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和歌山県内にはいないはずのオオクワガタ、日高町で捕獲 〈2022年7月28日〉

2022年07月28日 08時30分00秒 | 記事


オオクワガタを捕獲した白井海晴君


 北海道~九州に分布するが、県内には生息していないはずのオオクワガタの捕獲が相次いでおり、日高町でも確認された。雄が体長60ミリほど、雌が40ミリほどの国内最大級のクワガタだが、昆虫に詳しい県立自然博物館=海南市=の松野茂富学芸員によると、最近見つかっているのは、70ミリ超の大型のものばかりで、飼っていたオオクワガタが逃げた可能性が高いという。分布が変わることで自然な生態系が崩れることを危ぐしている。

 白井海晴君(9)=内原小4年=は無類の昆虫好きで、様々な虫を図鑑やインターネット動画などで調べており、小学1年の頃から毎年、夏になると、父親と採集に出かける。21日夜も同じように近隣の山に向かい、ヒラタクワガタなどを捕まえていたが、たまたまオオクワガタを発見して確保。全長71ミリの大型で白井君は「これまで出会ったことはなかったけど、形とかを見てすぐわかった。本当にいるとは思わず驚いた。大事に育てたい」と笑顔だった。
 松野学芸員によると、昆虫に関しては昭和初期から専門的な調査は続けられているが、オオクワガタの和歌山県周辺の分布を見ると、大阪府や奈良県、三重県では標本など学術的な観点から確認されている一方で、純正な和歌山県内産は、今のところ報告例はなく、いないとされている。
 森林伐採などで野生個体は減っており、環境省のレッドリストでは絶滅危ぐ2類に分類されるほど。過去に県内で確認されていなかったクワガタが、自然に増えている可能性は極めて低く、飼育方法が確立されてインターネットなどでも高額で販売される現状で、家で飼っていた個体が何らかの理由で逃げたり、自宅で繁殖させていた人が外へ逃した可能性が高いという。
 さらに野生は60ミリほどが普通のサイズと言われる上、大型はさらに希少とされる中、県内で捕獲されたり、死骸で発見されているオオクワガタは、70ミリを超えるほどの大型のものばかりなのは環境的におかしく、飼育された個体と考えられるのが自然とされる。
 松野学芸員は「考えたくはないが、逃げた個体同士で増えている可能性もある。昆虫を採取したら、死ぬまで面倒を見ることが大切。もし野生だとしても、その個体以上の移動距離で放たれる場合も同じで、その地域の環境に影響を与え、生態系が崩れる可能性がある。家でオオクワガタを飼っている人は外へ逃さないよう気をつけてほしい」と訴えている。


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