希望&夢

希望や夢あふれる社会になるといいな!
明日や将来のことを思うと、おもわずぼやいてしまいます。

胃がん進行度合い AI診断 外科手術の必要性判断を支援

2024年04月27日 | 医療

岡山大と両備システムズは4月24日、胃がんの進行度合いを判断する材料の一つである「深達度」を、人工知能(AI)で診断できるシステムを開発したと発表した。

専門医を上回る精度での診断が可能で、患者への負担が重い外科手術の必要性をより正しく判断できると期待される。

既に医療機器として製造販売承認を取得、年内の販売開始を目指す。

岡山大などによると、胃がんの治療では、比較的早期には内視鏡でのがん切除が行われ、進行した場合は開腹して胃の切除を伴う外科的治療を実施する

がんが胃の粘膜にどれほど深く入り込んでいるかによって治療が決まるが、深さの判別は専門医でも難しい。

内視鏡治療で治る症例外科手術が行われたり、逆に内視鏡治療では不十分だっりする症例があり、課題となっていた。

システムでは、さまざまな深達度の患者約500人分の内視鏡画像約5千枚を「浅い」「深い」の2種類に分類してAIに学習させた。

その結果、専門医による正答率を10回上回る82%の精度を達成。

診断にかかる時間も1分弱という。

岡山大の河原教授は、システムの活用で「患者のQOL(生活の質)を損なう治療をできるだけ減らせる」と話した。

今後、90%まで精度を高めたいとしている。

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難病胎児 手術成功 子宮切開で日本初

2024年04月17日 | 医療

大阪大の遠藤教授らのチームは4月15日、腰や尻付近の皮膚などが正常に閉じずに、脊髄がむき出しになる指定難病「脊髄髄膜瘤」の胎児に対し、妊娠中の母親の子宮を切開し、患部の皮膚などを縫合する手術に成功したと発表した。

この病気での胎児手術成功は日本初という。

また、大阪大によるとこれまでに国内で子宮切開での胎児手術が行われたのは、約20年前に肺の腫瘍での1例のみ。

それ以来の実施で、画期的な成果という。

手術は2021年4月から大阪大病院と国立成育医療研究センターで計6件実施。

5件の子は既に生まれ、出生後に手術した場合と比べ、いずれも症状に改善が見られた。

うち1件は症状自体は良くなったが、術後の子宮内感染で早産になり、合併症で生後3ヵ月で死亡。

残りの1件は妊娠継続中。

脊髄髄膜瘤はむき出しの脊髄に損傷が生じるため運動や排せつ機能に障害が現れる。

妊娠中に神経障害が進行することで知られ、海外では既に胎児手術が普及。

チームは「患者や家族が希望を持てるよう、日本でも胎児手術を選べる体制を整えたい」としている。

手術には産婦人科医や小児外科医のほか、脳神経外科医も必要。日本ではチームづくりが難しかったこと、手術が可能な妊娠早期での診断率が海外に比べ低いことなどから行われてこなかった。

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PTSD関与の遺伝子特定 治療薬開発に光

2024年03月06日 | 医療

心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす分子機構を世界で初めて解明したと、東京大などのチームが3月1日発表した。

「ホスホジエステラーゼ4BPDE4B)」という遺伝子の働きが弱いほど、フラッシュバックなどの症状が重くなるという。

チームの喜田・東京大教授は「PTSDは専用の治療薬がない状況が続いていた。

今回の研究成果が、診断法や治療法の開発につながるかもしれない」と話している。

チームは、患者の血液と、PTSD状態にしたマウスの脳内の「海馬」という領域で働く遺伝子を比較。

PDE4Bが共通して低下していることを発見した。

PDE4Bは、記憶に関与する情報伝達物質「cAMP」を分解する酵素として働く。

PTSDのマウスで、cAMPを人為的に増やすとフラツシュバックのような症状を示し、逆に減らすと症状が抑えられた。

そのためPDE4Bの働きが弱くなると、cAMPが活性化し、症状が起こりやすくなるとみられる。

患者の血液を調べると、症状が重い人ほどPDE4Bの働きが弱かった。

成果は国際科学誌「モレキュラーサイカイアトリー」に掲載された。

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HIV治療薬 予防向け申請 ギリアド「ツルバダ」

2024年03月03日 | 医療

ギリアド・サイエンシズは2月28日、エイズウイルス(HIV)感染症の治療薬「ツルバダ」を、感染予防でも使えるようにするため、国に適応追加の承認を申請したと発表した。

