漫画「はだしのゲン」を手がけ、2012年に73歳で死去した中沢啓治さんが、米国の権威ある漫画賞「アイスナー賞」で、優れた功績がある漫画家を顕彰する「コミックの殿堂」を受賞した。
翻訳権代理会社を通じて8月22日までにロフィーを受け取った妻ミサヨさんは「受賞は本当に光栄。 主人も喜んでいると思う」と語った。
中沢さんは1939年に広島市に生まれ、6歳で被爆。
父、姉、弟を失った。
1968年の「黒い雨にうたれて」を始め、原爆や戦争の悲惨さを告発する漫画を発表し続けた。
「はだしのゲン」は1973年から週刊少年ジャンプで連載を開始した自伝的漫画で、平和教材としても活用された。
英語やロシア語など多くの言語に翻訳されている。
ミサヨさんは8月22日、取材に「夫は原爆を二度と使ってほしくないとの思いで描いてきた。 今回の受賞を機にはだしのゲンがもっと広がり、核兵器の恐ろしさを知ってもらいたい」と話した。
アイスナー賞は「コミック界のアカデミー一賞」とも呼ばれている。
過去に同賞で殿堂入りした日本の作家には、手塚治虫さん、宮崎俊さん、高橋留美子さん、萩尾望都さんらがいる。
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