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昇降機安全装置 全国実態調査へ

2019年10月09日 | 危機管理

国土交通省は10月8日、扉が開いいたままエレベーター(EV)が昇降し、人が挟まれる戸開走行事故を防ぐ安全装置の自治体本庁舎の設置状況について、全国調査を実施する方針を明らかにした。

結果を基に設置率が高い自治体の事例を分析し、全国に対策を促すことなども検討する。

自治体本庁舎を対象にしたEVの実態調査は初めて。

安全装置の設置率は、EVのある全国の自治体本庁舎の45%にとどまることが共同通信のアンケートで10月6日に判明。

赤羽国土交通相は10月8日の閣議後会見で「報道は承知している」と述べ、調査する意向を示した。

2006年に東京都港区で起きた事故で長男市川大輔さんを亡くした正子さんは国の取り組みに対して「とても遅かったが、小さな一歩だ」と一定の評価を示し、「設置促進の取り組みを広げてほしい」と訴えた。

国交省は民間の建物や中央省庁本庁舎の設置状況を毎年調査し、秋ごろに前年度の状況を公表している。

自治体本庁舎の状況も早ければ来年秋にも公表される見通し。

安全装置は「二重プレーキ」と呼ばれ、市川大輔さんの事故を機に2009年9月以降着工分に義務付けられた。

それ以前のEVに義務はなく未設置でも違法ではないため、社会全体で設置の取り組みは進んでいない。

昨年の国交省の発表によると二重ブレーキ設置率は民間20%程度、中央省庁本庁舎24%と低迷している。

共同通信が5~9月に実施した自治体アンケートでも、本庁舎にEVがあると答えたのは47都道府県など計1350自治体で、本庁舎のEV総数は3551基。

このうち二重ブレーキが設置されたEVは1606基。


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