承認されれば国内初のHIV予防薬となる。

感染リスクが高い人らが性交渉などの前に服用する予防投与は「PrEP(プレップ)」と呼ばれ、欧米ではすでに使用が認められ、世界保健機関(WHO)も推奨している。

国内では承認された予防薬はなく、日本エイズ学会から要望を受けた厚生労働省が昨年、同社に開発要請していた。

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治療薬標的の遺伝子変異 がんの種類ごとに大差

2024年03月03日 | 医療

国立がん研究センターは2月29日、国内の約5万例のがん遺伝子検査データを調べたところ、治療薬の標的となる遺伝子変異などがあったのは、全体の15・3%だったとの分析結果を発表した。

薬が見つかるのは1~2割とされていた当初の想定に合致する結果。

がんの種類によって割合が大きく異なることも明らかになった。

患者ごとにがんの遺伝子を調べて治療する「がんゲノム医療」が実用化されている。

これまで欧米のデータを分析した研究はあったが、日本人を主な対象にしたのは初めて。

日本人に多い組道がんや胃がん、子宮頚がんなどを含めた結果が判明した。

チームは、100種類以上の遺伝子を一度に調べ、効果のある薬を見つける「遺伝子パネル検査」のデータを活用。

2019年6月~2023年8月に、がんゲノム情報管理センターに集められた4万8627例を分析した。

がん種別で治療薬の標的となる変異などが見つかる割合は、甲状腺がんの85・3%が最も高く、浸潤性の乳がん60・1%、肺腺がん50・3%が続いた。

甲状腺がんは多様な薬が開発されていることが背景にあるとみられる。

割合が低いのは唾液腺がん、脂肪肉腫、腎細胞がんで、いずれも0・5%未満だった。

米国白人のデータと比較すると、治療薬の標的となる変異などが見つかった症例の割合は3分の2程度だった。

日本人に多いがん種で、治療薬開発が不十分なことが少ない原因とみられる。

国立がん研究センターの片岡圭亮・分子腫瘍学分野長は「がんゲノム医療の臨床的な有用性や、欧米との違いが明らかになった。

日本人に多いがんでは、治療薬に結びつくことが少ない。 重点的忙開発を進める必要がある」と話している。

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初診料90円 再診料40円上昇 診療報酬改定

2024年02月16日 | 医療

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は2月14日、診療報酬の改定内容を答申した。

物価高騰などを踏まえ、医療従事者の賃上げに向けて初診料と再診料を引き上げる。

多くの医療機関では初診料(現行2880円)が90円、再診料(同730円)は40円上がる見通し。

3割負担の人ではそれぞれ27円、12円の負担増となる。

入院基本料も上がるなど、診療に関する基本的な利用料が引き上げられる。

厚労省はこれらを原資に2024年度で2・5%、2025年度で2%のベースアップを目指す。

改定は2年に1度。

政府は昨年末の予算編成で医師らの人件費などに充てる診療報酬「本体」部分の0・88%引き上げを決定。

今回は配分の詳細を固めた。

具体的には、全ての医療機関で初めての診察をした時に請求できる「初診料」が30円、2回目以降にかかる「再診料」が20円上がる。

