草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句:短日:葉有露

2021-12-10 | Weblog
 今日初めて,吟行なるものに参加しました。福知山線廃線後を歩く武庫川渓谷ハイキング付で
ゴールは、武田尾温泉でした。小生は、JR武田尾駅から、会場の宿まで直行し仲間を待ちながら
付近を散策しました。約ニ時間でしたが、開放感を十分得ることができました。

夙川俳句会吟行
  ・駅舎ぬけ紅葉の谷へ時を捨て
  ・時を捨て川音にひたる武田尾に
  ・静けさは廃線跡と紅葉谷

俳句教室: 兼題:短日・寄鍋・息白し
  ・仏壇の奥の父にも日つまる
  ・時さえも持て余す身に暮れはやし
  ・寄鍋や食べつ語りつ忙しき
  ・寄鍋や出来上がりても友を待ち
  ・息白く心構えを確かめる

                 葉有露拝
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9 コメント

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好きな句 (龍峰)
2021-12-11 20:58:52
葉有露 様

この時期の吟行は絶好です。貴重な経験をされましたね。吟行で詠まれた句は、何か自然の息吹が感じられます。
冬の季語は、特に日々の生活に溶け込んでおり、それだけに句が、身近なことで生き生きとしています。
厳選して以下の句を頂きます。

  ・駅舎ぬけ紅葉の谷へ時を捨て
「時を捨て」が心に響いてきます。意味は紅葉の美しさに時の経つのも忘れて見とれたとか、時間を忘れて紅葉谷に座り込んでいたとか。いずれにしろ作者の高揚感が伝わってきます。

  ・時さえも持て余す身に暮れはやし
時間を持て余す自分ではあるが、冬の日は短く、暮れていくことを強く感じる。一人感慨にふける作者が浮かびます。
差し出がましいですが、この句は「や」で切を入れてはいかがでしょうか?
   「時さえも持て余す身や暮れはやし」
余韻がより深まるように感じます。

  ・寄鍋や食べつ語りつ忙しき
今日一日の吟行で見聞きしたこと、詠んだ俳句のことで、仲間と盛り上がる。食べることと話すことで忙しい寄せ鍋の様子が強く見えてきます。

  ・息白く心構えを確かめる
何の心構えでしょう、寒い朝に日頃やると決めたことを確認する作者の高揚感が溢れた句です。
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お礼 (葉有露)
2021-12-12 10:37:00
龍峰様

 お早うございます。
 投句早々、しかも四句までもお採り上げ頂き、感謝あるのみです。
 武庫川渓谷への吟行は、小生にとって意味深いものになりました。何回も来ているこの地ですが、いつも歩くばかりでした。こんかいは、二時間強、同じ場所にいて、自然の世界にどっぷり浸っていました。
 出かける前に、自宅で現地を想像しながら作ってみた句と、実際にその場での句は全く違った意識の
ものでした。


 ところでご指摘の第二句は「身に」を「身や」に変えると下五句に余韻を感じます。
 。時さえも持て余す身や暮れはやし

 誠に有難うございました。

             葉有露拝
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好きな句 (ゆらぎ)
2021-12-13 11:47:47
葉有露様
 JR福知山線の廃線跡は、素敵な散歩道ですね。武田尾駅から歩いて1・5キロくらい行ったところに「桜の園」(亦楽山荘)があります。ここは、桜博士の佐々部新太郎が山桜の保存林として使ったところで、春には見事な山桜が咲きます。機会があれば、一度足を運んで見てください。

(好きな句
○駅舎ぬけ紅葉の谷へ時を捨て~”時を捨て”という言葉を使った句が二つあ りますが、こちらのほうが、俳句としての完成度が高いように思いす。”時を捨て”という言葉は、どこで見つけられたのでしょう。ここは、時を忘れて、というほどの意味でしょうか? 情趣ある言葉です。

○静けさは廃線跡と紅葉谷
○時さえも持て余す身に暮れはやし~時間さえ、持て余している己にとって、 日が暮れるのは早い、と長短の対象的な表現が粋ですね。

○寄鍋や出来上がりても友を待ち~友人と一緒に鍋を突きたいという感情が伝わってきます。そんな友になりたい!
  
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お礼 (葉有露)
2021-12-13 15:09:33
ゆらぎ様

 昨日に続きお世話になります。
リモート生活でも、俳句やエッセイなどの交換は日々の生活に、潤いをもたらしてくれます。

 拙句にも拘わらず四句までもお採り上げ頂き有難うございます。
 ・「駅舎ぬけ」の句での「時を捨て」の表現は、宿のテラスの椅子に約二時間座って、武庫川渓谷を
眺めていた時にふと浮かびました。
 駅舎を出て、喧騒の巷から離れ、時を捨て、自然界に入って行ったからでしょう。我ながらなぜこの言葉が浮かんだのか不思議です。

 笹部氏の「桜の園」のご案内がありました。
武庫川渓谷は、中学生時代からの遊び場で、担任の先生に連れられキャンプをして遊んだのが始まりです。現役引退後、高校同期の仲間と十人強で、この辺も歩き回りました。最後の仕上げは,宝塚での祝杯でした。
 笹部氏の業績については,西宮市鞍掛町にある
白鹿記念酒造博物館に詳しく紹介されています。
 自宅から近いので何度か行っております。
 それぞれの句に、ゆらぎ様のお気持ちを頂き
誠に有難うございます。
返信する
好きな句 (九分九厘)
2021-12-13 16:22:50
葉有露さま
 吟行の楽しみを満喫されたご様子で何よりです。いままで知らない人とすんなりと溶け合うという体験が素晴らしかったと思います。次の三句を頂きます。
 
