令和5年度在籍園児が一桁8人となる大成幼稚園
御坊市教育委員会は、17日に開いた市議会全員協議会で大成幼稚園の園児数減少に伴い、保護者らの意見を聞きながら今後のあり方を検討する方針を説明。ピークの平成18年度は76人が在籍していたが、園児数は年々減り続け、今年度は13人。さらに令和5年度は新入園児が初めてゼロとなり、在籍園児も初の一桁8人となることから6年度園児募集停止、閉園も含めて「あり方を検討せざるを得ない」と理解を求めた。
近年の少子化の急激な進行はもとより、核家族化の進行、女性の社会進出、共働き世帯の増加など家族形態の変化や就労形態の多様化が進み、公立4園ともに園児数は減少。今年度の在籍園児数は塩屋31人、湯川23人、名田21人、大成13人。特に大成の減少幅が大きく、過去20年間でピークだった平成18年度76人に比べて8割以上減っている。
大成の新入園児は平成18年度までは20人を超えていたが、19年度以降は10人台、26年度以降は一桁台で推移。在籍園児数も21年度から40人台、26年度以降は20人台が続き、令和3年度は18人、4年度は13人まで減った。さらに5年度は新入園児が初めてゼロとなり、在籍園児数も初の一桁8人(4歳児3人、5歳児5人)となる予定。
この日の議会全員協議会で市教委は「園児数が8人という状況では、集団の中で多様な考え方にふれ、試行錯誤する機会が少なくなりやすく、人間関係の固定化や活動内容の選択の幅が狭くなることが考えられる」と、集団での幼児教育という観点から子どもたちにとってデメリットが大きいとして「今後のあり方を検討していかざるを得なくなった」と説明。
現時点で「教育委員会として決まった方針はない」として今後、保護者の意見を十分踏まえた上で、子ども子育て会議や学校運営協議会などの意見も聞きながら園のあり方を検討していく考えを示した。
園舎は4園で最も古い昭和44年竣工の木造園舎のままで、これまで大規模改修は行われておらず、老朽化が進行。数年前までは「改築や改修の際には保育園機能を持たせた『こども園』への移行を検討する」との考えも持っていたが、現状を見れば、今後のあり方として6年度の新入園児募集停止、閉園なども選択肢に入るという。
市教委は「できれば6年度新入園児募集を始める11月までに方向性を出したい」とのメドを示した。議員から「集団での幼児教育は重要。子どもの学びの視点を大事にしてほしい」「保護者の意見をよく聞き、丁寧に進めてほしい」「教委からたたき台を示した方がいいのではないか」などの意見が出された。
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