古都奈良を訪れたり、初瀬の長谷寺に遊んだりといそがしいことでした。
西へ行き東をたずね花疲れ
春の夕べ絶えなむとする時報鐘
こもりくの初瀬ゆきたや風薫る
慎みてふ言葉忘るや花水木
音もなく藤散りゆくや宴(うたげ)果つ
漂える菖蒲の香り日の匂い
飛火野はおおらかなりき聖五月
縹(はなだ)から茜に移る春夕
挽きたての珈琲の香や若楓
西へ行き東をたずね花疲れ
春の夕べ絶えなむとする時報鐘
こもりくの初瀬ゆきたや風薫る
慎みてふ言葉忘るや花水木
音もなく藤散りゆくや宴(うたげ)果つ
漂える菖蒲の香り日の匂い
飛火野はおおらかなりき聖五月
縹(はなだ)から茜に移る春夕
挽きたての珈琲の香や若楓
西へ行き東をたずね花疲れ
縹(はなだ)から茜に移る春夕
挽きたての珈琲の香や若楓
お早うございます!!。
美しいもの、趣のある句材とカメラアングルを求めて、東奔西走の日々とはさすがですね!!。
☆西へ行き東をたずね花疲れ
美しいもの、又、そのカメラアングルを求めて何処へでも精力的に出かけられるゆらぎ様に、Hat Off!!。
ところで俳句ではありませんが、嘗て現職の折、百貨店でもリストラの風が吹き、痛くもない肩たたきを沢山の同僚が受けました。小生もその一員で大変悩みましたが、自暴自棄気味で蕪村の句をもじり「菜の花や職を求めて西東」という川柳をつくりました。東奔西走は楽しい事で行いたいものですね!!。
☆こもりくの初瀬ゆきたや風薫る
「こもりく」とは隠口とも言い、四方を山や丘に囲われた土地、または現代では隠れ家との意味もあり、初瀬にかかる歌の枕言葉とも。現代の喧騒の世ではたまにはひっそり佇む土地へ訪れたいものです。とても共感致します。
☆慎みてふ言葉忘るや花水木
アメリカ合衆国へ贈った、日本の桜の返礼として贈られたと言う花水木。正式にはアメリカハナミズキというのだそうですが都会を中心に植栽され、現在では街中の至る所にありその花が盛りですね。小生の近辺ではかなり散り始めていますが、桜とは違いまるで紙屑のようです。やはり日本の桜の花の塵の方が、情緒を感じますね!!。
☆音もなく藤散りゆくや宴(うたげ)果つ
気温の上昇と共に藤棚の藤の花も散り始めましたね。小生は宴の盛りもさりながら、宴のあとの寂しい余韻に趣きを感じて好きなひと時です。同じ心情にとても共感の一句です。
☆飛火野はおおらかなりき聖五月
奈良の中心から東側にあって、広大なる自然の豊かな飛火野は奈良の悠久の歴史をゆったり感じるのに如何にも相応しい場所です。「聖五月」との季語がぴったりで、みどり豊かな雄大なる詠いぶりは見事!!です。
☆春の夕べ絶えなむとする時報鐘
☆漂(はなだ)から茜に移る春夕
小生の近在の京西山にあります寺の鐘は、夏期は夕方6時、冬期は夕方の5時に時報替わりに鳴っています。大変情緒豊かでいつも聞き入っています。春の暮れなずむ時間帯の西空は、大変趣きを感じて好いものですね!!。又、漂(はなだ)とは、明度の高い青色の事で露草の色とも。
所で、御句のこの二句を並列に並べましたのは、少し小生の意見を述べてみたいとの所以であります。僭越なる事をご容赦下さい。
一句目の「春の夕べ」、二句目の春夕(しゅんせき)を入れ替えてみたら如何でしょう?
☆春夕の絶えなんとする時報鐘
☆漂(はなだ)から茜に移る春の夕
如何でしょう?。
何れにしましても、今回は「こもりく」、「漂(はなだ)」など、古語を大変勉強させて戴き有難うございました。
それでは少し季節がずれましたが、いつものように相聞句を!!。
☆青空の蒼へと嶺の春の夕
☆ほの赤く嶺の連なり春の宵
☆新月の伏し目加減や春の宵
正に花を追いかけて東奔西走ですね。西行も唖然としているのではないでしょうか。写真も春の生命の息吹と静謐さを感じさせます。
つぎの句を頂きました。
西へ行き東をたずね花疲れ
春の夕べ絶えなむとする時報鐘
飛火野はおおらかなり聖五月
”五感の働きを彷彿とさせる・・・”という素晴らしいコメントをありがとうございました。嬉しく、また感激しております。ありがとうございました。あまりムツカシク詠まないようにしたら、自ずから口をついて句がでてきました。
たくさん採っていただきありがとうございます。それも素敵なコメントつきで!「東奔西走は楽しいことで」~まったく同感です。”はつせ”のことですが、こもりくは「神の籠もる国」との理解しております。白洲正子の名紀行文を読んでは再々でかけております。「春の夕べ」「春夕べ」については興味ふかい見方を提示いただきありがとうございました。それと、相聞句になると、がぜん光輝きますね。”新月の伏し目加減や・・・”が好きです。
三句も採っていただきありがとうございました。小生は、全体の句の中で「飛火野」の句が一番好きです。ここに立つと、気持ちが悠然としてきます。本当におおらかになってきます。奈良は、寺社仏閣ばかりではありませんね。
コメントが遅くなり申し訳ありません。天気が良い時は庭仕事に追われ落ち着きません。今日は久しぶりに雨なので、コメントを書く余裕ができました。
音もなく藤散りゆくや宴(うたげ)果つ
野田藤は花穂が長く優雅であると言われていますが写真の藤は見事ですね。宴とは藤の花が咲き誇る様を指しているのでしょうか。何事も最盛期を過ぎれば衰退していきますが、それを静かに見守っているゆらぎさんが想像されます。
飛火野はおおらかなりき聖五月
伸び過ぎた草は鹿が食べてくれるので、広大な飛火野はよく手入れされたフェアウエイのように見えます。「おおらか」の表現がぴったりです。
縹(はなだ)から茜に移る春夕
色彩豊かで美しい句ですね。縹色をはじめて知りました。日本語には色彩を表現する言葉が豊富ですね。色彩を詠み込まれた素敵な一句と思います。