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消費税増税決定で、全てがうまく行く訳ではない。

2013年09月14日 16時10分35秒 | 日記
 ウオールストリートジャーナルが管理するJAPNリアルタイムのサイトでハーバード大学ロゴフ教授のコメントが出ていました。

 我々日本人は消費税増税の賛否に議論が集中して、なんとなく税金に対する本質論を忘れてしまっている。

 日本の莫大な公的債務、国の債務だけで1000兆円を超えている。その中身には米国債への投資等で数百兆円分が含まれているとはいえ、国内総生産(GDP)の245%にも相当する債務があるのです。

 これはどう見ても異常な数値だ。根本的に債務を減らす手段を講じないで、またぞろ消費税のアップで、成長政策の達成なんて名目で、この税金を公共工事の投資に使おうとする。

 これでは永遠に日本の国債残高は減る事がなく、いつかはパンクしてしまうであろう。

 まして東京オリンピック招致で舞い上がっている安倍総理だ。改革による長期的な生産性向上と、人口減少の根本解決もなしに、インフラ整備に血道を上げようとしている。

 それが成長戦略だと勘違いをしているのだ。

 以下にロゴフ教授のコメントを貼り付けましたから、お読みください。

 日本の国が本当に良くなるためにはどうすべきか? 海外の教授の意見にも耳を貸して見るべきです。

 消費税増税よりも構造改革を=ハーバード大のロゴフ教授

 9日に発表された日本の国内総生産(GDP)改定値は、景気回復を利用して消費税引き上げの実施を政府に求める意見を後押しする材料となりそうだ。しかし、米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授(経済・公共政策)は、日本が膨らみ続ける公的債務を抑制したいと真剣に考えるなら、日本が推進すべき政策は増税ではなく、大規模な構造改革だと主張する。

 ロゴフ氏は、日本は消費税や所得税の増税だけで、その財政的困難を「容易に」是正できる段階をとっくに通り越していると話す。そうした悲観的な見方の根拠には、日本の債務の規模と急速に進む高齢化があるという。また、安倍晋三首相が掲げる改革策は、首相が必要とみなす変化を景気にもたらすには不十分だとも指摘する。

 ロゴフ氏は、インタビューで「部外者として、また立法に関する複雑な問題は抜きにして言わせてもらうと、政府は抜本的な構造改革を単に提案するだけでなく実行に移し、増税は延期するか、少なくとも段階的に実施すべきだろう」と述べた。

 一部の試算によると、主要先進国で既に最悪の水準にある日本の公的債務は今年、国内総生産(GDP)の245%に達する見通しだ。

 ロゴフ氏は「債務の対GDP比率を安定させるには、巨額の構造的赤字を若干の黒字に転換させる必要がある。これは、長期的で持続可能な経済の大幅成長なくしては非常に難しい」と話した。

 その施策としてロゴフ氏は、解雇規制の緩和や製品の寡占化の緩和、農業市場の開放による食料品価格の引き下げを例に挙げた。さらに、安倍晋三政権が6月に発表した改革措置は十分ではないと述べた。

 ロゴフ氏のこうした発言は、増税の先送りや、実施ペースの減速が必要だとする日本の有識者の間で少数派とされている意見が、海外では必ずしも不合理だとはみなされていないことを示している。

 7月初め以降、日本では、消費税を予定通り来年4月に5%から8%、2015年10月に10%に引き上げるかどうかを中心に議論が交わされている。現行の消費税法では、増税は経済状況の「好転」を前提とすると規定されている。

 先月行われた政府が選んだ「専門家」による税制問題についての一連の討論会では、増税を延期またはより段階的に実施し、デフレ退治や改革を通じた日本の成長性拡大に注力すべきだと訴える人よりも、予定通りの増税を支持する人が大幅に上回った。

 しかし、ロゴフ氏は、日銀の金融緩和によって15年に及ぶ物価下落が反転すれば、日本の景気見通しは大幅に改善し、増税をしなくても財政状況は改善するとの主張には賛同していない。

 ロゴフ氏は「どのような方法を用いて債務を計算しても、日本が抱える問題の主な解決策は、改革による長期的生産性の向上と人口増加率の引き上げであることを示している」とし、「日本はマクロ経済政策だけで事実上のデフォルト(債務不履行)を永遠に回避することが可能な段階を通り越している」と述べた。

 しかし、ロゴフ氏は、構造改革を訴える一方で、日本が現時点で何をしようとも、将来「ほぼあらゆるシナリオにおいて」、財政問題を解決するには何らかの「大幅な財政抑制策」か、あるいは富裕層を対象とした増税が必要になる公算が高いと警鐘を鳴らした。

 財政抑制策の1つとして、規制や資本規制を通じ国民に低金利を強いる一方、長年にわたって緩やかなインフレを維持し、債務の実質的価値を引き下げる方法を挙げた。

 しかし、経済改革を通じて「成長のファンダメンタルズ(基礎的条件)が改善すれば、もっと好ましい選択肢が得られるだろう」とロゴフ氏は述べた。