議会特別委員会で最優秀提案者を発表
御坊市は、6日に開いた市議会新庁舎建設特別委員会(西本和明委員長)で公募型プロポーザル方式により一括発注する新庁舎建設事業の実施設計・施工・現庁舎解体の最優秀提案者に前田建設・久米設計特定建設工事共同企業体(代表者=諏訪俊雅・前田建設工業(株)関西支店常務執行役員支店長)を選定したと発表。基本設計を基に「各審査項目に対して優れた提案を行った」と総合評価するとともに事業費53億円(上限)に対する提案価格が約46億円だったことも高評価を得た。
県内外の4事業者から応募があり、龍神康宏副市長を委員長に小池信昭・和高専環境都市工学科教授、板橋弘幸・県建築住宅防災センター業務部長の専門家を交えた8人でつくる選定委員会で一次審査、二次審査(プレゼンテーション)を行った。基本設計を基にしながら安心・安全の災害対策拠点としての設計、御坊市らしい設計、施工段階での品質・工程・リスク管理の手法など3テーマ10項目で審査した。
前田建設・久米設計は設計業務において(1)津波の受ける可能性のある1~2階は鉄筋コンクリート造り、鉄骨・鉄筋コンクリート造りを採用しながら3階以上は鉄骨造りとすることで柱本数を減らし、柱の間隔も空けることで将来のプラン変更が可能な執務フロアを提案(2)火災時に天井に蓄煙して煙の降下を遅らせ、天井の落下を防ぐ仕組みを提案(3)ひび割れやタイル落下などが生じない外装計画を提案(4)議場、各室の内装に紀州材を活用する提案(5)宮子姫物語等をコンセプトに1階エントランス空間など内観デザインを提案。
(6)施工業務では周辺環境等に配慮した施工計画、工期厳守で高品質の新庁舎を提供する手法-などで総合評価点78点を獲得。提案価格が46億457万8000円(税込み)と、事業費53億円を約7億円下回ったことも高評価。選定委員会は「持てる技術力を最大限発揮され、市民や市の意見を十分に反映させながら業務執行に尽力されることを期待する」とした。また、次点提案者はフジタ・東畑特定建設工事共同企業体で総合評価点は75・5点、提案価格は48億7740万円だったことも公表した。
基本設計では総床面積6733平方メートル。浸水想定3・5メートル以上にする1階はピロティ&エントランス方式とし、1階と2階の間に免震層を設ける中間層免震構造を採用。2階は市民課など利用の多い部署、4階は市長室や災害対策本部など災害対策フロア、5階は議場を配置。中層階以上は一時避難場所に活用できるようにし、屋上にはホバーリングスペースを設ける。
今後のスケジュールは今月中旬に仮契約し、9月定例議会の議決を経て本契約を結ぶ。実施設計は来年8月まで行い、同年9月に着工。竣工は令和5年7月、供用開始は10月予定。その後、現庁舎の解体、駐車場など外構整備(2億5200万円)を行い、全事業完了は令和6年10月を予定。
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