これはヒンズー教や仏教のお陰だろうか。

 

ヒマラヤ山脈

エヴェレスト 中央の三角錐の山

カトマンズ王宮広場の寺院

ヒマラヤの裾に広がる菜の花畑

 

      早春やグレートヒマラヤ銀の嶺

      雲海のかなた蒼嶺機窓春

      ヒマラヤの千山尖り春拒む

 

      二月や坤輿(こんよ)の盟主エヴェレスト

      尖角のエヴェレスト雪まとい得ず

      春浅し機窓に光るエヴェレスト

      春エヴェレスト片端に人寄る機窓

 

      ヒマラヤの嶺の雪形里の笛

      冴えかえるヒマラヤの里夜深し

      ヒマラヤの音も澄みたり雪解川

 

      ヒマラヤの里の涅槃絵緻密なり

      ヒマラヤの水村かこむ花菜かな

      ヒマラヤの人笑みやさし春うらら

  

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の俳句/散り椿(ゆらぎ) | トップ | 今日の俳句/春・復活祭(葉有... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
好きな句 (ゆらぎ)
2020-04-11 15:11:24
龍峰様
 ネパールだヒマラヤだ、と物凄い好奇心と行動力ですね!ただただ恐れ入りました。ネパールの山村には、菜の花ですか! 心和む景色ですね。印象に残った下記五句を頂戴いたします。

○雲海のかなた蒼嶺機窓春・・・眺めてみい”春”です。
○二月や坤輿(こんよ)の盟主エヴェレスト
 ”坤輿”とは易経からきた 言葉と理解しました。この古い言葉が、ここではぴたりハマる感じです。

○冴えかえるヒマラヤの里夜深し
○ヒマラヤの里の涅槃絵緻密なり

◎ヒマラヤの人の笑みやさし春うらら・・・人の笑み、と春うららが響き合っ ていい感じです。中七の字余りを工夫していただくと、さらに素敵な句になるのではないでしょうか。
お礼 (龍峰)
2020-04-11 16:44:34
ゆらぎ 様

早々に覗いていただき、しかも5句も取って頂き有難うございます。
ヒマラヤはTVなどの紀行番組を見ていて一度は見てみたいなと思っていました。行ったところ、日本より暖かいのにびっくり。季節は1か月早い。エヴェレストを頂く国だからてっきり日本より寒いと思っていました。
自然も人も素朴、決して豊かとはとは言えず、雨季と乾季の気候は厳しい、しかし、人は皆笑みを浮かべ優しそう。幸福とは何かと深く感じさせられた。ご指摘の中七の句は下記のように訂正しました。

   ヒマラヤの人笑みやさし春うらら

有難うございました。
好きな句 (葉有露)
2020-04-11 23:20:15
龍峰様

 2月のお出かけが、ネパールとは。冒険心と好奇心いまだ衰えずの感ありです。
 結構な御土産を頂きました。小生もバンコク駐在時是非行きたい所でしたが、会社には日本人が小生のみで、会社を空けるわけにいかず断念しました。
 お土産の中から、3句を頂戴します。

 ヒマラヤの里の涅槃絵緻密なり
 ヒマラヤの水村かこむ花菜かな
 ヒマラヤの人笑みやさし春うらら

 3句纏めての感想ですが、ヒマラヤの自然と生活文化のつながりを、身近に感じさせてくれます。余談ですが、小生1986年から30年間位
民族学の勉強をしておりました。1年間、大学の聴講生をしたことがあります。それだに、何かを
思い出し懐かしく感じています。

 御土産に感謝しつつ感想とします。
お礼 (龍峰)
2020-04-12 11:00:04
葉有露 様

早速3句を取り上げ、コメントを頂きありがとうございます。
バンコック駐在時代にネパールへ行けなかったのは残念でしたですね。東南アジアからは近いのに残念でした。山もさることながら、カトマンズやヒマラヤの裾野の村村を訪ねられれば、民俗学をやってこられた葉有露さんには興味が尽きないことでしょう。是非、行かれることをお勧めします。最も、コロナウイルスが静まって先方の門が開いてからですが。
素朴な町や村に古くから伝わる仏教やヒンズー教(ネパールの7割)に根差した人々の生活、厳しい環境の中でも人間本来の優しさと尊厳を保つことができるのだなと、今回強く感じました。これが本来の宗教の目指すところではないかと思った次第です。
好きな句 (九分九厘)
2020-04-12 14:08:58
 ネパールに旅行されていたとは驚きました。とても興味のある国で是非とも行って見たいものです。土産話をいずれお聞かせください。次の三句を頂戴します。

 ヒマラヤの千山尖り春拒む

 実際に行ってみないと、このような句は出来ないでしょうね。エヴェレストが坤輿の盟主という威厳が彷彿とされます。

 ヒマラヤの里の涅槃絵緻密なり

 想像するに極彩色の緻密な絵が、ヒマラヤマの風土に溶け込んでいるのをご覧になったのでしょう。写真を撮られていたのなら見せてください。

 ヒマラヤの人笑みやさし春うらら

 この句を詠んで急に体の緊張感が解けてきました。都会では経験の出来ない自然とのふれあい、自然に包容された安心感が句から読み取れます。この句が一番好きです。
お礼 (龍峰)
2020-04-12 17:51:30
九分九厘 様

