インドネシアで1955年、植民地支配から脱却した新興独立掴が団結し、非同盟運動の黎明になったバジドン会議。
冷戦後、運動の意義は薄れ、会議は参加国の成長に伴い経済連携に重心を移し、約100力国の多国間枠組みに進化した。
60周年会議では中国が連携の主導役に名乗りを上げたが、各国には警戒感も生まれている。
55年会議で提唱された理念「バンドン精神」の根幹は反植民地主義。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設を主導する中国の途上国支援を歓迎する動きがある一方、中国の近年の経済攻勢を「新たな衣をまとった植民地主義」と批判する声もある。
経済発展への高い潜在力から「希望の大陸」とも呼ばれるアフリカと、最も関係を深めているのは中国だ。
2009年には米国を抜いて最大の貿易相手国となったとされる。
投資も盛んで、独裁的な政権運営が批判されているジンバブエのムガベ大統領は「中国は多方面で全力を尽くして支えてくれる」と評価。
アフリカ諸国にとって中国の支援なしにはインフラ整備などは進まないのが現状で、中国資本は歓迎されている。
ただ内政不干渉を理由に支援をやめない中国の対応を問題視する声もある。
中国企業ばかりが受注し、地元経済に恩恵が及んでいないとの不満も強い。
中国にはインフラ整備を進める見返りに、天然資源の確保を狙う思惑も。
米研究所によると、中国にとってアフリカは中東に次ぐ原本油輸入先で、2011年にはアフリカからの輸入の8割以上が天然資源だった。
中国は、東南アジアの地域大国インドネシアにも積極的にアプローチを仕掛け
る。
中国はインドネシアにとって最大の輸入相手国だ。
習国家主席は最近1年半で3回もインドネシアに足を運び、中国企業が大型インフラ事業も次々に成約させている。
3月の首脳会談では両国の貿易総額を2020年までに1500億ドル(約18兆円)にまで引き上げることで合意した。
インドネシアでは日本の投資も好調で、日中が進出を競い合う。
インドネシアのジョコ大統領は4月22日の首脳会議で、新興国や途上国の意見が反映される新しい国際秩序の必要性を訴えた。
外務省筋は、発言を「大国が引っ張って新秩序をつくる時代ではない。 平等な関係の国々が協調して実現すべきだという意味」と解説した。