加えて医療機関が賃上げ計画を作成すれば、初診料で60円、再診料で20円上げられる。

初再診料の算定回数が少ない医療機関はさらに初診料で最大640円、再診料は同80円それぞれ上げることが可能。

初診料の引き上げ幅は最大で730円になる可能性がある。

自己負担割合は年齢や所得に応じて1~3割に分かれ、診療報酬が上がれば自己負担も増す。

入院基本料も見直す。

利用する病棟に応じて1人1日当たり50~1040円上がる。

さらに賃上げ計画の作成など一定の基準を満たせば10~1650円引き上がる。

一方で、診療所の利益率が高止まりしているとして一部の報酬を是正する。

「特定疾患療養管理料」(1回2250円)の対象から、診療所での算定が多い糖尿病や高血圧、脂質異常症を外す。

外来患者の場合なら算定できる「外来管理加算」(1回520円)なども合わせて算定できないように見直す。

また、新型コロナウイルス対策の特例的な措置が3月末で期限を迎えるため、新たな対策を検討する。感染症が疑われる発熱患者を受け入れるため、パーティションなどの態勢を整えた場合に月に1回算定できる新たな加算を設ける。

マイナンバーカードを健康保険証として使うマイナ保険証の普及に向け、パソコン画面などで診療情報を見ながら診察できるように整備した医療機関には患者1人につき80円加算する。

訪問診療などで患者の情報をケアマネジャーらと共有するため情報通信技術(ICT)を活用したら報酬を増額する。

新たな内容を盛り込んだ診療報酬は6月に改定される。

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ブタ腎臓 胎児に一時移植 国内初年内にも申請

2024年02月09日 | 医療

東京慈恵医大や国立成育医療研究センターなどのチームは2月6日、重い腎臓病の胎児にブタの腎臓を一時的に移植する臨床研究を計画していると明らかにした。

実現すれば、動物の臓器や細胞を人に移植する「異種移植」の国内初事例となる。

施設の倫理審査を受け、年内にも国の認定委員会への申請を目指す。

異種移植は、臓器提供不足の解決策として期待される。

ただ医療目的で動物を使うことの倫理面の課題のほか、動物由来の細胞や臓器を移植することへの抵抗感を指摘する声もある。

東京慈恵医大の横尾教授は「他に治療法のない赤ちゃんの命をつなぎたい。 関連学会への説明や、市民向け公開講座の開催など、丁寧に議論する機会を得ながら進めたい」と話している。

計画では、腎臓の形成が不T分で尿を作れない「ポッター症候群」の胎児に、ブタの胎児から取り出した約2ミリの腎臓を移植。

出産予定日の約4週間前に胎児の背中の皮下に注入する。

自然に周囲の血管とつながり、出産後は赤ちゃんの背中のチューブから、移植した腎臓で作られた尿を排出。

数週間後、透析を受けられる体重になれば腎臓を取り除く。

一時的な「橋渡し」を想定している。

移植した臓器が、移植を受けた人の免疫に異物と認識され攻撃される「拒絶反応」が問題となるが、胎児期の臓器では起こりにくく、免疫抑制剤も、ごく少量にできるという。

異種移植を巡っては、米国で2022年、10種の遺伝子を改変し拒絶反応を起こりにくくしたブタの心臓を重症心不全の男性に移植、約2ヵ月生存した例がある。

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4月から医療費自己負担増 ワクチン有料・薬や入院費支援なし

