内包量より外延量の方が直感しやすい

2015年06月05日 | 中庸としての節制(節制論5)

5-1-3-3. 内包量より外延量の方が直感しやすい
 コップの水の量の半分と一杯は、一見して違いの分かる大きさ・広がりである。外に広がった「外 延量」としてある。だが、その水温は、10度でも40度でも、見た目には外的には違いはなく、内にこもった量であり、「内包量」といわれる。
 量的節制では、外からその多さの見える空間的広がりにした「外延量」でとらえることが好ましい。数量は内包量ですませると多さが直感しにくい。体重は、60キロが61キロになっても、それだけでは身体の外見(外延量)の変動は見えず内包量的変化にとどまって、違いが分かりにくい。その内包量にとどまる変化を、外延量化して傍線グラフにしたり折れ線グラフにでもすれば、違いは一目瞭然となる。0.1キロといったわずかの違いでも、上昇しているのか下降しているのかということがはっきりして、その前日の節制の努力が明確になる。
 食品の栄養は、内包量的である。同じ容量(外延量)の飲料でも内包量としてのカロリーは大きな違いをもつ。場合によると高カロリーのものが小さい外見(外延量)になるかも知れない。同じ外延量の一枚のチョコレートでも、砂糖たっぷりのものとチョコレートだけのものとでは、カロリー数も栄養の内容も相当に異なる。非常食では、内包するカロリー数が大きく、外延量の小さい飲料・食物を選ぶことになろう。過食を気にするひとは、逆に、美味のものについては、(カロリーという)内包量が小さく、(口に存在感のある)外延量の大きいものを好む。

 



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