紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

24日 日高町で文化財保護醸成に初の歴史講座 天路山城跡の価値を知ろう 〈2019年3月14日〉

2019年03月14日 08時30分00秒 | 記事

弘春社がある若一王子神社


 日高町などは24日午後1時30分から、町中央公民館で歴史講座「湯河氏の城-その歴史と魅力-」を開く。町が主催する初めての講座で文化財保護意識を高めるとともに、町民らに中世山城の魅力、歴史的価値を知ってもらおうと計画。講座では、比井にある天路山城跡と関係が深いと見られる湯河氏について専門家が報告したり、パネルディスカッションで考察する。
  
 同城は別名を比井城とも言い、標高約70メートルに位置し、天正年間の戦国時代、日高地方に勢力を持った湯河氏が築城したとされる。湯河氏の山城の中では本城の亀山城(御坊市丸山)に次ぐ規模を持ち、地域支配の中で重要な位置を与えられていたと考えられる。
 近畿大学文芸学部特任講師の新谷和之氏が「奉公衆湯河氏と湯河弘春-天路山城跡の城主を考える-」、和歌山城郭調査研究会会長の白石博則氏が「湯河氏関連城郭と天路山城」、和歌山県文化財センターの川崎雅史氏が「考古学からみた湯河氏の城」をテーマに報告。湯河氏の城について語るパネルディスカッションもある。
 若一王子社には湯河氏の当主・直春の弟やいとことも言われる弘春を祭った神社・弘春社(こうしゅんしゃ)があることから、弘春が比井に強い影響力を持ち、天路山城の主であった可能性が高いという。比井周辺はリアス式海岸で良港となるため、中世から近代にかけて海上交通の要衝であり、同城は湯河氏が港を抑える場所として最適だったと考えられる。
 その天路山城跡では、比井地内の避難場所や集落道の造成に伴い、元職員が周知の埋蔵文化財包蔵地内ではないと判断、事前の発掘調査がなされないまま工事が進められ、城郭遺構の一部を崩し、県から保護違反と指摘された。
 この反省も踏まえ、昨年11月に職員の意識を高めるために文化財研修を実施しており、今後、文化財の魅力を伝えようと力を入れるためにも、今回の講座を初計画。町広報誌などでも広く呼びかけ、定員120人の事前申し込みなしで参加無料として一般向けに募集しているほか、一部職員も参加する予定にしている。
 講座は町とともに紀伊考古学研究会、和歌山城郭調査研究会、和歌山地方史研究会が主催。県教委や御坊市教委、日高郡教育委員会連絡会が後援。
 問い合わせは、町教委教育課(電話63・3812)へ。


その他の主なニュース

 4月23日 御坊商工会館で統合型リゾート(IR)説明会開催

 17日 日高高・附属中合唱部定演 ミュージカルは「アラジン」

 平成30年度県農業教育賞優秀賞 印南小で受賞伝達式

 老人ク・紀寿会が尾崎水耶さん(日高川町)受賞記念展開催を実現