ペナン族の籠、ブライアン・センテンス著「世界のかご文化図鑑」東洋書林、より
これはボルネオ、サラワク州の最後の狩猟採集民と言われる
ペナン族の籐編みの背負い籠です。
この籠を背負って移動する、と著者は書いています。
きれいできゃしゃな籠、どう見てもおしゃれの籠にしか見えません。
現実に、移動生活の中で生活に必要なものを入れて運ぶには、
小さくて、役に立つとも思えません。
でも、これはおみやげ物用に作られたものではないですね。
実に丁寧で、手馴れた作りのかごです。
この種のペナン族特有の背負い籠は、商品として以前からかなり出回っています。
私も昔友人から頼まれて修理したことがあります。
その籠は口作りなどは同じで、編み目は菱四つ目の細かいものでした。
友人は大阪の万博で購入したようでした。
私達は狩猟採集民というと、すぐ自給自足を想像します。
かなりの部分そうでしょう。
でも全てのものを自分達だけでまかなうことは不可能です。
周囲の部族との物々交換もかなり行われていたことでしょう。
この背負いかごはそういう交換用の意味もあったのではないか。
今のところ私の想像の域を出ませんが。
特に左の籠はこの本の著者が、[くねった蛇のパターン」とよんでいるもので、
ペナン族独特の編み方のようです。
同じパターンの籐の敷物の写真もありました。
今サラワク州の奥地にはエコツーリズムで行くことができます。
似たようなかご編みの技術を持つ、定住民イバン族の村に滞在できるようです。
でもペナン族は・・・・定住したら変わってしまいます。
誰かがどこかで書いていた「静かなまなざし」に出会うことはないでしょう。
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