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「日出紡織」命名は渋沢栄一進言 市議会で紹介 今も残る赤レンガ塀に脚光か 〈2021年3月12日〉

2021年03月12日 08時30分00秒 | 記事


今も残る日出紡織の赤レンガ塀


 10日午後の御坊市議会一般質問で平井俊哉議員が御坊の歴史を調べた中で、放送中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で新しい1万円札の顔となる渋沢栄一が、大正2年操業で日高地方の産業革命の先駆けとなった日出紡織(株)に大きく関わっていたことを紹介。市教育委員会や商工振興課職員らも「初めて聞いた」とびっくり。新町地区に今も残る赤レンガ塀が新たな観光スポットとして今後脚光を浴びるか。

 渋沢栄一は「日本資本主義の父」と称され、生涯で約500の企業の設立・育成に関わった。渋沢栄一記念財団のホームページや渋沢栄一伝記資料などによると、日出紡織は渋沢栄一の甥、大川英太郎(当時大阪紡績取締役)が関西や地元の有力者とともに明治45年に設立。日高郡の有志が出資し、渋沢栄一も出資者の一人だったという。
 当初は「日高紡績」と仮定されていた社名を、渋沢栄一が将来の事業拡張などを考慮して改名するよう進言し「日出紡織」の社名で操業することになった。紡績と製材業で日高川河口に集まった三紡績工場の従業員は大正末年には2000人を超えていたという。昭和16年に4社合併で大和紡績(株)となり、現在はダイワボウホールディングス(株)。
 市教育委員会生涯学習課や市商工振興課は「日出紡織に渋沢栄一が関わっていたことは初めて聞いた」とびっくり。御坊市史や市政施行40周年記念で発行した御坊市歴史年表に日出紡織の沿革などは紹介されているが、渋沢栄一が関わったことはふれられていない。
 新町の小竹八幡神社近くには日出紡織の赤レンガ塀が今も約200メートル残っており、寺内町散策マップなどでも写真入りで紹介されているが、語り部の寺内町散策コースから外れているため、市商工振興課は「大河ドラマ、新一万円札で話題の渋沢栄一が関わった赤レンガ塀として散策コースに入れるなど新たな観光スポットとして紹介していきたい」と話している。


米倉部長「子育て支援課必要」

平井議員提案、今後の検討課題

 一般質問で平井議員は「少子化を考えれば、子育てを支援する課が必要ではないか」と提案。
 米倉守市民福祉部長は健康福祉、社会福祉、介護福祉の3課と協議を行った結果として「福祉部局として『ほしい』のが結論」と答弁。今月末で定年退職することも踏まえ「提案しているが、限られた職員数の中ですぐに実現は難しいと思う。次の部長に引き継ぎ、やり遂げていただきたい」と述べた。
 このほか、昨年国勢調査に基づく人口減による交付税減収見通しとして仮家基浩財政課長は「これまでの算定に置き換えて試算すれば2億円程度」と答弁。IT関連企業誘致に力を入れるべきとの質問に古谷守幸企画課長は「検討していきたい」と答えた。


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