政府は、外国による偽情報の拡散など「情報戦」への備えが国家の安全確保に欠かせないとして、省庁横断の新組織を創設する方針を固めた。
名称は「戦略的コミュニケーション室」とする方向で、来年4月をめどに発足させる。
偽情報対策で先行する北大西洋条約機構(NATO)と連携し。
ロシアや中国が仕掛ける情報戦に対抗する。
政府筋が2月11日、明らかにした。
一方で、新組織がその能力を国内向けに使えば、政権の見解に反する言論への干渉になりかねないとの懸念もある。
イナ侵攻や、中国軍が台湾周辺で行った大規模軍事演習の際には大量の偽情報が確認されている。
相手国などの世論を誘導し、自国に有利な状況をつくり出すのが狙いとみられる。
岸前防衛相がウクライナを非難したように装う偽画像も拡散した。
昨年改定した国家安全保障戦略は情報戦への対応力強化を明記。
松野官房長官は1月25日の記者会見で「偽情報の拡散は安全保障上も悪影響をもたらしうる」と危機感を表明した。
政府全体で取り組むと宣言した。
内閣官房に置く新組織では、欧米の関係機関と協力し、交流サイト(SNS)などで他国から発信される偽情報を収集し分析。
それを打ち消す情報を迅速に発信する。
最初は10人程度で設立。
外務、防衛両省や公安調査庁、内閣情報調査室などが連携する。
政府筋は新組織の運用を巡り、あくまで外国からの偽情報対応が目的で「政権に批判的な国内言論を対象にすることはない」と説明する。
有識者からは「国内世論を一定の方向へ誘導するため使われる恐れが否定
できない」との指摘もある。
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