  駅舎ぬけ紅葉の谷へ時を捨て

 <時を捨て>の言葉が諧謔的に洒落ていると、私は捉えました。他にもいろんな解釈が出来る言葉ですね。この言葉を使った句が二つでています。あれこれと貴兄の思いを探りながら、<武田尾>を捨てて、この句にしました。理由は、この句の方が動きと作者の高揚感が伝わってくること、そして<武田尾>の固有名詞より<駅舎>という田舎の何処にでもあるような風景が気に入って頂戴いたしました。
   
  時さえも持て余す身に暮れはやし

 この句の面白さは、直接お話した通りのものです。実際の貴兄の生活はこれとは反対かもしれませんが、小生もこの感覚がよく分かります。

  寄鍋や食べつ語りつ忙しき

 寄せ鍋を老人二人きりで食べることは、具の多さや量からして先ずは無理というもの。やはり大勢で囲んで賑やかに食べるものです。この句の言葉の並びが、その賑やかさをよく表現していると思いました。

 
返信する
好きな句鑑賞他 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2021-12-13 21:03:27
葉有露様
今晩は!!。
初めての吟行を武庫川渓谷、武田尾温泉まで歩き楽しまれたとの御由、冬紅葉の見頃でもあり良い御体験でしたね?このコロナ禍の下
中々外出も叶わず羨ましい限りです。俳句の基本は目の前の事象を即吟する事であり、良い訓練になりますね!!。
下記の御句を選び、鑑賞させていただきました。

夙川俳句会吟行
  ☆駅舎ぬけ紅葉の谷へ時を捨て
「時を捨て」との措辞は、「時間に縛られるしがらみを忘れて」との事のようですね?武田尾駅に降り駅舎を抜けて、冬の紅葉の谷に向かう「わくわく感」が想われます。

  ☆静けさは廃線跡と紅葉谷
嘗て賑わったであろう福知山線の廃線跡を歩かれたのですね?冬の紅葉谷は恐ろしいほど静寂そのもののようです。「静けさ、廃線跡、紅葉谷」との言葉の選び方に、失われたものの詩情が溢れていますね!!。

俳句教室: 兼題:短日・寄鍋・息白し
  ☆時さえも持て余す身に暮れはやし
今の時季は日の出も遅く、午後も4時過ぎともなれば暮れかかります。そのように一日が短かくて値打ちが無さそうな日々ですね?
それでも、時間さえ持て余す事もあり、勿体無いなあ~!と思う事しきりです。  

  ☆寄鍋や食べつ語りつ忙しき
冬は鍋もの料理の多くなる季節ですね?取り皿に取りながら食べ、飲み、話す事が多く楽しみですね?
只、僭越ながら「食べ+つ」「語り+つ」と動詞に「つ」が付けば
過去形となり「寄鍋や食べ語りつつ忙しき」、又は「寄鍋や食べつつ語り忙しき」なども?

  ☆息白く心構えを確かめる
冬の寒い時季はどうしても吾が身の身ほとりや、心情吐露の句が多くなるようですね?何かを行う時の決断のようですが、何の心構えでしょう?身の引き締まるような「息白し」が効いています。

最近の小生の一句を献上致します。
☆讃美歌の窓辺に聞こゆアドベント
返信する
お礼 (葉有露)
2021-12-13 23:02:24
九分九厘様

 早々に,採句賜り有難うございます。
吟行は本当に良い経験になりました。当日は全員で七名の参加があり、夙川から三名、主宰の花谷清先生、千里と豊中の句会から三名といった具合でした。千里には鹿児島出身者が二名居られ、早速顔を出すように、招待されました。

 ・「駅舎ぬけ」の句は、自分にとっても印象深く
思い出の句になると思います。
 ・「寄鍋や」の句には、福知山勤務時代の思い出も入っています。あちらでは、鍋には猪か合鴨が必ず入っていて、冷えた体を温めてくれました。
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お礼 (葉有露)
2021-12-15 09:41:36
かつらたろう様

 拙句にも拘わらず五句までもお採り上げ頂き、感謝申し上げます。各句に深い洞察を加えていただきお礼申し上げます。
 第四句「寄鍋や食べつ語りつ」の句につき、「食べ+つ」、「語り+つ」と動詞に「つ」が続くと過去形になるとのご指摘がありました。大事なご指摘と思い広辞苑等で調べました。例えば「かたりたつ」は、かたり・つがう(語り継がふ)であり、「かたりつぐ」に接尾辞「「ふ」に付いた言葉、繰り返し語り継ぐとありました。この説明では、過去形ではなく、現在形といえます。
 とはいえ、用語法の勉強になりました。
有難うございました。
             葉有露拝
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お礼 (葉有露)
2021-12-15 09:42:32
かつらたろう様

 拙句にも拘わらず五句までもお採り上げ頂き、感謝申し上げます。各句に深い洞察を加えていただきお礼申し上げます。
 第四句「寄鍋や食べつ語りつ」の句につき、「食べ+つ」、「語り+つ」と動詞に「つ」が続くと過去形になるとのご指摘がありました。大事なご指摘と思い広辞苑等で調べました。例えば「かたりたつ」は、かたり・つがう(語り継がふ)であり、「かたりつぐ」に接尾辞「「ふ」に付いた言葉、繰り返し語り継ぐとありました。この説明では、過去形ではなく、現在形といえます。
 とはいえ、用語法の勉強になりました。
有難うございました。
             葉有露拝
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