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日高川町合併10周年 3年以内に人口1万人割れか 〈2015年4月8日〉

2015年04月08日 08時30分00秒 | 記事

美山では人口が2000人を割り高齢化率が50%に迫る
(写真は川原河地内)


 日高川町は、5月1日に合併10周年を迎える。川辺、中津、美山の旧3町村が合併した新町は、合併後も人口減少や少子高齢化に歯止めがかからず、節目の10年を迎えた後の大きな課題となりそうだ。合併時は1万1663人だった人口は、今年の1月末現在で1万388人にまで減少。このままのペースなら3年以内に大台の1万人を割る。旧町村間の格差は拡大し、美山では約2割も減少して2000人を割り、さらに65歳以上が占める高齢化率が47%になるなど深刻で、近い将来には複数の集落が消滅する恐れもある。

 人口を旧3町村別にみると、川辺地区は合併時が6996人で、今年1月末で6559人、同様に中津地区は2465人が2070人、美山地区は2202人が1759人と、いずれも約400人減少し、町全体の人口は1万1663人から1325人減の1万388人となり、1年平均で130人以上も減っている。
 人口の減少数は旧町村で大きな違いはないが、減少率で見ると10年間で川辺は93%、中津は83%、美山は80%となり、比較的減少率が低い川辺に対して中津、美山は約20%の高い減少率。若い世代の中には、合併後に中津、美山両地区から川辺地区に移り住む世帯も多く、町内での地域間格差が増大する傾向にある。
 65歳以上が人口に占める高齢化率は、新町誕生時が3401人で29%だったが、合併から3年後の平成20年8月末に初めて30%を突破し、現在は約33%に。深刻なのは中津、美山などの山間部で、川辺の27%に対して中津は約38%、美山は約47%にまで上昇し、人口のほぼ半数が65歳以上という状況に悪化した。
 旧町村単位だけでなく、同町では役場本庁や支所がある旧町村の中心部と山間部で高齢化率の格差が大きく、最も高い美山地区(38地区)では、支所周辺の川原河で町平均と同程度の34%だが、山間地の10集落以上で70%を超えている。このうち愛川80%、上板81・8%、猪谷83・3%、朔日83・3%、下小薮川88・9%と5集落で8割を超え、住民数が3~4人と少ない小川、串本、滝ノ上では全住民が65歳以上となっている。
 町では昨年度、市木久雄町長が選挙公約で若者定住施策の1つとして挙げた「譲渡型若者定住促進住宅」にモデル的に取り組み、高齢化が進む3地区に3棟を建設したほか、医療費無料化の18歳引き上げや学童保育を拡充。今年度からは病児・病後保育事業の子育て支援など少子化対策に本腰を入れているが、周辺市町と同様に人口減と少子高齢化対策が町誕生10周年後の大きな課題となりそうだ。


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