2024年01月17日 | 医療

新型コロナウイルスの感染者が国内で初確認されてから1月15日で4年となった。

冬に入って新たな変異株が急増し、流行「第10波」が立ち上がりつつある。

一方でワクチンは4月から有料となり、治療薬代や入院費の公費支援も3月末で終了する方向だ。

厚生労働省はインフルエンザなどと同じ通常の医療体制への移行を目指しており、新型コロナの医療費の自己負担は増える見通しだ。

厚労省によると、全国約5千の定点医療機関が1月1~7日に報告した新型コロナの新規感染者数は計3万4035人で、7週連続増加し、流行の波が拡大しつつある。

感染症法上の5類に移行した2023年5月より前の参考データと比べると、第8波が始まりつつあった2022年10月の水準だ。

流行規模が見通せない中で、無料でワクチンを打てる「特例臨時接種」は終了し、4月からは65歳以上の高齢者らを対象にした定期接種となることが決まっている。

秋から冬にかけて年1回実施し、7千円程度の自己負担となる見込みだ。

対象外の人は任意接種となるため、負担額は増えそうだ。

米疾病対策センター(CDC)によると、12歳以上用のファイザー製は115ドル(約1万7千円)、モデルナ製128ドルで、インフルエンザワクチンより高額だ。

新タイプのワクチンを導入して昨年9月に始まった秋接種の接種率は全体で20・8%、65歳以上で50・2%だが、有料化でさらに低下しそうだ。

治療薬代や入院費について、5類移登剛は全額公費負担だったが、移行後は段階的に支援を縮小している。

治療薬代は医療費の窓口負担割合に応じて3千~9千円の自己負担が生じるようになり、入院費補助も減額された。

4月からは通常の医療体制を目指す。

今春の支援終了について大阪健康安全基盤研究所の本村・公衆衛生部長は「現状の感染状況で判断するのは、まだ早い」とくぎを刺す。

「冬季の流行をある程度抑え込むことができたら、医療費負担の議論を始めてもいいのではないか」と話している。

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初・再診料上乗せ検討 職員賃上げ原資に

2024年01月15日 | 医療

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は1月12日、患者が外来受診時に負担する初診料や再診料について、上乗せを検討する方針を確認した。

医療機関が看護職員らの賃上げの原資を確保できるようにするため、診察の基本料金を値上げする。

具体的な金額を詰め、2024年度の診療報酬改定で実施する見通しだ。

中医協は同日、これまでの議論をまとめ、医療現場での人材流出を防ぐため、看護職員らの賃上げ原資に関し「初再診料などの評価を見直す」と明記した。

40歳未満の勤務医らについても賃金アップの必要性を指摘し、入院基本料などの負担増で対応する方針を盛り込んだ。

医療機関は現在、初診料2880円、再診料730円などを受け取っている。

患者が支払う窓口負担は年齢や所得に応じて原則1~3割。

上乗せは医療機関の収入増につながる一方、患者の窓ロ負担は重くなる。

政府は2024年度の診療報酬改定で、医療従事者の人件費などに相当する「本体」部分を0・88%引き上げると決めた。

うち0・61%は、看護職員や病院薬剤師らの賃上げに充てるとしており、具体的な方法を検討していた。

中医協のこれまでの議論では、医療機関側から、患者の治療時に幅広く算定される初診料や再診料に上乗せを求める意見が出ていた。

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来年度 コロナ定期接種 7000円  高齢者ら自己負担

2023年12月24日 | 医療

65歳以上の高齢者らが対象となっている来年度の新型コロナウイルスワクチン定期接種を巡り、低所得者を除いて自己負担額が7千円となるよう、政府が接種費用の一部を助成することが12月21日、関係者への取材で分かった。

市町村に助成金を交付して超過分を賄う。

定期接種の対象ではない任意接種の人は、今回の助成は適用しない。

定期接種は、65歳以上の高齢者と、60~64歳で一定の基礎疾患のある重症化リスクの高い人が対象。

関係者によると、インフルエンザ定期接種の費用が約5千円となっていることを参考に7千円とした。

本年度の接種は無料となっているものの、来年度以降、定期接種が高額になるケースが想定されるとして、全国知事会が対策を求めていた。

国内の新型コロナワクチンの価格は明らかになっていないが、米国ではワクチンの価格と手技料を合わせて2万円前後だという。

定期接種の対象者は年1回、秋から冬の間に接種することになる。

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国立センター 小児やAYA世代にがん未承認薬投与開始

2023年12月16日 | 医療

小児や「AYA」と呼ばれる若年世代のがん患者に、海外では承認されているものの国内では適応外や未承認となっている治療薬を投与する臨床研究を、国立がん研究センターが始めることが12月14日、分かった。

