タイトルと始めの3行で全てを理解した。
早雲でいうところの
よし、わかった!
といったところか。
文末に挿入される吉岡秀隆のような
俯瞰したつぶやきが面白い。
禅問答のような会話で構成される文体は
確かに村上春樹のようでもある。
ホント音楽をしきりと引用するところも
確かに村上春樹に似ている。
読んだわけではないのだけれど
アヒルと鴨のコインロッカーの映画はみたことがある。
会話とつぶやきで構成される
俯瞰的な世界は
この作家のリズムそのものだった。
すごく上手に映画化されたのだろう。
しかしなんだろう。
あの映画とは別の物語なのに
共通するこの空気。
うしろでは常にブローニンザウインドが流れているような
この懐かしさは。
最後の春夏秋冬は
大学生活なんてあっという間
という
誰もが知る常識の暗喩なのかしらん。
そしてその時間の経過を意識しながら再読すると
腑に落ちる描写が多い。
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