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中国上海等で、早くも人手不足が顕在化しているという、目から鱗のレポート。

2014年03月01日 14時45分05秒 | 日記
 2月27日のこのブログで、『高齢化は進み、人口は減少傾向が避けられない。このような現実の中で、嫌中嫌韓を狂気のように叫んで、隣国と対立するのが本当に大事な事なのでしょうか?

 周辺隣国から、介護や看護の人材を大量に受け入れざるを得ない時代が、遅かれ早かれやってくると筆者は予測します』と書きました。

 ところがダイヤモンドオンラインで、「上海のタクシー運転手不足が語る、労働者輸出国から輸入国への転換 」という主題で、莫邦富というジャーナリストの「中国ビジネスおどろきの新発見」というコラムを発見しました。

 筆者のイメージでは、中国は13億人と言われる人口を抱え、まだまだ人口過剰であろうから、世界市場に、労働力も供給できるのが中国ではないかと思いこんでいました。

 ところが差にあらず、上海空港ではタクシー運転手が地元の人間では集まらず、周辺地域から集めても、ようやく程度しか応募がないと言う。

 莫氏によると、技能を伴う労働者はすでに不足気味なのだと語っているのです。

 そのうちに、海外で出稼ぎしている労働者(研修者と呼ばれている人達もいる)を呼び戻す事態になる事もあるかもしれないと言う。

 しかし、このコラムを読んいて、筆者も納得する事が出来た。日本でもかっては全く同じ様な経過を踏んでいたではないか?

 日本が高度成長期に入るや、金の卵と大事にされて、東北地区などの中学卒業生が、上野駅に集団就職の列車で大量に運ばれてきた事は、唄や映画やドラマでも話題になったではありませんか。

 その子供たちが日本の製造現場で、高度経済成長の大きな労働力となっっていったのです。そして彼らがやがて結婚もし家を造り、首都圏人口増の大きな源にもなっていったのです。

 中国も、最近でこそ、経済減速が問題視されていますが、長期にわたり高度成長を続けているのですから、技能労働者の不足は十分納得出来ます。

 新興国はこうして、次々と新しく育つ場所を選びながら、経済成長を続けていくのでしょう。

 筆者はこのコラムを読んで、より確信しました。 そうなんです。 嫌中、嫌韓でいがみ合い、武力装備に無駄なカネをつぎ込むよりも、1日も早く市民生活や経済活動の活性化のために資金を投じ、必要であれば早期に海外からの人材活用もできるような、現行法の改正立法などに、早期に手を打つべきなのです。

 第三の矢の既成改革スピードの遅さが、海外の専門家からも指摘されているは、この辺りの官僚の感覚の鈍さを、安倍政権が指摘できていない事でしょう。

 永年のデフレ状態が続き、アベノミクスマジックで目くらましにあっていますが、輸出立国は遠い昔の話で、今では円安は日本の国益上はマイナスにしか作用しません。

 何故なら円安は、海外からの輸入購買力と、日本の総資産価値を自ら下げる行為だからです。

 元の実力程度の円高であれば、海外から日本への出稼ぎ労働者の実質賃金も、魅力ある額に膨れあがり、日本で働くメリットも増えるからです。

(ダイヤモンドオンラインから貼り付け)

莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

上海のタクシー運転手不足が語る
労働者輸出国から輸入国への転換

 先月、上海出張中のことだった。浦東空港に降り立った私はタクシーを拾うと、荷物をもったまま、浦東の東方路と張揚路の近くにある96プラザに駆けつけた。仕事の打ち合わせが待っているからだった。タクシーの運転手は30代の女性だ。行き先を告げると、「96プラザなら知っている」との答えに安心した私はそのあと、ほとんど携帯電話を弄(いじ)っていた。

○道を知らなかったタクシー運転手

 40分間くらい走って、96プラザが左手に見えてきた。私もすっかり安心した。飛行機の到着が遅れたが、約束した時間になんとか間に合う、と。そこで意外なことが起きた。タクシーは曲がるべき交差点に来ても、まったくスピードを落とす気配はなかった。なぜだろうと思っているうちに、交差点を過ぎてしまった。思わず「どうしていまの交差点で曲がらなかったのか」と確かめたら、「えっ?いまの交差点を曲がっても96プラザに辿りつけるんですか」と運転手が逆に驚いた。