早速3句を取り上げ、丁寧なコメントを頂き有難うございます。
仏教を研究されている九分九厘さんにはネパールは興味深い地だと思います。葉有露さんの「お礼」にも書きましたが、この地の人は穏やかで「こんにちは」は現地語で「ナマステ」と言いますが、インドでも同じ言葉。インド人によればこの言葉は仏教の「南無阿弥陀仏」から来ていると。ネパールは古来インドとの間で争いも絶えないが、文化も宗教も流入、影響を受けて来た。従いネパールでは7割がヒンズー教、仏教は2割ぐらいとか。人は穏やかで笑みをたたえています。寺院の形は素人目には違いはよくわからない。ストーパは違いますが。仏教がこの地伝わったときにいろいろな文化の一つに涅槃絵があったのでしょう。カトマンズの下町の中に涅槃絵の制作と養成校併設の施設を訪ねた。その場は撮影禁止でしたが、町中の写真を探してみます。
ヒマラヤの山々は遊覧飛行機で見ていくと写真の通り尖り、青年期の山脈が延々と続く。ゆらぎさんがお取りなった句の「坤輿の盟主」はヒマラヤ山脈では、やはり神々しいエヴェレストでした。
是非ネパールへの旅をお勧めします。

好きな句鑑賞とあれこれ (かつらたろう(桑本栄太郎))
2020-04-12 20:00:15
龍峰様
今晩は!!。
相変わらずのご無沙汰を謝し、本日コメントをさせて頂きます。
それにしても、この時期にしかもネパールまでとは?何という体力と気力と金力でしようう!!??。まだ若気の至りのようで、驚くばかりです。
世界の屋根と云われるチベット、ネパールですがネパールと云えば、映像で見たものばかりながら、エヴェレスト、カトマンズ、ポタラ宮殿、マニ教、風葬、などの断片的な記憶が蘇ります。
小生は1月末より電車バスでの外出を控えずっと蟄居のような自粛の「我慢の子」です。
午前中は俳句関連のFB書き込みと、午後には1時間~1時間半の近在への散策の日々です。
さて、沢山の取材に即した秀句ばかりであり選句に困る程ですが、敢えて下記の通りの句を選ばせて頂きました。

☆雲海のかなたに蒼嶺 機窓春
ジェットストリームの城達也のナレータばりの「雲海のかなた」が特に魅かれます。機窓より見下ろす蒼い嶺が眼の前に見えるようです。

☆ヒマヤラの千山尖り春拒む
ヒマヤラ山脈の尖った峰が延々とつづき、あたかも春の到来を拒むように見えます。厳しい光景ですね?

☆春浅し機窓に光るエヴェレスト
世界一高い山のエヴェレストです。その姿を近くで眺める事が出来るのも、飛行機の旅ならではですね?。この光景はこれからも夢の中に何度も蘇る事でしょう!!。

☆ヒマヤラの音も澄みたり雪解川
☆ヒマヤラの水村かこむ花菜かな
先日、お亡くなりなりましたアフガニスタンの国民的英雄であり、わが日本国の誇りであります、中村哲医師が想い出されます。「水さえあれば、高地でも耕す事が出来、農業を営むことが出来る。そして食糧さえあれば傭兵となって戦争に行く事もなく、平和に暮らせる」との中村医師の高潔な趣旨が想われます。
厳しい寒さと氷の山並みのネパールでも、春には雪解川となって麓に幸を巡らせるようですね?

☆ヒマヤラの人笑みやさし春うらら
本来農耕民族であります、ヒマヤラの人々の屈託のない優しい笑顔が想われます。豊かさと、人の優しさとは必ずしも文明の開けた国や都会ばかりではないものと、つくずく思う昨今です。

=追伸=
小生の俳句ブログをゆらぎ様のご配慮により、ブックマークへ用意して頂きました。
拙句ばかりではなく、石破茂ブログへもを拙論を投稿をして居り、是非お立ち寄りくださいませ。
お礼 (龍峰)
2020-04-13 14:27:20
たろう 様

6句も取り上げて頂き、丁寧な鑑賞と、コメントありがとうございます。

リタイヤして10年あまり、時間はあるが、体力記憶力は減退の一方、金力はもともと衰えたまま。人並みに持病も増えて来た。外に出かけるのも時間の勝負とて、思い立った時が吉日とヒマラヤのネパールへ足を向けた。
ここはヒンズー教が7割、仏教2割、歴史的には、インドの影響を色濃く受けた。首都のカトマンズは両宗教の寺院,旧王宮、いずれも世界遺産が多い。3~400年の古い独特の建物が興味を引く。人々は温和で、笑みをたたえている。乾期冬季があり、耕地は少なく、自然環境も厳しく、生きていくには、日本よりはるかに厳しい。しかし、人はやさしい。人間の幸せは、物理的な豊かさと精神的な豊かさの両方から得られるとしても、精神的により豊かであれば幸せになれるのだろうか。このような地に3年ほど住めば、日本で10年の修行をして得られる境地より、より深く自分を見つめることができるのではなかろうかと、ふと思った。
尚、ポタラ宮殿はチベット、マニ教はよく分かりませんがネパールでは聞かなかった。近くでは中国で唐の時代に流行ったのではないか。
今回はヒマラヤの山の厳しさとその裾の山村、人々の温和さを対照的に詠みましたが、たろうさんはよくご理解いただいてコメントを頂戴しました。有難うございました。
貴兄の俳句ブログ追って訪問させて頂きます。

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事