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世界津波の日 御坊で3千人、由良で1千人以上 一斉避難訓練で防災意識高める 〈2020年11月3日〉

2020年11月03日 08時30分00秒 | 記事

 5日の「世界津波の日」にあわせ、御坊市、由良町は1日、南海トラフ巨大地震を想定した一斉地震津波避難訓練を行った。地区や自主防災組織が中心となり、御坊市は3000人以上、由良町は1000人以上が参加し、津波避難タワーなど一時避難場所への避難訓練、家庭でのシェイクアウト訓練などを行い、防災意識を高めた。
 
 御坊市 午前9時に防災行政無線で大津波警報を発令し、市は情報伝達訓練を行い、家庭では地震から身を守る安全行動を身につける「ドロップ(まず姿勢を低くする)」「カバー(机の下にかくれるなど体、頭を守る)」「ホールドオン(揺れがおさまるまで動かない)」のシェイクアウト訓練を実践してもらい、引き続き、町内会や区、自主防災組織ごとに避難訓練を行った。
 新町地区では昨年12月に完成した津波避難タワーを使った初の避難訓練を行い、地区の住民をはじめ隣接の椿地区あわせて約250人が参加。タワーのスロープや階段を使い、高さ8・7メートルの避難ステージに上がり、タワーの説明を聞いたあと、高さ11・42メートルの最上階避難ステージに登り、自分たちが住む町を見下ろしながら「地震、津波は来てほしくないが、起こればここに逃げてきたい」など話していた。
 このほか、島東正会や学園前、東春日、小松原、天神、下野口、薗、名屋、楠井などでも地域の実情に応じた各種訓練を行った。市内一斉訓練は「身を守る安全行動、避難の大切さに気づき、防災意識を高めてほしい」と、平成28年から5日周辺の日曜日に行っており、今年で5回目。

 由良町 19区から1281人が参加し、横浜区では住民150人が北山広場、宇佐八幡神社の2カ所に避難。平林忠次区長は南海・東南海地震による大津波の第一波到達時間にふれ「早く高い場所に逃げるようにして下さい」とあいさつ、参加者に非常食を配布し避難者数を無線で報告した。
 町からは山名町長、岡本副町長、寒川教育長と職員64人が参加。緊急地震速報を受けシェイクアウト訓練を実施、第2災害対策本部・ゆらこども園へ移動し東日本大震災被災者で語り部・佐々木守さんの講話を聞いた。
 岩手県釜石市の元職員だった佐々木さんは当時、防災課長として市の災害対策本部を統括し、当時の被害状況など写真や映像で振り返り振った。
 課題に事前の取り組みが不十分だったことを挙げ、行政側は住民に避難意識を作ること、姉妹提携や防災協定を結ぶ他の都市との連携が大切で、命を守ることが教訓と強調。「生きている限りリスクは至る所にある。リスクをどれだけ減らせるか危機感を持ってほしい」と話した。


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