中世の街に入るなり夏日影
ヒッタイの神殿跡や灼くる石
どの村もモスクありけり夏の昼
地下都市に降りて古代や風涼し
イスタンブールを発って時計回りに遺跡巡りを開始。最初にアンカラ手前のサフランボル。ここは中世に交易で栄えた街。木造の古い建物や生活様式が残されている。次に紀元前1800年頃にアナトリアを支配したヒッタイト帝国のハットウシャシュ遺跡。尚、東大が発掘調査中。道中はアナトリア地方の緩やかな山岳を走る。ところどころにお花畑がありのどか。村には必ず小さなモスクがある。奇岩の光景で有名なカッパドキアでは中世キリスト教徒がアラブ人の迫害を逃れるために造った地下都市。地下8階で4~5000人住んだと言う。いろいろな生活の跡が残されている。
夏天燃ゆ歴史刻みし大理石
風薫るクレオパトラも立ちし街
夏天眩し遺跡重なるトロイかな
ひまわりや海峡背なに塔一つ
パムッカレの石灰棚、ヒエラポリスの遺跡、エフェス遺跡を訪れる。エフェスは紀元前300年頃に造られ、ローマの属領となる。クレオパトラがローマのアントニウスを助けるために上陸したと言われる。イズミールからトロイ遺跡へ。神話で有名な木馬。紀元前3000年頃より都市が発達し、同じ地に9層の都市が造られた。ドイツ人が私財をかけて発掘、黄金の冠を掘り当てたのは有名な話。どこまでも青いエーゲ海を向こうにひまわりの花が咲き続いているのが印象的でした。
ヒッタイの神殿跡や灼くる石
どの村もモスクありけり夏の昼
地下都市に降りて古代や風涼し
イスタンブールを発って時計回りに遺跡巡りを開始。最初にアンカラ手前のサフランボル。ここは中世に交易で栄えた街。木造の古い建物や生活様式が残されている。次に紀元前1800年頃にアナトリアを支配したヒッタイト帝国のハットウシャシュ遺跡。尚、東大が発掘調査中。道中はアナトリア地方の緩やかな山岳を走る。ところどころにお花畑がありのどか。村には必ず小さなモスクがある。奇岩の光景で有名なカッパドキアでは中世キリスト教徒がアラブ人の迫害を逃れるために造った地下都市。地下8階で4~5000人住んだと言う。いろいろな生活の跡が残されている。
夏天燃ゆ歴史刻みし大理石
風薫るクレオパトラも立ちし街
夏天眩し遺跡重なるトロイかな
ひまわりや海峡背なに塔一つ
パムッカレの石灰棚、ヒエラポリスの遺跡、エフェス遺跡を訪れる。エフェスは紀元前300年頃に造られ、ローマの属領となる。クレオパトラがローマのアントニウスを助けるために上陸したと言われる。イズミールからトロイ遺跡へ。神話で有名な木馬。紀元前3000年頃より都市が発達し、同じ地に9層の都市が造られた。ドイツ人が私財をかけて発掘、黄金の冠を掘り当てたのは有名な話。どこまでも青いエーゲ海を向こうにひまわりの花が咲き続いているのが印象的でした。
ひまわりの花に彩られた海の青が鮮やかに感じられました。石の塔の点景が、これも青々としたおおきな空を見せてくれるように思いました。素敵な旅が一句一句にうかがわれ、遠い地の遠い時代をともにさせていただいたようです。有難うございました。
あちらこちらの遺跡めぐりさぞ面白かったことでしょう。カッパドキアはNHKの世界遺産の映像で見たことがあリます。地下に入られて涼しかったのしょうね。エーゲ海は実際に行ってみないとあの青色はわからないと思います。空気遠近法で考えるならば、遠くの海が霞むはずなのに、遠いはずの海が手前に見えてくる。その青いエーゲ海を向こうにひまわりの花が咲き続いている光景とは最高だったことでしょう。
夏天燃ゆ歴史刻みし大理石
解説の文を拝読していると、興奮を覚えざるをえません。紀元前8世紀に書かれたホメロスの詩「オデュッセイア」に出てくるトロイの遺跡を、その目で見られたのですね。またクレオパトラが降り立った地を、その足で踏みしめるとは! 刺激的な旅です。
いずれの句も、深い歴史を感じさせますが、あえてこの2句を採らせていただきます。
「ひまわりやーー」の句に美しいコメントを頂き有り難うございました。エーゲ海の海はどうしてあんなにも青いのかと帰ってからも考えておりました。一つ思い当たるのは向こうは天気が良く雨が降らないために雲がいつも空には無い、毎日快晴でした。ひまわり畑がずっと続きその切れたところが海という光景はいやが上にも詩情ををそそりました。
「ひまわりやーー」の句にコメントを頂き有り難うございました。トルコのアナトリア地方やエーゲ海沿岸は九分九厘様もエーゲ海クルーズでご存じのように遺跡の宝庫ですね。あちらではローマ時代の遺跡は何か新しいものと感じたりしました。遺跡がいっぱいあって海はきれい、明るく風光明媚とくれば絵でも句でも作って飽きない感じがしました。
2句もとり揚げて頂き有り難うございました。
