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今の円安も、日本経済には良い結果になると見る、アナリストのコラムも見ておこう。

2014年11月04日 23時17分14秒 | 日記
 昨日に引き続き、今日も円安と米国経済の好調を好感して、日経平均株価は上昇している。

 今まで日本の株式市場で、売り越しに廻っていた海外投資家が日銀の追加金融緩和で、急遽日本の株式市場で、ひと儲けを狙って投資に参入しているようだ。

 筆者は日銀の今回の追加金融緩和は、中長期的には日本経済に決して良い効果を生まないと思っているが、アベノミクス効果や円安を、メリットとして見る金融アナリストもいる。

 東洋経済オンラインに村上 尚己氏 (アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト)が、そのような立場でコラムを書いておられる。

 筆者は円安は日本経済に決して良い効果ばかりをもたらしていないと見ているが、村上氏は円安がなければ、日本の輸出はもっと落ち込んでいたともい言えるという。

 円安賛成派は、日本の円は120円位が実力だと見ているようだ。

 最近、海外の観光客が大幅に増えているのは、サービス業の競争力が増した(輸出競争力が増したのと同じ効果)と見ている。

 読者の皆さんが円安をどうとらえるか、判断材料として読んでみてください。

(東洋経済オンラインより貼り付け)

円安が輸出増につながらない本当の理由
日本経済は追加緩和による一段の円安で復活

村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト
2014年11月03日

 日本銀行が動いた。

 先月10月初旬の世界のマーケットでは、株式などリスク資産が広範囲に売られ、ドル円相場も一時106円台をつけた。10月20日のコラム「急増する『円安倒産』の真犯人は誰か」でも述べたが、この動きはエボラ出血熱騒動という予想外の出来事で、市場心理が悪化したことがもたらした面が大きかったようで、コラムを書いた時点から幸いなことに世界的に株価が反転。日銀の追加緩和の影響もあり、ドル円相場も1ドル=112円台までドルが上昇、ドル高円安に戻っている。

●今後は米国と日欧の勢いの差が一段と鮮明に

 2014年は、米国では年初の停滞を除き、3%前後の堅調な成長率が続いている一方、日本、欧州、多くの新興国経済は減速が続き、米国の独り勝ちの様相が強まっている。こうした中で、世界経済全体の景気循環がどう動くか市場では思惑が揺れ動いたが、これまでのところ米国の最終需要の伸びが世界各国経済を支え、緩やかな回復を保っているとみられる。

 こうした構図が続けば、2013年までと同様、景気回復によって企業業績が伸びて、それが株高を支える構図が続くことになる。そして、為替市場では、投資家のリスク選好姿勢が続き、さらに「正常化に進む米国」対「金融緩和を続ける日欧」という金融政策の方向性によって、ドル円やユーロドルが決まるだろう。このため、2015年春先を見据えれば、ドル円が110円台で定着する余地があると考えている。

 ところで前出のように、10月20日のコラムなどでも紹介しているが、日本銀行による金融緩和やそれがもたらした円安に対する的外れな批判が世の中ではなお多い。例えば「円安倒産急増」といった報道は、ヘッドラインだけで強調されたものにすぎなかった。

 企業倒産はこれまでほとんど増えず、これまでの円安は確実に日本経済を回復させている。またこれと同類だが、夏場には「人手不足が問題である」などと言われたが、これもデフレに慣れきった一部マスコミによる一面的な見方だったと言えるだろう(7月7日付のコラム「人手不足の何が問題なのか」を参照)。

 もう一つ、金融緩和・円安批判として代表的な意見が「円安にしても輸出がまったく増えていないから」というものだ。これはいろいろと反論の余地が大きいのだが、それでは、この見方のどこが問題なのか?

 まずは、「円安にしても輸出が増えていない」というのは批判になっていない。「もし円安ではなかったら、輸出は減っていたのではないでしょうか」と一蹴すれば終わりである。

●円安で日本企業の価格競争力は高まっている

 そうすると「もう円安になっても輸出は増えないようになっている」という議論になるが、自国通貨が安くなれば国際市場での価格競争力が高まるメカニズムが働かないわけがない。

 このメカニズムが働かないなどというのは、経済原理を無視している。例えば2014年になってから外国人の日本への旅行者が増えていることを考えれば明らかだろう。外国人旅行者が増えているのは、円安(円高修正に過ぎないが)によって日本の観光サービス業の価格競争力が高まっていることがかなり影響しているのは明らかで、これは「サービス業の輸出」が大きく増えているということである。

 日本のモノの輸出が増えてないのは、円安の効果が小さいのが理由ではない。冒頭で説明したように、2014年は米国以外の各国の成長率が減速してしまい、世界経済の成長率が高まらなかったことが、日本からのモノの輸出が増えない大きな要因になっている。

 もちろん、大手製造業の海外現地生産比率が高まっているので、円安が進んでも例えば20年前と比べると輸出を押し上げる効果は小さくなっているだろう。それでも、日本企業について観光業などのサービス業を含めて考えれば、円安によって日本企業の価格競争力が高まるのは当然である。

 なお、実際に製造業の現場で起きていることは、アベノミクスにより、円安が進んでも日本の製造業はドルベースでの販売価格をほとんど下げていないということだ。

●シェアよりも、収益率重視しはじめた日本企業

 これは、価格競争でマーケットシェアを拡大させるよりも、海外市場での収益率を高めることを企業が最も意識しているためだと推察される。

 だから、数量ベースでの輸出の伸びは限定的としても、円安によって円換算した輸出金額そして輸出企業の売上高は、2014年になってから増えているのである。それが、4月からの消費増税で国内需要が大きく落ち込みながらも、一方で円安によって製造業を中心に企業業績が底上げされそれが賃上げの原資となっている。

 つまり、円安が消費増税のショックを和らげている、というのが現実に起きていることである。10月31日の日銀の追加金融緩和も、日本経済回復への下支え効果があることは、間違いない(だが12月に消費税の再増税を決定すれば、当然この効果は減殺されるが、これについては次回以降、読者の皆さんと影響を考えていこう)。

 ロジカルな経済理論を踏まえ、アベノミクスがもたらした効果を建設的に考えることが、日本経済のありのままの実態を把握することにつながるだろう。

(貼り付け終わり)