バイオセンター中津が増産したイタドリの優良苗「東牟婁3」
「ごんちゃん漬け」の愛称で親しまれる日高川町美山地区特産品の原材料となるゴンパチ(イタドリ)の栽培方法を確立した県林業試験場(上富田町)が、県内から集めた品種の中から優良種を見つけ、同種をバイオセンター中津がバイオ技術を使って量産に成功。栽培や加工に適した「東牟婁3」と名付けた品種を加工品に取り組む各地の栽培グループや栽培者に1日から提供する。休耕地が激増する中、山間地域などの新たな栽培品目として脚光を浴びており、バイオセンターが栽培普及に一役買う。
「ごんちゃん漬け」が名物の日高川町美山地区にも以前は多くのゴンパチが自生していたが、自生物が激減。地元のグループが一時は栽培に取り組んだが、成功しなかった。そんな中、平成20年からゴンパチの栽培方法を研究してきた県林業試験場が栽培方法を確立し、町生活研究グループが国補助事業を活用して弥谷、熊野川両地内の遊休農地で栽培を始めてゴンパチ栽培が軌道に乗った。その後、山間地域などの新たな栽培品目として注目が高まり、県内はじめ高知県などから視察が相次ぐなど栽培が普及している。
栽培方法を研究した県林業試験場は、県内から集めたイタドリの中から太くて収量が多く、皮むきなどの加工に適した優良品種を選抜。同試験場が組織培養で増やした約20苗をもとにバイオセンター中津が増殖に成功した。同センターではすでに約4000苗まで増産。イタドリの植栽に適した梅雨時期に合わせ1日から購入予約を開始し、15日から1苗50円で販売する。
ゴンパチは、全国各地に広く自生する山菜で、タケノコ状の若芽が食べられ、県内は紀南地方が中心、全国では高知県などごく一部地域で食用に用いられている。昭和60年ごろ、このゴンパチを特産品に出来ないかと考えた旧美山村生活研究グループのメンバーが、3年がかりで、塩漬けした「ごんちゃん漬け」の開発に成功。昭和63年4月、椿山ダム畔に誕生した産品所の開所記念で発売開始すると、予想以上のヒット商品となり、県外に知れわたる特産品になった。
予約と購入の問い合わせはバイオセンター中津(電話54・0095)へ。
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