大空小学校での経験から、学びの本質を語る木村さん
日高附属中学校は19日、体育館で、全校生徒116人を対象に道徳講演会を開き、大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子さんから、講演「『みんなの学校』が教えてくれたこと」を聴いた。木村さんは大空小学校で、教員も保護者も地域の人もみんなで手を取り合って「すべての子どもが自分らしく学び合える学校をつくる」ことに情熱を注ぎ、不登校や発達障害と区別された子どもたちも普通学級でともに学び育ち合う教育を具現化した。
木村さんは自身の経験や大空小学校での実話をもとに、多様性社会、共生社会、予測困難な社会と言われる未来に向けて、学びにおいて大切なことは何か、なりたい自分になるために必要な力とは何かなど語った。
まず、自己紹介として、顔を水につけるのが怖くてプールに入れなかった自身の小学生の頃を紹介。頑なにプールに入るのを拒んだ自分が「何が怖いの?」との教師の問いかけに「顔を水につけるのが怖い」と答えた場面をきっかけに、顔を水につけずにプールに入れて、背泳ぎができるようになり、中学では近畿大会、大学では全日本6位にまで駆け上がった経験を「最大のピンチがチャンスに変わった」と説いた。
木村さんは、大空小学校の一年間を追ったドキュメンタリー映画「みんなの学校」の一節を見せ、生徒らに感じたこと、自身の学んだ小学校との違いなど質問。その上で「『違い』に上下や優劣はある?」と問いかけ、大空小学校に来た「不登校」「発達障害」などとのレッテルを貼られた子どもたちとのやりとりを紹介し「大人になったら大空の子も他の学校の子もみんな同じ社会に出る」「10年後、誰一人を置き去りにしない日本社会、国際社会をつくるには、すべての人が当事者になって、人のせいにしない学びを」など続けた。
「みんなと同じことをできることが評価される時代は終わった。他人と違うことに価値がある社会になってきた」と、木村さん。そんな未来を自分らしく生きる上で必要なのは、人を大切にする力、自分の考えを持つ力、自分を表現する力、チャレンジする力の「4つの力」だと強調し、「決めるのは自分です。人のせいにしない自分をこの6年間でしっかり学んで」と生徒らに呼びかけた。
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