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津波の日制定記念大会で二階会長や杉良太郎、伍代夏子夫妻が訴え 〈2016年2月28日〉

2016年02月29日 08時30分00秒 | 記事

杉、伍代夫妻らと舞台に上がり、あいさつする二階会長


 二階俊博自民党総務会長(77)=御坊市島、当選11回、志帥会(二階派)会長=の提案で11月5日が国連の「世界津波の日」に制定されたのを受け、県と広川町主催、内閣府と外務省後援の「世界津波の日制定記念講演と稲むら太鼓」は26日、和歌山市の県民文化会館大ホールで開いた。特別ゲストに俳優・歌手の杉良太郎さん、演歌歌手の伍代夏子さん夫妻を招き、市町村長や県議、県民約2000人が来場し、津波で一人の犠牲者も出さないため「稲むらの火」の精神、教えを和歌山から世界に発信することを誓い合った。

 二階会長は「津波から一人でも多くの命を守る。そのために何をするか、みんなで考えるために津波対策の推進に関する法律を国会に提案し、全会一致で成立させた。今、このことに反対する人は誰もいない。『人の命を大切にする』『家族や友人の命を守る』ためには津波から早く逃げる、高いところに逃げることが最も重要。先日、広川町の稲むらの火の館とインドネシアのアチェ津波博物館とで姉妹館協定を締結したが、稲むらの火の精神、教えを世界に広めるため我々が努力しないといけない。世界津波の日を忘れないために毎年、言い続け、伝えていこう」と、和歌山が率先して周知啓発、運動に取り組むよう奮起を促した。
 特別ゲストの杉さんは「二階先生が世界津波の日を制定されたので、私も文化で何かお手伝いできないかと『浜口悟陵ご献上稲むら太鼓』を構成、プロデュースさせていただいた。皆さん、人ごとではない。明日は我が身です。和歌山が世界のお手本になってほしい」。伍代さんは「東日本大震災など被災地を訪問させてもらっていますが、自然災害はいつどこにやってくるか分からない。不自然に命を落としてはいけない。大きな地震が来たら早く高台に逃げてください」と訴えた。
 仁坂吉伸知事は「世界津波の日制定にご尽力いただいた二階先生に心から感謝申し上げたい。和歌山、広川町は防災の聖地であり、浜口悟陵の偉大な業績を世界中に広めたい」、福井照・自民党国土強靱化総合調査会事務総長は「防災、減災、避難訓練の目的はただひとつ。一人の犠牲者も出さないようにすること」とあいさつ。垂秀夫・外務省アジア大洋州局審議官、牛尾滋・同国際協力局参事官が世界津波の日制定の経緯や今後の取り組みを説明した。
 稲むらの火の館名誉館長委嘱式があり、名誉館長に任命された西博義元代議士に西岡利記広川町長が委嘱状を渡した。広川町の広小学校5~6年生が「地震のあとは津波が来るぞ。海には絶対近づかない。高台に直ぐ逃げろ」と稲むらの火の逸話を歌にした「稲むらの火~津波から村を守った庄屋の話」を合唱。「浜口悟陵ご献上稲むら太鼓」のCDレコーディングに参加した日本太鼓道場が力強い太鼓演奏を披露し、それぞれ大きな拍手を受けた。


津波防災ウィーク、国際賞提案
第一人者の河田教授が記念講演

 防災研究の第一人者で関西大学社会安全学部教授・社会安全研究センター長の河田惠昭氏が「和歌山から発信する世界津波防災の知恵」をテーマに記念講演した。
 河田教授は「南海地震は必ず来る。次は昭和の南海地震と比べものにならないとんでもない津波が来る。決して他人事ではなく、逃げないと死ぬ。津波に対する知識はあふれているが、それを自分から取りにいかないとないのも同じだ。世界津波の日を契機に我々一人ひとりが何をすべきか、考えるきっかけにしてほしい」と話した。
 具体的には浜口悟陵国際賞を創設し、世界津波の日に各国持ち回りで表彰式とそのインターネット中継を行う▽津波防災県協議会(和歌山など9県)で国内啓発イベントを実施する▽津波防災ウィーク(11月第1週)の制定と津波・高潮常襲国での国際イベントを開催する▽災害の語り継ぎフォーラムを各国の国際ミュージアムで開催する-を提案した。


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