海と陸から一斉放水
続々と応援に駆けつける消防車両
和歌山県主催の平成27年度石油コンビナート等総合防災訓練は5日、関西電力(株)御坊発電所構内で実施。御坊市消防本部、海上保安庁、自衛隊、県警など29機関から255人が参加。東海・東南海・南海3連動地震を想定して、海上のタンカーと陸上の石油コンビナートからいずれも油の流出を防いだほか迅速、安全な救助活動や、消火活動を行い、各機関同士の連携を図り、対応を確認した。
前半は海上訓練。大地震による津波で、油運搬船から油が流出しているのを海保の航空機が発見し海上現地本部へ報告。同発電所の作業船「さんぽう」がオイルフェンスを拡張し、油の拡大を防いだ。油流出している周辺を航行制限区域に設定し、巡視船「みなべ」と「みなべGB」がライトメールと拡声器を使い、周囲に知らせた。
近畿地方整備局の海洋環境船「海和歌丸」が油回収装置で、紀州日高漁協の発電所委託船「昌栄丸」と排防協「若潮丸」が油吸着マットで回収。「みなべ」は油処理剤散布装置で油処理、「みなべGB」は航行して、「枡栄丸」は放水し油をかくはんした。その後、「昌栄丸」から転落した作業員を救助。船舶火災を想定した消火訓練では、御坊市消防、海保らが陸と海から一斉放水した。
後半は陸上訓練。和歌山地方気象台から津波警報解除の知らせが入り、同発電所から負傷者、建物被害では№3タンクから原油が流出との報告。同発電所自衛消防隊が土のう作成、原油流出防止作業を実施。日本赤十字社県支部が救護所を開設し、防御作業中に負傷した作業員を陸上自衛隊が一時収容所に担架搬送。御坊市消防救急隊がトリアージし、救護所に搬送した。その後、陸自ヘリが患者を病院に搬送した。
最初に№3タンクに出動した自衛消防隊が初期消火。続いて到着した市消防に自衛消防隊から指揮権を移譲した。その後、海南市、有田市、和歌山市の消防隊が続々と応援に駆けつけ、御坊市消防署長の小畑秀樹消防隊長の指示で、消防車8台がタンク周辺に一気に放水した。
訓練終了後の閉会式で、田辺海上保安部の本山祐一部長が「迅速、的確、そして安全に行ってくれて心から感謝している。今回の訓練では、防災の意識が高まり、災害の対処のスキルが上がったと思う。考えて、備えて、訓練を繰り返してほしい。それが安心、安全な地域づくりにつながる」と講評。開催地を代表し柏木征夫御坊市長は「陸、海、空一体の訓練を目の当たりにして、力強く思った。この訓練を地域の防災力アップにつなげてほしい」、同発電所の宇土剛彰所長が「みなさんと一体となって訓練できて、有益だった。万が一災害が発生した時にも、被害を最小限に抑える。今後もリスク管理の徹底を図りたい」とあいさつした。
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