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県議選前哨戦終盤 楠本氏に勢い、中村氏巻き返し(御坊市) 現2人トップ争い 現新競り合い(日高郡) 〈2019年3月23日〉

2019年03月23日 08時30分00秒 | 記事

 29日告示の県議選まで1週間を切り、昭和62年以来32年ぶりの同時選挙突入が確実な御坊市選挙区(定数1)日高郡同(同3)とも激しい前哨戦を繰り広げている。御坊市は自民党現職と共産党新人の一騎打ちで、市議の経験、知名度がある新人に勢いがあり、8期の実績と経験のある現職が巻き返しを図っている。現職3人と新人1人の4人で争う日高郡はベテランの自民党現職2人がトップ争いを展開しそうで、残り1枠を無所属の現職と新人が激しく競り合っている。投開票は4月7日。
 
 御坊市選挙区
 
 9選をめざす自民党現職の中村裕一氏(59)=熊野=と、共産党新人の楠本文郎・元御坊市議(64)=塩屋町南塩屋=の一騎打ちが確実で、選挙戦は平成23年以来8年ぶり。
 中村氏は公明党をはじめ約80の各種団体等から推薦を受け、8期の実績と実行力を前面に出し、支持拡大を図っているが、保守分裂となった平成28年御坊市長選の影響から保守層が一枚岩になっていない厳しい状況下にあり、どこまで保守票をまとめきれるか。一方、楠本氏は保守分裂の間隙を縫うように市議歴35年の経験と人柄から保守層や浮動票に支持を広げつつあり、29年総選挙で5099票を獲得した勢いがそのまま続いているが、当選するには1000票以上の上乗せが必要で、どこまで保守層に食い込めるか。
 中村氏は「一人区の議席は絶対に共産党に渡さない。市民の意見、願いを県政に届け、それを実現するのが政治家の務め。仕事ができる、願いを実現できる人を選んでいただきたい。とにかく歩いて、できるだけ多くの方と会い、話を聞いてもらう」。楠本氏は「大きな手応えを感じている。『市民の願い届ける人を県政へ』これに尽きる。党派間の争いではなく、どちらが市民の声、願いを県政に届けられるかが争点。はげます会ニュースを読んでもらう運動、街頭で政策を訴える活動に力を入れる」。

日高郡選挙区

 出馬表明しているのは現職、冨安民浩氏(71)=当選7回、日高町高家=、坂本登氏(72)=同5回、みなべ町南道=、花田健吉氏(60)=同4回、印南町印南原=、新人、玄素彰人氏(45)=印南町印南=のいずれも保守系の4氏。各陣営ともすでに後援会事務所を構えてている。
 選挙戦となった平成11年の選挙では、現職だった冨安氏が1万2379票を獲得しトップ当選、現職の木下秀男氏(故人)が1万183票で2位、最後の1議席は新人だった坂本、花田両氏の争いとなり、坂本氏が7585票で当選、花田氏は6853票で涙を飲んだ。今回はそれ以来の選挙戦で、4期連続無投票だったことや龍神村が選挙区域から外れたこともあり、票読みは難しく、また、平成11年に立候補し落選した共産党候補の4623票(龍神村得票分除く)の行方も気になるところで、共産党票が草刈り場となる可能性もある。
 冨安陣営 8選目を目指す同陣営でも20年ぶりの選挙戦に「ゼロからのスタート」という思いで、本人を中心にこれまでの人脈を生かした活動を展開している。
 冨安氏は「過去の実績よりも、未来につながる施策の実行が重要」と訴えながらも、進行中の事業を含めて各種団体から30以上の推薦状が出されるなど、7期の実績を評価する声は大きく、「各町の支援者が中心となって一緒に立ち上がってくれている」と全町的に手応えは悪くないと話す。
 鳥獣害対策の抜本的な改革や施設園芸の持続発展、森林資源を活用した林業の復興、少子高齢化対策、安心安全の対策などに果敢に取り組むと訴えながら、各地域の支援者とともに足を運んだ戦いを続ける。
 坂本陣営 当選5回で、すべての常任委員会・特別委員会の委員長、議長など要職を務めた実績や人柄から、上位とも噂されるが「運動員は少なく、上位という感覚は全くなく、厳しい。懸命に支援の輪を広げている」と危機感を募らす。告示へ向け、組織の増強に力を入れてきた。
「教育の充実と安定した産業の振興」を政治信条に掲げて活動しており、ものづくりを中心とした地域づくりは未来においても不変とし、特に農林水産業の振興は地方の自立に不可欠と位置づける。
 告示後は選挙区内をくまなく街宣して訴えたい考えで「全身全霊をこめて動かせていただきたい」としている。
 花田陣営 5選をめざし選挙区内をくまなく周り支持を訴えている。手応えについては「まだ感じるところまでいっていない」とし、本番に向けてさらに有権者一人ひとりに「日高の未来(あす)を拓く」をスローガンに掲げている(1)農林水産業のチャレンジ(2)新しい分野の企業誘致にチャレンジ(3)自然環境とノウハウを活かした大学誘致にチャンレンジ-3つのチャレンジを中心とした公約を浸透させ支持を広げたいとしており、花田氏は「次の世代がこの日高で力強く生活できるような環境を作るため全力で取り組みたい」。
 玄素陣営 20年間選挙がなく、選択肢を示したいと、町長、町議などの豊富な経験と若さを生かし、初当選を目指す。「出馬表明以来、郡内を1周させていただいたが、手応えをひしひしと感じている」とし、「今後も若い層を中心にきっちりとアピールしていきたい」。
 玄素氏は「今後も引き続き、363の政策をコツコツとやっていく。地道なチャレンジで地域の底上げを目指していきたい」と話し、(1)雇用の場の確保(2)高齢者が安心して暮らせる社会(3)若者定住(4)産業振興-などに重点的に取り組んでいくとしている。 


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