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県下初の洋上風力発電事業計画 管内3市町の沖合 最大75万キロワット 〈2019年3月28日〉

2019年03月28日 08時30分00秒 | 記事

 パシフィコ・エナジー(株)=東京都港区=が、御坊市と日高町、美浜町の沖合に「パシフィコ・エナジー和歌山西部洋上風力発電事業(仮称)」を計画し、27日から4月25日まで県庁や御坊保健所、3市町で同事業に係る計画段階環境配慮書の縦覧を行っている。洋上風力発電は海外では普及が進んでいるが、国内での商用運転は少なく、県下では初。計画では発電所の最大総出力は75万キロワット。環境影響評価手続きは一般的に3~4年かかるため、2025年以降の運転開始を予定している。

 同配慮書によると「風況の良好な和歌山県西部沖において大規模な着床式風車を設置し、純国産の再生可能エネルギーによる電気を供給することで、我が国のエネルギー自給率の向上、安全で安定した電気の供給並びに地球温暖化防止に寄与するとともに、風力発電事業を通じて地域の活性化への貢献及び地域との共存を目指して取り組む」としている。
 計画では風力発電所の最大総出力は75万キロワット。風力発電機の単機出力は5000キロワット~1万2000キロワット程度。5000キロワットの場合は最大150基設置。発電機の構造は、普及率が高く発電効率が最も良いとされる3枚翼のプロペラ型風車を想定し、最大高さ(ブレードの先端高さ)は平均海面より154~260メートル、ハブ高さ(ブレードの中心の高さ)は平均海面より90~150メートル。基礎構造は着床式で検討している。
 事業実施想定区域の設定に当たっては、好風況が見込まれること、比較的に水深が浅いことを考慮。風況は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の洋上風況マップから高度80メートル(平均海面からの高さ)において好風況が見込まれる。同区域は風力発電機を設置する範囲に加え、海底ケーブルを敷設する可能性のある範囲も含めて3市町の沖合約175キロ平方メートルで、うち風力発電機を設置する範囲は約120キロ平方メートル。
 風力発電機の設置場所や風力発電機と陸上の既設送電線を結ぶ海底ケーブルの位置、変電施設の設置位置・構造等、送電線の敷設ルート・構造等、工事・輸送計画等は検討中。
 地元の調整状況は、現時点で関係する3市町との協議を進めている。また、同区域には共同漁業権の設定範囲が存在しており、同区域に関係する複数の漁業協同組合については漁業への影響、船行の安全、調査方法、工事方法などについて今後協議を進める予定。
 縦覧は県庁本館4階環境生活総務課、御坊保健所、御坊市役所企画課、日高町役場総務政策課、美浜町役場住民課で行っている。


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