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APEC開催時に、日中首脳会談が行われるとの報道はあるが、果して。

2014年11月08日 15時38分38秒 | 日記
 昨夜のTVニュースや今朝の新聞に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、安倍首相と中国の習近平(シージンピン)国家主席による首脳会談が開催される見通しと報道されている。

 前々から安倍政権は、APEC開催時に日中首脳会談をなんとか開催したいと、中国当局に働き掛けをしていたという報道は耳にしていた。

 各報道機関の伝えているものは、読売が伝えている程度の内容とほとんど変わらない。

(YOMIURIオンラインより貼り付け)

日中首脳会談、来週北京で開催へ…合意文書発表
2014年11月08日 03時00分

 【北京=大木聖馬】北京で10、11の両日に行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、安倍首相と中国の習近平シージンピン国家主席による初の首脳会談が開催される見通しとなった。

 日中両政府は7日、沖縄県の尖閣諸島周辺などの東シナ海で「不測の事態」を回避することなどを盛り込んだ合意文書を発表した。国際会議での短時間の接触を除く中国国家主席との日中首脳会談は、2011年12月以来約3年ぶりとなる。

 APEC閣僚会議出席のため、北京を訪れている岸田外相は7日夜、日中首脳会談について「現時点では決まっていないが、開催を視野に調整を進めている」と記者団に語った。安倍首相は同日夜、首相官邸で公明党の山口代表と会談し、「習近平国家主席と会い、握手を交わし、対話をしたい」と語った。

(貼り付け終わり)

 果して両者が会ったとしても、どれだけの内容の話し合いが出来るのか疑問ではあるが。

 ここは元外交官であった、天木直人氏のブログに書かれた論評が、下手なメディアの解説よりも的を得ていると思うので、下に貼り付けておきます。

 恐らくこの見方が正しいように筆者は思うのだ。

(天木直人のブログより貼り付け)

2014年11月08日
日中首脳会談をめぐる報道から読み取れるもの

 きょう11月8日の各紙が、昨晩テレビが報じた日中首脳会談合意について、一斉に報じている。

 その記事から見えてきた事を以下の通り順不同に列挙してみたい。

 1.どの記事もテレビの報道の域を出ないつまらないものばかりだった。本件についての安倍政権の報道規制が徹底しているか、メディアがその取材力を失い、政府ブリーフィングを垂れ流すだけになってしまったか、どちらかだ。

 2.発表された合意文書は典型的な官僚文書だ。その意味するところは作成した当事者しかわからない。いや、日中双方の当事者さえも解釈が異なる同床異夢の文章だから、厳密な意味で合意ではない。このような文章は、急に出来たのではなく日時をかけた日中双方の官僚たちの交渉があったはずだ。谷内局長はセレモニーとして訪中したということだ。

 3.私の最大の関心は、はたして谷内局長は楊ケッチ国務委員と直接に交渉したのかということである。報道によれば会談し、協議したことになっている。しかし、その映像や写真は一切流されない。
 たとえそうだったとしても、それは谷内局長による楊ケッチ表敬訪問のようなもので、実質的な協議は中国側の実務者と行われたのではないか。岸田外相は王毅外相とこれから会談することになっている。その前に、王毅外相より格の高い楊ケッチ国務委員が、岸田外相より格の低い谷内局長と首脳会談の実質的協議をすることに中国側が応じるだろうか。ありえないことだ。

 4.ここまで詳しくかつ玉虫色の周到な文書が事前に発表されたということは、たとえ日中首脳会談が行われても、これ以上の合意がなされることはないということだ。 つまり実質的な首脳会談はすでに首脳同士の会談前に行われ、その結果がこの発表された合意文書なのだ。 言い換えれば、行われるであろう日中首脳会談は、たとえ立ち話ではなく席についたものになったとしても、そしてそれを日本側が公式会談と強弁しようとも、握手するだけの形式的なものだ。もしそこで今回の合意文書以上の協議が両首脳間で行われたり、玉虫色の合意文書の解釈を巡って意見が交わされることになれば、大問題になる。官僚たちがつくった巧妙な合意文書がぶち壊しになる。そんなことはあり得ないのだ。

 これを要するに、この玉虫色の合意文書の公表によってすべてが終わり、これまでと何も変わらない日中関係がAPEC後に続くことになる。

 そしてそれは何もこれまでどおり何も進展しないまま、来年の日中戦争終結70周年を迎えることになる。

 来年こそが日中関係の正念場の年となる(了)

(貼り付け終わり)