勇気も恐怖も、心構え次第で、大いに変化する。

2012年09月14日 | 勇気について

5-1-1.勇気も恐怖も、心構え次第で、大いに変化する。
 勇気は、どうしても出さねばならない場面では、恐怖に心をつぶしそうになりながらも無理矢理に出すには出す。そうだとしても、過度に恐怖する自分の臆病さ、その性分自体は、変わらないと思うことがあろう。
 だが、その臆病自体も、しだいに変わっていくようである。高層ビルの窓の清掃をする者は、皆、はじめは、当然、足がすくむ。それが、必要に迫られて、だんだんと高所に身をさらすことに適応してきて、平気に成り変る。消防隊員とか警察官は、危険にさらされることの多い職業だが、次第に危険に慣れてきて、いつのまにか、全員が、一般市民からすると、勇敢で頼もしい存在にと変貌する。
 プールでの高飛び込みは、経験のない者が即座にという場合は、強烈な恐怖を押し殺して無理矢理となろう。しかし、低いところから段階を経て練習していくと、落ち着いて飛び込むことができるようになる。要領をつかみ、安全だということに納得して、順応できてくるのであろう。
 戦争になると、平時なら空恐ろしい殺傷の事態が、なんでもない平気な事柄になってくる。平和な国から来た記者が、ホテル近くで炸裂した爆弾の音に真っ青となっているよこで、メイドが鼻歌まじりに掃除をしているといったことになる。