興国寺燈籠焼保存会が実施の燈籠焼き(写真は今年8月)
令和4年度由良町文化表彰の受賞者が決まった。文化賞は、県指定無形民俗文化財の「燈籠焼き(火祭り)」を実施している興国寺灯籠焼保存会(代表=山川宗玄住職)、文化功労賞は燈籠焼きで使う同寺の高燈籠を作る岡良次さん(58)=門前=が受賞。750年続く伝統行事を支えてきた団体・個人の功績をたたえる。表彰式は11月3日午前9時から役場で開く。
受賞者は選考委員会(寒川正美委員長・6人)を2回開き決定した。
文化賞 興国寺燈籠焼保存会が毎年8月に実施している「燈籠焼き」は鎌倉時代から750年続く伝統行事。昭和37年に県指定無形民俗文化財になったのを受けて保存会が発足し、同寺、僧侶や虚無僧、六斎念仏講、地元の門前区らで構成する。
活動は、燈籠焼き開催に向け、会場となる無常堂の草刈り、見どころの一つ・地元の青年が担ぐ土俑(どよう)や踊りで使う松明作り、会場の設営、当日の運営など。
土俑は長さ4・2メートル、重さ約150キロある大松明で、材料のシダを刈って干し、青竹で巻いて青笹をさしたものを4基、子どもたちが踊りで使う松明は責任役員や総代らで約80本作る。地域をあげて取り組むことで作り方を若手に伝え、伝統行事が途絶えないよう取り組んでいることが高く評価された。新型コロナの影響でここ3年は規模を縮小して開催しているが、毎年、火祭りを見ようと多くの人が訪れる。
文化功労賞 岡さんは同寺の檀家で、前任者が亡くなったため寺の依頼で高燈籠作りに携わり17年。最初は作り方が分からず苦労したが、今では自身で木枠を作るなど改良を重ね毎年8月のうら盆前に奉納している。
高燈籠は長さが4メートルあり、「南無阿弥陀仏」の文字を切り抜いた和紙や花などの飾りを貼り付け、上部には寺の紋「竜胆」が入る。製作は夏の忙しい時期で、仕事の合間をぬって夜間や休日に作業にかかるため苦労は絶えない。岡さん自身「年をとるにつれ、伝統を継承することの大切さを感じています」と話し、体が続く限り燈籠作りを継続したい考えだ。
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