僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

砂漠(伊坂幸太郎)

2018年09月24日 | よむ

タイトルと始めの3行で全てを理解した。

早雲でいうところの

よし、わかった!

といったところか。

文末に挿入される吉岡秀隆のような

俯瞰したつぶやきが面白い。

禅問答のような会話で構成される文体は

確かに村上春樹のようでもある。

ホント音楽をしきりと引用するところも

確かに村上春樹に似ている。

読んだわけではないのだけれど

アヒルと鴨のコインロッカーの映画はみたことがある。

会話とつぶやきで構成される

俯瞰的な世界は

この作家のリズムそのものだった。

すごく上手に映画化されたのだろう。

しかしなんだろう。

あの映画とは別の物語なのに

共通するこの空気。

うしろでは常にブローニンザウインドが流れているような

この懐かしさは。

最後の春夏秋冬は

大学生活なんてあっという間

という

誰もが知る常識の暗喩なのかしらん。

そしてその時間の経過を意識しながら再読すると

腑に落ちる描写が多い。


オロロ畑でつかまえて(荻原浩)

2018年09月24日 | よむ

今や押しも押されぬ直木賞作家

荻原浩のデビュー作。

各チャプターが広告代理店の業界用語になっていておもしろい。

「神様からひと言」でも思ったけど

会社員生活の経験者なのだろうか。

とおもったら広告代理店出身者とのこと。

広告代理店の村おこしで

ドッタンバッタンで

なんやかんやでハッピーエンド。

読んだことないけど

井上ひさしの吉里吉里人にも通じる

ブラックユーモアなのかな。

あまり頭を使わずに

一気に読み進められる。