教師になった時の最初の教え子のグループから先日、突然のうれしいお誘いが
ありました。今回はその報告から始めます。
彼女たちとの出会いは修学院中学校、体育の非常勤講師の時です。
60年前の、わずか1年弱の短い期間のバレー部のコーチと部員の関係でした。
私が大学卒業した昭和34年度は、不運不幸にも京都府教員採用試験が実施され
ませんでした。他府県の採用試験を受けるか一年間浪人生活をして翌年の
京都府の採用試験にかけるしか道はありませんでした。
私は仕方なく腰掛けの気分で引き受けた非常勤講師の働き口が修学院中です。
報酬は1時間あたり300円、正規教員並みの週20時間受け持ってもわずか
月収6000円、当時の新採教員の給料が約11000円でしたから約半分でした。
身分保障もなく収入も少ない状態でしたから希望に燃えていたわけでも
ありません。
一方、今も昔も同じと思うがクラブ顧問を引き受けてくれる教師がいないと
部は成立しません。
当時、バレー部顧問を引き受ける教師がおりませんでした。彼女たちはやっと
技術指導をしてくれる人がいれば名目顧問を引き受けてもよいという教師を
見つけ、名目顧問になってくれるよう口説き落としていました。
その経過を私は職員室の片隅で見ていました。その熱意にほだされて引き受け
たといういきさつがありました。このような出会いでのわずか1年足らずの
出会いです。
それなのに半世紀以上も年月が経過してもなお忘れずに安否を気にしてくれて
いることにありがたさと嬉しさを感じていました。
彼女たち5人、それぞれが平たんな人生の道を歩んできたのではなさそうです。
五人のうち夫婦そろって健在なのは二人、三回忌法要を済ませたところと
いう人が二人、でもお互いの現況を語る言葉の端々に力強さと自信を感じていました。
すごいです。
さて、後半はさくら情報です。
京都の春の終わりを飾る花といわれる「御室の桜」です。
開花は染井吉野桜より一週間から十日ほど遅く開花します。
桜は一般的に樹高がたかいのですが御室の桜の特徴は樹高が低く、根元から
低い枝にもいっぱいの花をつけるのが特徴です。
中門をくぐってすっぐ左側一帯に植わっています。
パンフレットには「湧き上がる雲のように目に飛び込んできます」と。
残念なことに現在は五重塔の普請中で工事足場が景観を遮っています。
訪れたのが12日の午前中、今春は開花が遅れこの時期で「五分咲き」。
でも観桜客であふれていました。
桜林の中は人込みでいっぱい、カメラをゆっくり構えることもしにくい状態。
でも、講堂や鐘楼あたりは人影まばら、ミツバツツジが満開でした。
ミツバツツジの花びらも。
参道から仁王門を望む。