まずは意志、そして意欲・根気・気力

2010年12月02日 | 快楽への欲求を理性的に抑制(節制論3)
1-4. まずは意志、そして意欲・根気・気力
 節制を持続させるのは、それを貫こうという意志である。さらに、個別主体が節制を積極的に進めていくには、意欲が欲しい。へこたれそうになったときには、根気や気力が求められるであろう。
 まずは、実践理性は、おのれの原理・原則を貫き通す基本姿勢を「意志」でもって示す。最終の目的を明確にし、その意義を十分吟味して、理性は、自己の行動の方向を未来かなたまで明確にしていく。目的と諸手段の連綿とつづくプロセス、途中での妨害・困難を踏まえて、意志はおのれを貫く。意志貫徹は、その対象・客観に対してであり、かつ、反理性となることのある感性・欲求と、ふらつく理性自身に対してである。妨害を排除しておのれを貫くことに優れておれば、「強い意志」が言われる。
 食の節制は、長い期間の後に結果がでる。その途中では、少しぐらい過食したり不摂生であっても、その期間の全体において減量等の目的が達成されておれば、成功である。浮き沈み・臨機応変を可としつつ、節制を貫きとおすものは、意志である。意志は、ことの全体をしっかりと把握し、標的に向けられたレーザー光線のように、冷静にその原理・原則を貫いていく。意志については「堅い意志」をいう。己を貫いて不変・不動である。
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