 そこで私はようやく重大なことに気付いた。運転手は96プラザの東方路側の入り口しか知らないのだ。まるで東京では皇居に行くとき、タクシーの運転手が日比谷沿いの入り口しか知らないのと同じことだ。具合の悪いことに、東方路には中央分離帯が設けられており、タクシーはひたすら前へ進むしかなかった。ようやく左折できる交差点に来て、車がUターンして走ってきた道を戻っていく。わずかに確保できた時間の余裕がすっかりとなくなってしまった。

 怒りこそ爆発していないが、語気に怒気が含まれているのを自分でも感じた。運転手は申し訳なさそうにお詫びした。「私は安徽省からやってきた運転手です。大きなところは一応覚えましたが、道の細かい対応方法はまだ分からず、申し訳ありません」

 安徽省観光大使も務めているから、その「安徽省からやってきた」という弁解の言葉を聞いた瞬間、彼女を許した。労働力不足問題が次第に顕著になってきた上海ではタクシー運転手の確保に四苦八苦している事情を知っているからだ。

 報道によると、2004年から上海のタクシー運転手が減少し始めた。1年後の2005年には30%も減少した。それ以降、毎年5000名くらいのペースでタクシー運転手が減り続けている。上海タクシー協会によれば、2009年、タクシー運転手応募試験を受けた人数は1万0050人だったが、2010年は27%減の7328人しかいなかった。

 人手不足の苦境を打開するため、タクシー運転手の応募条件から「上海戸籍」という条件を外した。しかも、一部の大手タクシー会社は2011年に、江蘇省や安徽省からタクシー運転手を募集することに踏み切った。こうして最初に募集できたのは250人だった。私が乗ったそのタクシー運転手もその中の一人なのだ。それも私が彼女のミスを許した最大の理由だ。

 タクシー運転手不足問題は給料が低いことにあると捉えがちだが、それはあくまでも表面上の理由に過ぎない。この問題をより掘り下げていくと、労働力不足という社会構造的な問題に辿りつく。上海だけではなく、杭州や南京などの大都市もこのような問題に悩まされている。

○中国人技能実習生はやがて激減する!?

 先週、私は締め切り日を1ヵ月半もオーバーした原稿をようやく提出できた。外国人研修生問題(今は正確には「外国人技能実習生問題」と書くべきだ)をテーマにした原稿だ。その原稿の書きだしに、私は次のようなことを書いている。

「今回の原稿の提出は遅れに遅れた。仕事に追われ、なかなか落ち着いて長い原稿を書く時間がない。それはもちろん理由の一つだ。しかし、主な理由はむしろこの原稿を書こうという意欲がなかなか湧いてこなかった。外国人研修生問題に対する日本政府と産業界の態度や方針に完全に諦め感が出た、という一面も言うまでもなくある。だが、より根本的な原因がそこにあるとは私自身でも思わない」

 より根本的な原因は、ジャーナリストとしての私の仕事的関心がすでに研修生から遠く離れたからだ。

○中国はやがて労働力輸入国に

 今や、日本にいる外国人労働者の中で、最多と見られる中国人技能実習生はやがて激減するだろうと私が見ているからだ。海外に中国人労働者、とくに日本に労働者を送るという現象はあと数年、長くても10年以内に見られなくなるだろうというのが私の見方だ。

 もちろん、外国人技能実習生関連の人権救済事件はこれからもまだまだいろいろと出てくるだろう。ただ、こと中国人技能実習生に限っては、これから減る方向へ動くだろうと思う。中国では、むしろもう一つの問題が次第に喫緊の課題となってきた。労働者不足問題だ。私の関心も中国人労働者の海外輸出ともいえる中国人研修生問題から、やがて訪れるだろう中国の外国人労働者の輸入問題へと傾いており、こうして中国人研修生問題の原稿の提出は大きく遅れてしまったのだ。

 春節(旧正月)が終わると、いつものように中国のメディアの話題が沿海部の労働者確保に集中する。このような現象はすでに10数年間も続いてきた。しかし、今やこうした問題は中国の内陸部でも見られるようになった。

 たとえば、湖南省藍思科技公司という会社は事業の急拡大もあり、労働者を3.5万人も募集しようと思っているのに、思うままに人材を確保できないでいる。焦った会社のトップは湖南省政府に、助けてくれと支援を求めた。

 藍思科技はOEM専門会社で、いままで全世界で販売した4000万台のiPhoneの表面ガラスの大部分を提供している会社だ。

 2008年に、私はメディアを通して、中国はやがて労働力輸入国になるだろうという予測を発表した。この予測はますます現実味を帯びてきている。日本の移民問題を考えるとき、こうした状況の変化を頭に入れておくべきだろう。

(貼り付け終わり)

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