草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

トルコ・エジプト旅吟(1)/龍峰

2008-07-12 | Weblog
先日トルコ西部、中部(アナトリヤ)及び帰りがけにエジプト・カイロに寄って帰ってきた。トルコはイスタンブールを起点にアンカラ、ネヴィシェビル、コンヤ、イズミール、チャナッカレと約3500kmをバスで回った。
イスタンブールは皆様ご存じのように1世紀頃にローマ帝国がやってきて2世紀末にはローマ風の街を造る。330年コンスタンチヌス1世がローマ帝国をここに移し、コンスタンチノーブルと改名。395年ローマ帝国は東西に分裂、ここは東ローマ帝国の都として1000年以上の永きに亘り、時を刻む。1453年オスマン・トルコのメフメット2世がここを攻略、東ローマ帝国は滅亡し、イスタンブール(永遠の都)と改められた。尚、トルコは第1次世界大戦でドイツ側につき参戦、敗退。連合軍の国土分割を救ったのがアタチェルク。1923年トルコ共和国を樹立。

 海峡のイスタンブール夏陽落つ
 文明のるつぼに立つや朱夏の街
 帝国の城壁残る夏の暮れ
 風渡るダーダネルスや大西日 

イスタンブールの街の中には東ローマ帝国時代の建物や城塞、塔、壁が残っており、道路は狭くいるくんでいる。そこにいろいろな人種、2000年以上の文明が折り重なり、1000万人の混沌とした都市を形成している。街はダーダネルス、ボスポラス海峡にまたがり、欧亜に地図上は区分される。気候は明るく風光明媚で過去の歴史と現在のエネルギーが解け合った奥深い街である。

 宮殿の海より眺む冷やしチャイ
 両岸に館過ぎゆく青岬
 夏の夜や酒とリズムのベリダンス

尚、コンスタンチノーブルの最後は塩野七生の「コンスタンチノーブルの陥落」に詳しい。

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12 コメント

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好きな句 (九分九厘)
2008-07-12 20:07:49
海峡のイスタンブール夏陽落つ
風渡るダーダネルスや大西日 
 
 エーゲ海クルーズで一度だけイスタンブールで下りてぶらぶらしました。その時の思い出を共有する句を頂きました。海峡の何かしら、ざわざわとした往来の騒がしさ、それになんとも言えないオリエンタルな風情を記憶しております。

夏の夜や酒とリズムのベリダンス
 
 この句になると記憶が共有できるわけもなく、ただひたすらに作者がいい所に行かれたものだと羨ましがっております。
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御礼 (龍峰)
2008-07-12 22:06:31
九分九厘 様

早速コメントを頂き有り難うございました。イスタンブールは行く前より現地に降り立った時、なぜか親しみが増しました。ざわざわしてイタリヤ的ではあるがどこか人なつっこい。そして親日的である。トルコ流にいえば日本人とトルコ人は先祖は同じで今も親戚だと。正しく欧亜のミックスの雰囲気が漂っていました。折角イスタンブールに行かれたのにベリダンスを見られ無かったとは残念でした。芸術の世界でした。
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好きな句 (四捨五入)
2008-07-12 22:53:22
風渡るダーダネルスや大西日
夏の夜や酒とリズムのベリダンス

イスタンブルは一度訪れてみたい都市ですが、まだその機会がありません。
しかし御句を見ますとイスタンブルはエキゾチシズムの塊のように感じられ、旅ごころを掻き立てられます。
よい旅行をされましたね。
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印象に残る句 (ゆらぎ)
2008-07-12 23:59:21
文明のるつぼに立つや朱夏の街
 どうにもこうにも地理的な関係が、わからないので
申し訳ないのですが、古代より多くの歴史があって、その重みが深いものと思います。本当に人種のるつぼかと。トルコの地を踏まれて、感慨を深くされたことと拝察いたします。
 
