限度内へ収める食の節制の工夫

2015年08月21日 | 中庸としての節制(節制論5)

5-1-5. 限度内へ収める食の節制の工夫
 快楽(おいしさ)堪能から、過剰となる限度をもって、節制は、禁欲的に姿勢を反転させる。その限度の設定は、食の場合、一食のうちでの限度をいうだけではない。一日の総量、一日の限度をいう。栄養の管理では、一日分の適量を問うのが一般であろう。長期的な視点からは、特別のご馳走の出たときには、その限度を高めておいて、満腹食べて過食することもあってよい。他の日はそれに合わせて粗食でつじつまを合わせるのである。
 限度となるのは、出た食べ物すべてで一斉にということでもない。個々の食べ物で異なる。甘味料などははじめから禁欲的で味付けをどの食べ物でも薄くするということになる。好物は、おそらく食べだしてから早めに限度となって禁欲すべきことになるであろうが、その適量を意識して一部は最後にとっておくこともある。日本食の場合は、副食とちがいお米のご飯(主食)は、一般的には、はじめから終わりまで摂取して最後まで味わえるように食べ方を調整している。その限度量は、自分用のお茶碗を用意して、それに一杯とか二杯とかになる。
 一日を単位にして三食全体のうちで摂取の限度なり超過を考えればいいことであれば、甘党なら、一食は、甘いものを堪能できるようにすることもある。朝は満腹、夕食は少量にといった塩梅も限度を越えない工夫である。