厚生労働省の専門家会議が計画を了承すれば、来年1月にも開始する。

必要とする患者に薬を迅速に届けるのが狙い。

臨床研究で有効性が確認されれば薬事承認を目指す。

同センター中央病院の小川・小児腫瘍科長は「使いたい薬を使えない患者をなくしたい」と訴える。

「分子標的薬」と呼ばれる、がんの原因となる遺伝子に作用する薬を使用。

従来の抗がん剤に比べ副作用が抑えられるとされ、世界的に開発が進む。

一方、近年は海外で承認された新薬の国内での承認が遅れる「ドラッグラグ」や、承認に向けた開発のめどが立たない「ドラッグロス」が深刻化しており、小児・AYA世代の分子標的薬にも多い。

臨床研究では、国内で適応外や未承認となっている慢性骨髄性白血病や腎細胞がん、肺がんなどの分子標的薬を使う。

対象は0~29歳で、分子標的薬の使用が、病理学的に有効と診断されたり、遺伝子を調べる「がん遺伝子パネル検査」で推奨されたりしたがん患者。

薬の種類ごとにそれぞれ最大30人を受け付ける。

保険診療を併用して患者の申し出を受けて適応外薬などを投与できる「患者申出療養制度」を活用。

治療薬は企業が無償提供し、参加する患者の追加負担は生じない予定という。

今後、使用する分子標的薬を増やすことも検討する。

臨床研究で得られたデータは企業に提供し、国内での開発や承認申請を促す。

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認知症新薬 販売開始 年298万円 保険適用

2023年12月15日 | 医療

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は12月13日、認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」を保険適用することを了承した。

これを受け開発したエーザイは12月20日の販売開始を発表。

内藤最高経営責任者(CEO)は東京都内で記者会見を開き「新たな治療を切り開く役割を担うことになる」と話した。

アルツハイマー病の新薬発売は10年以上ぶり。

従来とは違う効果を狙った薬だが、標準の薬価は患者1人年約298万円と高額で、財政圧迫が懸念される。

投与対象は、軽度の認知症と前段階の軽度認知障害の人。

同社は国内に約120万人と推計する。

実際の投与は本年度は400人で、最大年3万2千人を見込んでいる。

臨床試験(治験)では、12~17%に副作用とみられる脳のむくみや出血が発生。

厚労省は最適使用推進ガイドラインで、薬を使用する施設の要件として、MRI検査で副作用の有無を確認できることなどを求めている。

こうした医療機関は当初は限定的だが今後千施設まで拡大する予定。

12月13日厚労省で会見した認知症の人と家族の会の鎌田代表理事は「大きな一歩。 ただ薬だけで安心して暮らせるわけではなく、地域づくりが両輪で必要だ」と述べた。

レカネマブは神経に悪影響を及ぼすとみられるタンパク質「アミロイドベータ」を取り除く抗体薬で、治験で進行を約27%遅らせる効果が示された。

進行を止めたり、回復させたりすることは期待できない。

投与期間は原則1年半。

2週間に1回、1時間かけて点滴で投与する必要があり、患者の通院負担が指摘されている。

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エボラ熱など動物実験 国内初治療薬探す

2023年11月21日 | 医療

国立感染症研究所が、海外で承認されている薬などからエボラ出血熱の治療薬を探し出すための動物実験を近く始めることが11月19日、分かった。

感染症法で危険性が最も高い1類に指定されており、ウイルスを使って薬の有効性を調べる動物実験は国内初。

主にアフリカで発生する感染症だが、海外からの観光客が増え国内に流入する懸念があることから、感染者の発生時に迅速に治療できる体制づくりを目指す。

実験で扱うのは、エボラ熱のほか、ラッサ熱、クリミアーコンゴ出血熱、マールブルグ病の四つの原因ウイルスでいずれも1類。

発症すると発熱や頭痛の症状が出て、粘膜などが出血することもあり、致死率が高い。

海外では薬の実用化が進んでいるが、国内で承認された薬やワクチンはない。

感染研は11月上旬に地元住民に説明し、実験に向けた準備に着手した。

感染研村山庁舎にある、危険な病原体が漏出しないよう厳重な対策を施したバイオセーフティーレベル4の施設で実験する。

マウスや小型サルの一種マーモセットにウイルスを感染させ、海外で承認されているエボラ熱の治療薬や、新型コロナなど別の感染症の薬を投与して、有効性を調べる。

候補薬が見つかれば臨床研究などを検討する。

感染研の海老原ウイルス第一部長は「患者が発生したらすぐに有効な薬を投与して治療を開始できるよう、科学的根拠を集めて将来の治療体制の壁2に貢献したい」と話している。

