初点灯した新日ノ御崎灯台
紀伊半島西岸を航行する船舶に大阪湾への入口を示す主灯台として、あかりを灯し続ける紀伊日ノ御崎灯台。その灯台を、既存の場所から西方約120メートルの海に臨む場所に移設する工事がほぼ完了し、23日午後4時、新灯台が初点灯した。新灯台外観は現在、まだ足場が組まれている状態だが、仕上げの工事もまもなく完了。新灯台は早々と旧灯台からバトンを受け、この日から働き始めた。
移転は、付近一帯で数年前から地滑りや地割れが進行し、旧灯台を支える土台のコンクリートにも隙間ができるなど影響が及んで灯台崩壊のおそれがあるため、第五管区海上保安本部が決定した。美浜町から日高町へ、町をまたいでの引っ越しとなった。
新灯台は、旧灯台に比べてややスリムなコンクリート造の白色塔形。平均水面上から灯火までの高さは128メートルで、旧灯台よりも12メートル低くなったが、県内最高の高さを守っている。地上から灯台頂部までは、旧灯台より3メートル高い17メートルで、県内では串本町の潮岬灯台に次いで2番目に高い。
メタルハライドランプ6個を備え、普段はそのうち3個が灯る。40秒ごとに3回点灯していた旧灯台よりも12秒ごとに3回と点灯する周期を短くして、視認しやすくした。光達距離は、旧灯台よりも0・5海里長く、21・5海里(約40キロメートル)。現在の耐震基準を満たし、地震にも強い。
新灯台に掲げる名称表示板は、三尾地区に住む松洋中の今春卒業生や、日高中2年生らが制作。工事が全て完了した後に据え付ける。
旧灯台は、明治28年1月に初点灯。昭和20年7月には太平洋戦争の戦火を受けいったんは消失したが、昭和26年7月に現在のコンクリート造りの白亜塔形で再建され、以来、渡航する船舶にあかりを送り続けてきた。66年もの長きに渡る任務を終え、来週にも解体される。
新灯台の点灯は、初回の今回だけは手動で行ったが、今後は自動的に辺りが暗くなったら灯る。第5管区海上保安本部交通部整備課・平本敏弥さんは「見晴らしのよい日の岬のシンボルとして、末永く愛してやってください」と話した。
4月23日午後1時30分から、新灯台で、第五管区海上保安本部担当者ほか工事関係者、森下誠史美浜町長、松本秀司日高町長、名称表示板制作に携わった地元生徒とその学校長らが列席して、完成式典を行う。
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