草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 春蘭 (九分九厘)

2009-03-03 | Weblog

 春蘭や縁の糸の薄みどり
 落日の淡きに映へし春蘭かな
 春蘭や明けて一夜の雨止みぬ
 
 春海はピアニシモなり水琴窟

先日、家内の里の淡路島に墓参りと三親族への挨拶に出かけた。帰りに友人の奥方のシャンソン音楽会の出演に応援をして、そのあと夢舞台の大温室の蘭展を見るという忙しい一泊旅行であった。ここの蘭展は毎年見ているが、今年は春蘭の出品が多かった。

天下泰平の江戸時代では四十代に入ると、下級武士の殆どは隠退をして、あとは暇をもてあそぶことになる。「春蘭」がとても庶民に愛好されて高値で取引をされていた事もあって、一攫千金を狙って春蘭の栽培に精を出す隠退武士が多かったと言われている。洋蘭と違って実に素朴な美しい花を咲かしていた。温室の日本庭園の隅に水琴窟があった。柄杓で水を注いで、耳を壺口にあてて静かに聞いていると、かすかに琴の音色が聞こえてくるのだ。
コメント (14)
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