風渡るダーダネルスや大西日 
 なんとも雄大な風景ですね。沈む夕陽の中に、滅びたギリシャ文明、ローマ文明を思われたのでしょうか。
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好きな句ほか、コメント (かつらたろう)
2008-07-13 00:16:25
☆海峡のイスタンブールや夏陽落つ
東洋と西洋の文化の交わるトルコは、嘗てオスマン、トルコの大帝国を築き世界中の文化、文明を取り入れましたね。以前、トルコに長年、商社マンとして滞在していた人から、トルコ人は自分達の事を、ジンギスカンの末裔だと言って、日本人には大変親しみを持っている国だと聞いた事があります。又、19世紀初頭にトルコ海軍の船が和歌山沖で難破し、日本人が大変親切に救助したことなどは有名な話ですね。トルコ・ブルーとも称される、紺碧のイスタンブールの海と真っ赤な夕日の落ちる光景が目前で展開されているような、エキゾチックでとても素敵な句ですね!!。
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御礼 (龍峰)
2008-07-13 21:20:27
四捨五入 様

「風渡るーー」と「夏の夜やーー」の句にコメントを頂き有り難うございました。イスタンブールはやはり歴史が一杯詰まった街ですから、訪れると面白い街と思います。キリスト教とイスラム教の正に折り重なり続けたところですから余計に深みがあるのでしょか。お勧めの街です。
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海峡の句、2句。 (フェニックス)
2008-07-13 21:44:52
☆海峡のイスタンブール夏陽落つ
☆風渡るダーダネルスや大西日

 どちらも海峡に落ちる夕陽を詠まれた句ですが、2句目にはそこを渡る風も感じられ、異国への旅の感動が大変よく表れているお句だと思いました。ボスポラス海峡、ダーダネルス海峡に落ちる夕陽。私も観てみたい、体感してみたい光景です。

 トルコ、エジプトなどのイスラム圏への旅はまだしたことがありませんが、所謂西洋ヨーロッパなどより、日本人の肌、血に合う国ではないかと想像します。イスラム教自体は全然詳しくありませんが、イスラムの芸術は大変好きです。何よりもあのブルーと白の色彩、そして幾何学的な文様が好きなのです。因みに私の勤め先の本州の南端の下関市はイスタンブールと姉妹都市関係にあり、下関海峡タワーなる高い塔の先端はイスラム寺院の屋根をモデルに作られているようです。ライトアップも時間により違いますが、青い光の時はとても美しく神秘的で好きです。イスタンブールから親善のために来た青年が我が校に講演に来たこともありますが、講演はトルコ語ではなく、英語で行われました。

エジプトの旅吟の句も楽しみにしています。
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御礼 (龍峰)
2008-07-13 21:45:08
ゆらぎ 様

「文明のーー」と「風渡るーー」の句にコメントを頂き有り難うございました。歴史にお詳しいゆらぎ様に申し上げるのは気は引けますが、トルコ人の祖先は中央アジアの騎馬民族と言われ、中央アジアから小アジア、中東、バルカン半島、アフリカを制覇、領土としてきたわけですから混血は勿論のこと少数民族も含めた人種的には複雑な国です。更に今も国内にクルード人等の民族問題、宗教問題、EU加盟等諸問題をを抱えています。それに比べ、日本は余りにも純粋、単純な国だと思います。
エーゲ海に連なるイスタンブールは空は青く、海は正にトルコブルー、丘の緑の中に白い壁、朱色の瓦屋根と来ればどこを切り取っても一幅の絵。そこに沈む夕日も一段と印象深いものでした。
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御礼 (龍峰)
2008-07-13 21:58:00
かつら たろう 様

「海峡のーー」の句にコメントを頂き有り難うございました。かつら様の仰せの通りトルコと日本には友好の歴史もあり、街を通る子供までがこんにちはと我々に挨拶するくらい親日的です。気候は地中海式気候のからりと晴れ、海と空が鮮やかでよく絵などで見る光景そのものです。面白い街と思います。
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御礼 (龍峰)
2008-07-13 22:06:53
フェニックス 様

海峡の句にありがたいコメントを頂き有り難うございました。仰せの通り、白とブルーやイスラムの幾何学模様は訪れた幾つかのモスクや博物館で見ました。又絨毯などに織り込まれている幾何学的な模様も歴史の中に磨き込まれたものを感じました。植物を図案化したものが多かったようです。下関市とイスタンブールが姉妹都市とは知りませんでした。是非先方に行かれることをお勧め致します。
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