感染研は2019年に海外からエボラウイルスなどを輸入し、患者を速やかに診断できる検査体制の整備を進めていた。

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「全ゲノム解析」研究へ 小児がん治療

2023年11月06日 | 医療

診断が困難な小児がん患者に最適な治療法を見つけるため、全ての遺伝情報(ゲノム)を網羅的に調べる「全ゲノム解析」を行い、精度の高い診断や有効な治療につなげる東大病院などのチームの研究が、全国約20の医療機関で11月中に始まる。

来年3月までに患者100人に協力依頼し、有効性を検証する予定。

小児がんは年間2千人から2500人が新たに診断される。

希少がんや血液がんが多く、種類が多様なため正確な診断や治療選択が難しいことがある。

研究は東大病院のほか、京大病院など小児がんを重点的に診療する病院が参加。

病院で採取したがん組織や血液などの検体を国立成育医療研究センターに集め、品質確認した後、民間の検査会社が全ゲノム解析する。

解析結果を基に国立がん研究センターでデータを分析。

小児がんやゲノムの専門家らで構成する会議で診断や有効な治療について協議し、結果を主治医から患者家族に説明するという仕組みだ。

研究責任者の加藤・東大教授は「小児がんはゲノム変異が成人よりも少なく、その分診断に直結する。 治療の方向性や強さを決めるのにも役立つ。 将来的には幅広く患者が全ゲノム解析を受けられるようにしい」と話している。

国は2019年、がんや難病患者のゲノム全体を調べ、新たな診断法や治療法の開発、創薬につなげる「全ゲノム解析等実行計画」を策定。

小児がんでは2022年度、東大病院と国立成育医療研究センターで先行実施していた。

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ES細胞製品承認申請へ 肝臓病の赤ちゃん治療に

2023年10月28日 | 医療

重い肝臓病の赤ちゃんに、体のさまざまな細胞になれる胚性幹細胞(ES細胞)から作った肝細胞を移植する国立成育医療研究センターの臨床試験(治験)で、安全性と効果が確認できたとして、企業を通じて本年度中に再生医療等製品として国に承認申請することが10月23日、関係者への取材で分かった。

国内初の承認申請で、承認されれば来年度中にも実用化の可能性がある。

ES細胞を用いた治療は、海外では目の病気や脊髄損傷などを対象に治騒が進んでいるが、実用化の報告はまだない。

生まれつき有毒なアンモニアが分解できずにたる「尿素サイクル異常症」の赤ちゃんが対象。

8千~4万4千人に1人の割合で発症する。

不妊治療で余った受精卵から作製したES細胞を肝細胞に成長させ、へその緒から患者の肝臓内の血管に注入し、アンモニアの分解を助ける。

治験では、2019年10月~2021年12月、計5人の赤ちゃんの肝臓にES細胞から作った肝細胞を注入した。

5人とも治療後、血液中のアンモニア濃度が減少。

合併症や有害事象は確認されなかった。

いずれも成長後に肝臓移植を受け、経過良好という。

尿素サイクル異常症は重症の場合、肝臓移植が根本治療となるが、子どもでは体重6キロ程度まで成長しないと移植を受けるのが難しい。

薬や透析などの治療が行われるが、発作で後遺症が出たり死亡したりするケースがある。

今回の手法は移植までの間をつなぐ。

橋渡し治療”として期待される。

細胞を注入した同センターの笠原病院長は「5人ともとても元気に過ごしている。 今後肝臓以外の病気の患者にも、再生医療を活用した治療が届けられるようにしたい」と話した。

同センターは今後、製造販売を担う企業と契約する。

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