映画のCMで
未だ冷めることのない
『仄暗い水の底から』の衝撃を思い出し
タイミングよく平積みされていた表紙に魅かれて
珍しくホラー物を手に取る。
そして恨みを発掘する旅に出る。
ドキュメントタッチで間取りの説明をするあたり
宮部みゆきの理由を思い出す。
1ページの情報量が多いこともあるが
何より
細かい描写や恐怖を噛みしめて楽しみたいので
敢えてゆっくりと読み進める。
郷土史を読み解いていくようで楽しい。
が
中盤から情報量についていけなくなり
ページをめくる指が重たくなってくる。
この辺りもまさに郷土史のよう。
なんだかんだと盛り上がらず
淡々としているうちに読破してしまった。
石田衣良さんによると
『この本を自分の本棚に置いておく気にならない』
くらい怖い本らしいのだが
一生懸命怖がってるつもりなのに
怪奇現象描写のくだりになると
『妖怪のせいなのねっ♪そうなのねっ♪』
が
脳内で流れ出し完結してしまうし
赤ん坊が出てくるシーンでは
鴨川ホルモーの小鬼が
可愛らしく走り回ってる姿しか
浮かばないし。
結局のところホラーへの想像力の欠乏を
思い知らされるにとどまる作品でした。