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奥真妻活々倶楽部がわさびの水耕栽培に取り組む 〈2018年10月25日〉

2018年10月25日 08時30分00秒 | 記事

水耕栽培システムでわさびの栽培に取り組む


 印南町上洞地内で、買い物難民対策のほか地域住民の交流拠点として地内で食料品や日用品などを販売する店舗を運営している「奥真妻活々倶楽部」が、わさびの最高品種で地元・真妻が発祥である「真妻わさび」の栽培を始めた。わさびを使った加工品をすでに販売しているが、同倶楽部は「加工品の種類も増やし安定的に提供するとともに、わさびの販売も手掛け、発祥の地をPRしながら地域活性化を図りたい」と意気込んでいる。
 同倶楽部は上洞の有志10人で運営。買い物難民対策のほか地域住民の交流拠点にと国や町の補助金を活用するなどして閉店した店舗を改修し平成26年2月にオープン。わさびを使ったわさび入りの金山寺みそを販売しているが、わさびを求めて来店する人も少なくなく、同倶楽部は、御坊市の大洋化学(株)が開発したわさびを水耕栽培する「ハイブリッド型水耕栽培システム」を導入して、わさび栽培に取り組むことにした。

 公益社団法人「わかやま地元力応援基金」が、印南町のまちづくりにかかわる活動をしている団体を支援するため創設した「印南まちづくり基金」の助成金を活用して店舗側に栽培室を設けて、このほど栽培システム8式を購入して栽培室に搬入、取り組みをスタートさせた。真妻種改良型の「真妻1号」300株に加えて、地元で長年絶えず自生している真妻種のわさび40株も定植。葉や軸は来春からすでに販売している金山寺味噌に加えて新たに加工品の開発に取り組むなどして活用、わさびは順調に生育すれば1年半後には収穫できる予定だ。
 真妻地区発祥である真妻わさびは、全体的に紫赤色で根茎の肥大が良いのが特徴。口に含むとほんのり甘くて香りさわやかで辛味は極めて上品で、高級料亭などで重宝されている。同地区の川又地内で明治時代から栽培が始まり、昭和20年代の最盛期には清流が流れる沢を利用した「わさび田」が至るところで見られ、10数戸の農家が1ヘクタール以上で栽培。全国でも有数の生産量を誇った。しかし、昭和28年の「7・18水害」でわさび田が壊滅状態となり、その後も国有林の伐採などで生産量、栽培面積とも年々減少、今では栽培農家はわずか1戸。真妻わさびの復活をめざそうと平成20年に発足した真妻わさび振興協議会が、昔ながらのわさび田や沢を整備し定植するなど取り組みを進めているが、沢わさびは自然環境や鳥獣被害など栽培条件が厳しく、あまり成果は上がっていない。
 そこで奥真妻活々倶楽部は、自然環境に左右されず鳥獣被害の心配もない「ハイブリッド型水耕栽培システム」に目を付けて取り組むことにした。同倶楽部代表の太田敏彦さん(74)、メンバーの龍田猛さん(65)、前田憲男さん(56)の3人が室温や肥料の濃度管理などにあたっている。3人は「安定供給できるよう栽培に取り組み、最盛期までとはいかないまでも『発祥の地』に恥じないよう『わさびの里』的な産地づくりをめざし、地域活性化につなげたい」と話している。


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