中学の薄っぺらな社会の教科書にさえトロイの遺跡や木馬の話が乗っておりましたた。そこに降り立った感激は確かに感じましたね。またエフェスの遺跡では当時の港から大劇場へと続く通りをクレオパトラが歩いたと聞き、今自分がその通りに立ち、思わず大理石の石畳にひれ伏したくなる興奮を覚えました。
ゆらぎ様ならもっとこのコースに興奮を覚えられることでしょう。
世界の古代文明の発祥の地のひとつ、チグリス・ユーフラテス河から距離も近く、古代遺跡の宝庫のトルコは、又、大理石の建物の文明でもあり、中世ではカッパドキアのキリスト教遺跡があまりにも有名ですね。残念ながら、テレビ番組や雑誌などでの知識しかありませんが、灼熱の地中海文明を「夏天燃ゆ」の語句が良く表していてとても良い雰囲気を感じます。
☆ひまわりや海峡背なに塔一つ
青い空、青い海、そして白い大理石の建物と灼熱の真っ赤な太陽・・とくれば、もうこれはひまわりの花がぴったりですね!日本国内で見るひまわりと感じ方、受け止め方が大きく違いようですが、まだ訪れた事がなく、あまり土地勘はありませんがとても鮮明に情景が描けて素敵な句です。
龍峰様
中国、ニュージーランド、そして今回のトルコ、エジプトの旅ととても素晴らしい旅行のようでしたね。海外吟は、如何にも難しいものと言われているよですが
そこはやはり、現場に立った強みのようで素敵な句を沢山ご紹介頂きまして有難うございました。
過分なるコメントを頂きまして誠に有り難うございます。仰せの通り古代文明の舞台はかなり現在のトルコにあり、歴史に興味のある方には必見の土地ですね。大理石がふんだんに使われ、現在までその形が伝わっております。地中海は明るく海が青いのが印象的です。そこにひまわりが畑一面に咲いて丘の上まで続きますと絵の世界です。
怖いもの知らずで海外吟をやってきましたが、自分の感動が少しでもお伝えできれば幸甚です。有り難うございました。
あまりにも魅惑的な旅のご報告と俳句のため、何からお話していいか分りませんが、まず、お写真の空の青、これこそエーゲ海、大きくは地中海沿岸の空の色だと思いました。私が昔イタリアのナポリで見た空の色を思い出させていただきました。ともかく龍峰様が仰るように一点の雲もない青空で、その色が光の量が多いと思わせる青なのですよね。高校時代の世界史の知識しかない私ですが、どちらの遺跡でしょう?
どのお句も歴史と、そこを訪れた時の夏の光が感じられて好きですが、敢えて次の句を選ばせていただきました。
☆中世の街に入るなり夏日影
☆ヒッタイの神殿跡や灼くる石
☆地下都市に降りて古代や風涼し
☆夏天燃ゆ歴史刻みし大理石
ともかく夏のこの地への旅の特徴がよく表わされたお句だと思います。燃えるように暑いけれど、湿気が少ないために、日陰や大理石の建物の中、地下は信じられないほど涼しかったことを覚えています。光と影が、はっきりした土地、地中海沿岸だと思いました。
☆ひまわりや海峡背なに塔一つ
この句には個人的な思い入れがあります。「ひまわり」、「海峡」、どちらも私の心に何か深いものを呼び起こすものなのです。一番最近ではウラジオストックで見たひまわりと海の印象。そして海峡は、いつも眺める我が町の海峡ですが、これが、龍峰様の最初のお写真とそっくりなのです。そこに塔まで現れると何か不思議な気さえします。龍峰様が目にされた景とは全然違うものを勝手に想像してしまいましたが、17文字で伝える内容は読み手の想像でもあるということの証拠ですね。
大変長い個人的、主観的なコメントになってしまいましたことをお許し下さい。
大変ご熱心なコメントを頂き誠に有り難うございました。又、5句も取り上げて頂き有り難うございました。
お礼の言葉が大変遅れまして失礼しました。留守にしていたのと昨日実はお礼の言葉を入れましたのに操作ミスで投稿出来ていなかったようです。
これまでも申し上げましたが、やはり地中海式気候は晴れており、湿度は低いために雲はなく、雨が降らない。従って空はどこまでも青く、海は果てしなく青いのでしょうか。ウェットな日本人からするととにかく太陽が眩しい。写真の遺跡はペルガモン遺跡のアクロポリスです。その中のトラヤヌス神殿跡で青空に浮かぶような白いコリント式列柱とアーチが実にすばらしい。沢山の遺跡を見ましたが、カッパドキアの地下都市の遺跡は特異な感じがしました。生活の跡が今でも残っており、アラブ人から逃れようとする中世の人たちがより一層身近に感じました。
ひまわりの句は少し欲張った句かも知れません。ひまわりと海峡、塔と詠むのはできすぎた絵になったかとも思います。しかし、目の前の景色はその通りでした。ひまわりの映画以来すっかり自分のどこかにひまわりが巣くっているのかも知れません。どうも有り難うございました。